目を覚ますと…
目を覚ますと、そこには真っ白な天井が広がっていた。
起き上がって周りを見渡す。
知らないベッド、知らない机。知らない部屋……。
初めて見るこの空間は、やけに生活感に溢れていた。
「ここはどこだ……俺は……」
ふと自分の体に目を向ける。俺は見覚えのない服を身につけていた。
紫色をした冬用パジャマのようで、もふもふとしている。
肌触りが良く、とても好みだ。
状況を理解できず、俺は部屋の中を探索した。
タンスを開けてみたり、本棚の本を覗いてみたり……。
そうしていると、正面にあるドアがガチャッと開く。
青髪の美女が部屋に入ってきた。
青い髪はサラサラのロングヘアーで、瞳までも青く美しかった。
その大人っぽい雰囲気と小柄な容姿に、俺は心を奪われた。
「目を覚ましたのね」
美女は優しい声でそう言うと、左側の窓に近づいてカーテンを開けた。
窓の奥には広大な海が広がっていた。
「す、凄い……」
思わず声が漏れる。
海は太陽を反射して、見事なまでの青い輝きを放っていた。
「ここは《水の聖域》。私の庭のようなものよ」
「水の……聖域……」
初めて聞く場所だ。
海は果てしなく広がっていて、まるで世界の一番端にいるように感じた。
「私は『ユナ』。よろしくね」
青髪の美女は自身を『ユナ』と名乗ると、椅子に腰を下ろした。
我を取り戻した俺は、ユナに続いてベッドに座った。