存外、思索のソラ
「どうか笑ってよ」
夜中、私は屋上で呟いた。
人のいない町
ほんの数年前には、全く想像つかなかった光景だ。
「終末の・・・なんだっけ?あれ」
喋ってなきゃ、落ち着かなかった。
町の光も無くて
”心細かった”
椅子に座って、空を見上げた
「雨でも、降ってくれるといいのに」
ヒマだし、やることもないから
1人・・・独り(ひとり)って言った方が正しいかな
長椅子に寝転んだ
やることもないと、気持ちのカロリーを消費することもできない
今なら、いざこざだって懐かしく思えるかな?
意味もなく、ビニール傘を広げた
なんとなく、星空が綺麗だったから
星が、雨のように降ってきそうだって
そう考えてみた
「そういえば、セルリアンブルーって、どんな色なんだろ」
瞼を綴じてみた
よく覚えてないくらい前
聞いたことのある色の名前
「思い出せないや」
思い出せそうになかったから、途中でやめておいた
「ご飯、どうしようかな」
「べつにいいか」
お腹も、そんなに空いてなかったから
人の匂いが、懐かしくなってきた
もちろん、食べ物的な意味じゃないよ?
なんていうか・・・
説明するのは難しいけど
”匂い”って感じの・・・
ええと
・・・わかんないかな?
うーん・・・
「ねよっかな」
「寝床もあるし、今日はここで寝よう」
・・・独り言も、ずっとしてるとヒマだなぁ
まあ、空を眺めながら寝ることにした
「明日・・・」
「明日も、あればいいな」
瞼を綴じて
眠ることにした
「おやすみなさい」