表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/67

服は適当なものを




横に座った武田さんは、私と肩が触れないように頑張って身体を横に傾けているけど、結局無理な体勢なので、座ってもらった意味が果たしてあるのだろうか・・・。

辛そうになったら、声をかけることにしよう。


今私は、武田さんに紹介されたホームページを見ながら、いろんな服を閲覧している。

うん、いろんな服がある。落ち着いた服装から、可愛いふりふりなもの、ダメージの入った服なんかもある。いや、私元の世界の服って、どんな過程があって今の服になったのかあんまり良く分かってないんだけど、別世界でこんなに服の雰囲気が似るものなの・・・?深く考えない方がいいのかね・・・。

まあ世界の謎に関しては置いておこう。前にも思ったけど、私がどうこう考えてもどうにもならないし。


それよりも、今一番気になることがある。



「この世界の衣服って、サイズが決まってないのでしょうか・・・?」


服を探しても、色の種類なんかは表示されるけど、サイズ表記がない。

私が気付いてないだけ?どこかにサイズが分かるような記号とか背景の色とかあるの?

探しても分からないので、武田さんに聞いてみたら、そういえば言い忘れてました!と返っていた。え、嫌な予感。ワンサイズしかないとか?


「まずね、女の人が少ない分、きちんと作られた服が店頭やインターネットに並ぶことって少ないんだよ。店頭に並ぶのもだいたいはフリーサイズのものだし、絶対買ってくれるか分からないものを、店も作らないからさ。」

「え、じゃあこの今見ている服は・・・。」

「それは見本として、1着は作っているから、それの写真だよ。注文する時に、スリーサイズを打ち込むと、それに合わせて作ってくれるんだ。」


オーダーメイド!?


「え、そ、それ、どんな服でもですか・・・?」


スーツとか着物とかそういうのだったらまだ分かるけど・・・!

まさか普段着もだなんて、言わない、よね・・・?


「えりが服を買うなら、それは全部オーダーメイドになると思うよ。」


きょとんとした顔でさらっと答えるけど、普段着をオーダーメイドって普通ないからね!!

言ってることは分かるよ!女の人少ないのにどんどん服作っても、買ってくれないなら買い手が少ない分、たくさん廃棄しないといけなくなるし、それじゃあ店が赤字になる。わかるんだけどさ!!


私ド庶民だったから、そんな服の買い方したことないわ!!


「オーダーメイドだし、女の人の服を扱う店ってそんなに多くないから、男物よりもちょっと値は張るけど、必要なものだからね。お金が足りなかったら、いつでも言ってね。」


お金が足りないと言えば、払ってくれるってこと?いや、さすがに自分が欲しいものが買えないからって、人にお金借りたりしないよ。


「好意だけ有り難くいただきます。」


だからそんなあからさまに悲しそうな顔をしないで!






この世界の服の物価が良く分からないので、女物の服の値段がいかに高いのか分からないが、見た感じでは元いた世界と変わりがないと思う。安いもので2000円程度、高いものだとウン万円、ウン十万円するものがある。素材の違いだろうか。


良い服を着て、男の人に綺麗に、可愛く見られたい願望があるわけではないし、出かけることもないだろうし、服はある程度安いものでいいよね。

横に旦那がいて、私が服を見ているのを横から「これ、えりに似合うと思うよ」「清楚な服も似合うよね。あ、この可愛い服もどうかな。」といちいちコメントを頂いたとしても、小さい声で「これを着たえりを見てみたいなあ」なんて呟かれても、動じないからな!地味な色合いで動きやすさ重視の服を選ぼうとしているこの手を止めないからな!!でも出来ればそれ以上コメントはしないでいただきたい。


買いづらい。


「えっと、可愛い服が好みなのでしょうか・・・。」


ずっと無視するのも悪いと思って、会話を振ってみる。できればこの流れで、私が買おうと思っている服を伝えられたらいい。ほんと、これほどコメントをいただけるとは思わなかったよ。分かってたら先に伝えてたわ!


「ううん。好みの服とかはないよ。あ、うるさかった?ごめんね、でも、これもそれも、えりが着たら似合うなあって思って!」


謝りつつ、服を推してくる。なんだこの押し売りは。え、彼仕事は営業でもしているの?

このノリで年上のお姉さんを褒めたら、結構貢いでくれるんじゃない?ああ、でもこの世界に女の人少ないんだった。

こう、あからさまに「この服あなたが着たら似合うよ」と言われると、スルーしずらい。このページをスクロールできない。

しかも、武田さんが推す服って、可愛いのと綺麗なの2着なんだけど、値段もそれほど高くないし、動きやすそう。じゃあ買えば?と言われるだろうが、分かるだろうか?これほど似合うよーと言われた服って、着たときに似合わなかったら気まずいんだ!

これが女友だちとの買い物だったらいいよ?

でも、相手は異性で旦那様だからね!望んだ結婚じゃなかったけど、服を着てみたときに「あ、うん、いいんじゃないかな」みたいな気まずい反応されると、流石に落ち込むし!


ページをスクロールしづらいけど、買いにくくもある。どうしてくれるこの現状!


「えりは、どんな服がいいの?」


私が買う服を迷っていると思った武田さんから、質問があがった。うん、便乗させていただこう。


「動きやすい服で、汚れてもいいような服にしたいと思っているのですが・・・」


安い服がいい!なんて言うのはちょっとプライドが邪魔して言えなかったけど、汚れてもいい服ってことで伝わるよね。大丈夫かな。

しかし、悲しきかな。武田さんは、「それなら!」とさっき本人が推していた服を指さす。


「これ、値段もそれほど高くないから汚しても買い換えやすいし、動きやすいと思うよ!」


それに何より、七分丈の服だから、腕もそれほど見えないし露出も少ないもんね。

ああーこれは、下手うったな・・・。

買うしかないじゃないか・・・。

まあ、似合わなくても、皆に見なれてもらおう。これだけ推されて買うのだから、どん引きされたら武田さんのせいにしちゃうからな。




結局、衣服はそのあと武田さんの意見に振り回され、断れなくなって、でも時には断ってみてを繰り返し、上下で4セット分を選びました。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