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Sランクタンクがいる限り後衛職は安全なようですよ?


 俺たちはゴブリンの巣穴の中を警戒しながら進んでいた。


ここまでの規模の巣穴だと横穴を見落として挟み撃ちにされるのが一番危ない。

30匹程度の群れなら挟み撃ちにされても突破できなくはないが、ゴブリンキングがいる群れなら下位種だけでも100匹はいる。

いくら1匹1匹は弱くとも数が集まれば脅威となる。


よってエチカにはゴブリンの襲撃の察知だけじゃなく横穴の発見もしてもらっている。

横穴は見つけ次第、エリンの土魔法で塞いでもらっている。

行き止まりに突き当たったら道を戻り、塞いだ横穴を調査する。

これを続けていけば比較的安全に進めるはずだ。


隊列は、一番前にエチカ、そこから少し離れたところに俺、その後ろにエリン、その後ろにリンだ。

なぜ、剣士のリンが最後列なのかは、外に出ていたゴブリンが帰って来たときにエリンが狙われて負傷すると回復魔法が使える人がいないため、作戦続行が不可能になる。

エリンの護衛という役回りなわけだ。


「ゴブリン、数20!来ます!」


エチカが急いで戻ってくる。


「よし、エリン。魔法で倒してくれ!ゴブリンの20や30なら後ろに攻撃は通さないから落ち着いて詠唱していいぞ。ただ、魔力は温存してくれ」


「さすがに一体も通さないなんて―――え?」


エリンはキャラに合わない素っ頓狂な声を上げた。


俺の大盾の横を通ろうとしていたゴブリンたちが見えない壁にぶつかるように止まったのだ。


「どうなってるんですか、それ!」


リンが理不尽なものを見た、と言わんばかりにこちらを見てくる。


「…まぁ、後で教えてあげるよ」


そんな問答をしているうちにゴブリンの群れは一掃されていた。

エリンの魔法の腕は確かなようだ。

発動速度、精度ともにBランクの腕はあるのではと思うほどだ。


そんな感じの襲撃が10数回繰り返されたころ、奥にある大部屋にひときわ大きい個体がいるのを察知したエチカが怯えた様子で戻ってくる。


「ゴブリンロード…か。ここまで200以上ゴブリンを狩ったんだ。他のパーティが来るまでの時間稼ぎはできただろうし、今ならまだ引き返せるが?」


俺は少し挑発するようにリンに聞いた。


「と、当然倒すに決まってるじゃないでs「わっ、バカ!大声を出すな」」


リンは少しゴブリンロードの気迫に呑まれていた様子だったが、自分に喝を入れるように大声で返事をしたため、見つかったようだ。


「まぁ、仕方ない…リンたちは隙を見て攻撃を叩き込んでくれ。あのデカ物の攻撃は俺が引き受けてやる」



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