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プロローグ
眩しい。太陽の光が、目にしみる。ここは……、ベッドか……。夢を……見ていたのか……。でも、何でだろう……現実のように……思えた。
「おはよ。起きたか?」
「へ……?」
紺色の髪の癖っ毛の目付きのあまりよろしくない、だけど、綺麗な女性がいた。
「えっと……どなたですか……?」
俺がそう言うと、女性はかすかに目を見開いた。とても、悲しそうに。
「……覚えて……無いのか……?」
「すみません。分からないです」
本当に分からないのだから仕方ない。
「そうか……」
また、悲しそうに。
「じゃあ……いままでのことも何も、覚えてないんだな?」
「はい。寝てたところまでしか」
「そうか……なら、私の名前から言うよ。改めて名乗ると恥ずかしいな。私の名前は――――」
――――その名前を、俺はよく知っていた……。