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朝食を作りましょう 続

『折衷案』の「パン6斤」を「パン1斤」に修正しました。

完全なるミスです。

申し訳ありません。






「ご飯作るよ!」


さっさと「可愛い」攻撃をやめさせるために、強引に朝食作りを推した。

石川さんは、「しょうがないなあ」というように笑って、顔を洗いに行く。


「じゃあえり、エプロン付けて。」


武田さんも、なんだか嬉しそうに笑ってエプロンを差し出してくる。

その嬉しそうな表情は何が理由だ。

やっぱりからかってたんでしょ!

くそう、年下(仮)にまでもからかわれるとは・・・!


「えりはピンク色も似合いますね。」


そう言われ、ハッと自らの姿を確認した。

言われるがままにエプロンをつけたけど、このエプロンピンク色・・・!

薄いピンクだけど、ふりふりが贅沢に使われている。

こんな・・・


「こんな可愛いエプロン、私には似合ってないと思うんだけど・・・!」


なんか恥ずかしい。可愛い子が付けてたら似合ってるだろうけど、私が付けたら痛いだけだ。本当に胸が痛い。27歳平凡ぽっちゃりがふりふりピンクエプロン・・・!!いだだだだだだ。


さっとエプロンを外そうとしたら、武田さんからブーイング。


「なんで!?可愛いのに!似合ってるよ!」

「サイズが合いませんでしたか?」


また可愛いと言いやがった武田さんもそうだけど、向井さんまで残念そうにする。

そんな顔されても、自分自身のメンタルの方が大切だ。

このままだとメンタルへのダメージが計り知れない。


「いや、そう言ってもらっても、自分では似合ってないと思うから。」


こう言えば引いてくれるだろうと、二人を見ると、残念そうにしながらも反論はしなかった。

うん、「自分では」って言い方すると、それ以上意見しづらくなるよね。私の感性だし。三人の様子を見ていると、私のことを否定的には言わないし。ごめんね弱点ついて。でもこのエプロンはごめんだわ。


「それじゃあ、こっちのエプロンはどう?」


武田さんが、キッチンに置いていた他のエプロンを持ってきてくれた。

今度は薄い青色。形もシンプル。

うん、これなら問題なさそうだ。


「ありがとうございます。」


着てみても、動きにくいようなことはない。ちゃんと動きやすいエプロンだ。

シンプルだし、ポケットもある。

このエプロン、今後も私専用になるのかな。それとも、全員で使うのかな。


「着心地はどうでしょうか。良さげであれば、今後はそのエプロンをえりが使って下さい。」


私専用にしていいみたいだ。

それなら、気兼ねなく汚してもいいね。


「それじゃあ、朝ご飯なんだけど・・・。」


武田さんが、冷蔵庫を開けて中を私に見せる。


「まあ、買い出しは今日するつもりだから、この冷蔵庫の中のものは全部使っても良いと思うんだけど、何作る?」

「うーん・・・。」


冷蔵庫の中には、卵6つ、牛乳2パック半、ハム4枚入りが3セット、チーズ、レタス、トマト、ウインナー、にんじん、タマネギ、じゃがいも、後はマヨネーズとかケチャップ、わさびなんかの調味料だけがあった。うん、確か石川さんの持ち込みが多いって聞いてたんだけど、石川さん、本人が言っていた通り、見事に朝ご飯で使うような組み合わせだな・・・。また、向井さんはパン1斤で武田さんはチーズ。買い出しの前にしても、たまたま使いかけの食材が多かったのか・・・普段からご飯を作らないのか。

聞いてみるか。普段の食生活を。

いや、今のこのタイミングで聞いても失礼かなあ。「普段家で料理してますか?」なんて聞いて、気分を害する人もいるだろう。

しかし聞いておかないと、三人の仕事が再開したら、私がご飯を作るつもりだし。外食派なら、無理に家で食べないでもらいたい。うん、後で聞くことにしよう。


そして、この冷蔵庫から朝食のメニューを考えないといけないのだけど・・・。

その前に。


「この世界の朝食って、だいたいどういうものなのですか?」


一応これを聞いておくべきだろう。

この食材を見るかぎり、多分一緒だけど・・・。私の普段の朝食メニューにするのは、先に三人の普段の朝食メニューを聞いてからじゃないと、押しつけみたいで嫌だし。


「うんー・・・。んー・・・。朝起きたらそのまま職場に行ってるし・・・。」

「私はだいたいパンを焼いてそれだけなので・・・。」


二人の普段の朝食事情を知れました。朝ご飯は作らないらしい。いや、そりゃ仕事がある時は、私だって朝ご飯は前日の夕食の残りなので、作らないけど・・。

でもさ!この人達、私に家事をさせないつもりだったよね!?

