おもいかるい すてるきえる
想いに重さがあったなら
それはきっと重いだろう
想い続け書き続けたものには
相応の込められた想いの時と
たくさんの心が詰まっているに違いない
想いや心込められた魂というものが
軽いということはけっして無いだろう
ましてや空っぽであることなど有り得ない
捨てることで気持ちが軽くなるのなら
持ち続けた想いや心が軽いことなどないだろう
消えた想いや心を感じるとき
もたらされる響きがあるのなら
その響きがもたらすものの中にはきっと
多くの想いや心があったのだろう
無いと思えても
消え去ったと感じても
積み重ねた日々の分だけ
心や想いは内に秘められているに違いない
速さと軽さには
確かに現在を生きやすくする
その価値はあるのだろうけれど
その価値がゆっくりと積み重ねられた
心と想いの価値に優るとは思えない
軽いものは風に飛ばされるように
舞いそして消え忘れられる
軽い気持ちで捨てられ消えてゆく
悩みや苦しみの時間こそが
喜びや楽しみ愛しんだ想いこそが
手の中に残る心と命を育ませる
軽さと速さの中に生まれた
空っぽの命なき頭脳は
いつか想いと込めた心を持つのだろうか
軽く速く生み出して
捨て忘れることを繰り返すのだろうか
操られるまま込められる想い持たず
言われるまま生まれる心待たず
行動するだけのむくろのように
すべてを忘れ果て動きつづけるのだろうか
からっぽのきれいなうつわをもって
かぜにとばされたならそれをわすれ
あらたなうつろのうつわをつくり
くりかえしくりかえし
うごきつづけるのだろうか
おもいせかい
かるいせかい
すてるおもい
きえるこころ
あたらしくきれいな
うつろなせかいをおもう
たぶん
ひとのおもいには
まだかるすぎて
すてわすれるには
はやすぎる
ゆっくりと
うみそだてて
あゆんでゆきたい
きえさるまでに