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記憶

「あなたの名前は?」



ユナは俺の名前を聞いてきた。



「俺の名前は……」



言葉が詰まる。

思い出せなかった。


名前だけではない。


産まれた場所も、どこで何をしていたのかも分からなかった。



「俺の名前ってなんだ……」



戸惑う俺を見たユナは心配そうな顔をする。



「もしかして、記憶喪失?」



そうに違いない。現に何も分からないのだから。

俺は記憶を振り絞った。



「だめだ。何も思い出せない……」



机に置いてある鏡に手を伸ばしたユナは、それを俺に渡してくれた。

鏡を覗き込むと、そこには知らない人間が俺を見返していた。



「これが……俺か?」



目元まである黒髪。茶色をした瞳。

男らしい風貌で、身長は百八十センチに満たないくらいだろう。


一見すると、ごく普通の大学生だ。



「自分の顔も忘れてしまったのね」



驚いている俺を見て、ユナはそう言った。


何も覚えていない。

俺からしたら、鏡の中の人間は、初対面の他人と全く同じだ。



「何か覚えていることはないの?」



俺はもう一度、記憶を振り絞る。



(俺は何をしていた。どうしてここにいるんだ……)

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