もしかして朝はパン1斤渡されてそれかじってろ、ってなるところだったの!?お昼はどうするんだ!私は犬猫じゃないから、お昼もご飯食べるんだからな!!


「なんだ、どうした?」


そこへ、顔を洗った石川さんがやってきた。私のフリーズ具合を見て、何かあったと判断したのだろう。うん、何かありました。そして、ここで石川さんにも聞いてみよう。


「今、この世界の朝ご飯について聞いていたのですが・・・。武田さんは食べない、向井さんはパンを焼いて食べるようで。石川さんは普段どのような朝食なのですか?」

「俺は仕事がある日とそうでない日でかなり変わるけど、今日みたいな仕事がない日は、野菜スープとハムとか卵を挟んだサンドウィッチと、簡単なサラダだな。たまにしっかり食べたい時は和食だけど。」


普通にしっかりしてる朝食だった。

武田さんと向井さんの話を先に聞いたから、変に覚悟してしまったわ。

なるほど、それであの食材なのね。


そして、私の普段の朝食と同じだった。

うん、今日の朝食のメニューが決まった。


「じゃあそのメニューにしましょうか。」

「いいのか?えりの普段食べてる朝食のメニューでもいいけど。」

「私も同じようなメニューなので大丈夫です。」


うん、私の周囲にいた男の人はご飯作らないし女がご飯を作るものって主張だし、未婚者は女の人と同棲したりしてご飯作らせて、ご飯を作らないといけない場面になったら「こんな雑用を男がすることになるとは」なんて男尊女卑を主張する人ばかりだったけど・・・。

三人ともそんな気がないばかりか、石川さんは普段からご飯をきちんと作っているようだ。朝食だけしか聞いてないけど、それでも十分だろう。

ああ、そんな気がないっていうか、この世界は女の人が少ないんだったね。そんな気が起きることもないか。


「じゃあ、作り方の見学も含めて、石川さん、一緒に作ってください。」

「任せろ。」


石川さんはちょっと嬉しそうに笑って、シャツを腕まくりし、エプロンを着用する。うん、イケメンの胸キュン仕草ですね、朝からごちそうさまです。


「え、えり!私だって、ご飯は普通に作りますからね!」

「俺だって!一人暮らしだから、作るのが面倒だっただけで・・・!ああーこんなことなら普段から朝食作っとくんだった!」

「まあ今回は俺に役が回ってきたようだから、潔く見学してろ。台所に四人もいると反対に危ないからな。」

「ずるいですよ石川!一人だけ頼られて・・・!!」


一人暮らしだったら作るのが面倒なのは理解できる。私も忙しい時はコンビニのパンだし。

ただ、そんなに一緒に作りたいものなの?

よくわからん。


「じゃあ、武田さんと向井さんは、パンを焼くことと、テーブル拭き、飲み物の用意をお願いします。」


一緒に作りたいなら、それを手伝ってもらおう。

昨日家事に関しての折衷案を出した時のことと今の反応から考えると、私が家事をしている時に座っているのは二人とも嫌がるだろうし。


「初めての共同作業ですね。」


家事を共同で行う。

良い言葉だ。

慣れてきたら仕事をしていない私が優先的にさせてもらいたいが、前の世界で私が男性に対して望んでいたことを、この世界で実現できるとは・・・ちょっとだけ嬉しいかもしれない。うん、ちょっとだけですよ。


「お願いします・・・!?」

「共同作業・・・・・・!」

「よーし。はじめるぞー」


ちょっぴり納得できない顔をしていたのに、二人ともいきなり元気になって朝食の準備に取りかかった。

なぜだ。

石川さんが私の視界を遮り、さっさと台所に誘導するので、結局その謎は分からないままでした。




それほど興味があるわけではないので、すぐにその謎も忘れてしまったのだけど。





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