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魔が定めた僕らの宿命を  作者: 望月華清
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1 あの日

記憶を失っていた俺は、過去に何をし、何を成し遂げたのだろう……。

目が覚めた時にいた女性は……。

あの日のことは朧げに覚えている。真紅のヘリコプターが青空の中を低空飛行していったのを。大体、目視で20機程のヘリコプターが飛んでいた。先頭を行く派手なロゴの入ったヘリ、その後ろにギリシャ数字で1から5の数字が刻まれたヘリが。

すると、4の数字が刻まれたヘリから誰かが顔を出した。次の瞬間そいつが落下してきたのだ。そしたら、そいつが落下してきたところを震源としたかのように、でっかい地震が俺たちの暮らす町を襲ったんだ。そんで、建物はかなりの強度だったはずなのに、ガラガラと音をたてて崩れていったんだ。

それからの記憶はあんまり定かじゃない。小さな子の泣き叫ぶ声、人々の嘆く声、建物の崩れる音……。それだけで埋め尽くされた。

そんな中で、俺は空を見上げたんだ。そしたらびっくり。4の数字が刻まれたヘリ以外、跡形もなく消えてたんだ。


※※※


俺はダイラ・ヴィゲナ。16歳。このホープブレイブ王国、国軍394期生の訓練生だ。今、俺は友達の5人にあの日の事を話していた。

今から555年ほど前、殆どの世界が人を殺めるための武器を捨てた日から200年後のある日、突然魔力を持つ人間がアメリカで誕生したそうだ。そして、魔力はとてつもない早さで全世界へと広がり、地球上の殆どの人間が魔力を持つ超人になった。そして……。

「でもさ、もしそのヘリが本当にユーボス帝国のヘリならさ、どうしてこんな貧弱な国を襲ったんだろう?」

今のは俺の同期のケリー・ロドリゲス。頬のそばかすがチャームポイントで、男女問わずに優しい。モテると思いきや、まあ、顔が……、良い方だと思うが、女子からは人気がないらしい。魔力は『レイク・ザ・ウォーター』という、水系の魔法を使う。

「だよなぁ。確かにこの魔力戦争の頂点と言っても良いほど激強のユーボスがなんで、こんな国襲うんだって話だよな」

そこは俺も疑問に思っていた。

「ユーボス帝国っていやぁさ、魔力ともに身体能力の高さもトップレベルの国だよな」

次のやつは、ナタリ・アンダーソン。デカイ。身長が。そして、筋肉にも恵まれているから、すんごく羨ましい。魔法は全身を金属並みに硬化させる『ハードインパクト』を使う。

「だよな。だから疑問なんだよ」

「確かに、今までユーボスがこの魔力戦争に介入してきてから、潰してきた国はすべてかなりの力を持つ国ばかりだ。それに、不思議なくらい相手をしてきた国を確実に武力で再起不能なくらいに潰してる。で、兵士以外の民間人はユーボスの植民地の人間として働いているんだったよな」

続いて口を開いたのは、こちらも同期のスーザン・アヴィゲイラ。もう、こいつに関しては一言。……めちゃくちゃイケメン!そして優しい!……あり?俺一言つったのに二言になってんじゃねぇか。まあ良いや。戦闘訓練ではぶっちぎりのトップ。それに、座学では2番という成績上位者。長めの銀髪を後ろでポニーテールにして、紫の目。色白で中性的な顔。羨まし。案の定、女子からはモテまくってるよ。(本人は自覚ないけどさ、全く……)

もう。魔法は『ライ』という雷系の魔法を使う。

「あの、この魔力戦争は、かつて魔力を持った人間が見世物だけではもの足りず、国を跨いで争いを始めたのがきっかけですよね。お父様が言っておられました。しかし、最近ではこの戦争に参加していない日本を除く全世界の人々は戦う意味を覚えてらっしゃるのでしょうか……?」

次に口を開いたのは、マリア・ラズベルン。さっきまで喋っていたのは野郎共ばかりだったが、次は女の子だ。スーザンを絶世の美少年と言うなら、マリアは絶世の美少女と言っても過言ではない。こげ茶色の髪を下の方で緩くツインテールにまとめ、瞳は美しいとしか言いようのないビビットピンク。それに、性格も良く、座学の成績ではぶっちぎりのトップ。しかも、今俺の向かいに、スーザンと並んで座っているから、眩しくて仕方ない。魔法は『フラワーキル』という、花びらを相手に吹きかけると相手の魔力量を自分の物にできるという回復系の魔法を使う。もちろん、男子からはモテまくってる。俺も好き。可愛いから。

「まあ、そんなこと言ったって、多分誰も覚えちゃいねーよ。最近のこの戦争は、自分の国の力自慢になってんじゃねーか」

続いて正論をはいたのは、これまた同期のカノ・ヒューマン。女子なんだけど、男勝りで、長身。俺と4センチしか変わらない。美人さんだとは思うけど、目付きの悪さとツンツンの癖っ毛のせいで、初めて会った時は、正直怖かった。座学の成績も良いし、戦闘訓練でも10番以内に入る成績の持ち主だ。性格よし(見た目に反してスゲー良い)。魔法は、『ツリーウィナー』というものを使う。まあ……初めて見たときは……すごかった。その……インパクト?が。ツリーウィナーが発動されると、地面から巨大な木が生えて、枝が伸び、標的をがんじがらめにし……。その後はご想像にお任せします……。

「そうですよね……」

マリアがしょんぼり。可愛い。

「あのさ、ダイラ。それは何年前の話だ?」

「俺が、11の時だから……えーとね6年前だな」

すると、質問をしてきたスーザンがこう言った。

「そうだな、5年前だ。だけど、この5年間でユーボスは別の国を滅ぼしている。じゃあ、この5年間の空白はなんだ?って話になるよな」

「そうだな。この5年間なんで私達の国を放置してんのか、意味がわからない」

カノも肩を落とす。2人の言う通り6年前……あ、違う。5年前の謎の襲撃以来、他の国も襲ってこない。

「あの、少し思ったのですが……。ひとつだけ、仮説をたてることが可能ですよ」

「えっ……!マジ!?」

「は、はい……」

マリアは押し黙ってしまった。

「マリア、言ってみろよ」

カノが少し急かす。すると、マリアは恐る恐る口を開いた。

「もしかすると……、ユーボス帝国はこの国を……」

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