まじわるマジカルラディカルライフ
「どんっ、どんっ、あったかくなってくるね」
雅樹がそう言ったので、
「うん。どんっ、どんっ、あったかくなってくるよ」
うっとりした真面目な声であたしはそう答えた。
春の夜はしっとりしてて、2人の汗をみるみる乾かした。
「どんっ!」
雅樹が呻くように、顎を上げて言う。
「どんっ! あったかくなる!」
「これ以上あったかくなると困る」
あたしは首を何度も横に振った。
「地球がおかしくなっちゃう!」
どんっ
どんっ
ピンク色のぞうさんの歩く音。
そこにたまごがしろみを零した。
産まれるものは、何もない。