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ハロー神なる者





私は昔から、夢の世界ってこれ絶対夢だわ、って分かるタイプだった。

夢の中って非現実な事柄が多いし、何より時間の進みが早い気がする。そんなわけで、よく気がつくタイプたったのだけど・・・。



「これは夢?」


今現在、夢か現実かがよく分からない世界にいます。

普通に手足の感触があるし、時間の進みも普通。しかし、風景が真っ白という非現実的ではある。


「夢であって、現実でもありますわ。」


声が聞こえたので、そちらを見ると・・・童話なんかに出てきそうな綺麗な女神がいました。

綺麗な人だなあーこれだけ美人さんを見る日が来るとは。夢か現実か分からない中ではあるけど、この美人さんを見ていると余計に現実から離れそうな・・・ん?夢と現実どちらでも正解・・・?


「えっとーどういうことでしょう。」


今日は混乱することがありすぎて、もう疲れたんだよね。

美人さん見れて至福の時間をアリガトウと言いたいところだけど、疲れてます。さっさと休ませてください。


「大丈夫ですわ。身体はきちんと休んでいます。それに・・・今日のところは手短にさせていただきますので。」


え!


「心読みました!?」

「いいえ。顔に出ていましたの。」


今日は表情に出ること多いな私!石川さんにも表情から思考読まれるし!

そんなに読みやすい表情しているつもりはないんだけど・・・。


「今回、えりさんがこの世界に来た理由なのですが・・・」


あ、さっそく本題に入るのね。

マイペースだな。

というか、あなたは誰なのでしょうか。


「いくつかこの世界の者から説明を受けたかと思いますが、」

「ちょ、ちょっと待って下さい。」


さっさと話を進める女神(仮)を止める。

なんとなく察したけど、この世界の者なんていう言葉を使ったところからなんとなく分かったけど、ちゃんと本人から聞いていないと勘違いをしたらこれは怖いところだ。


「名前を伺っても良いですか?あなたが誰なのか分からないのですが・・・」

「あ!そうでした。申し訳ありません。きちんと挨拶からしなければいけませんでしたわ。」


にこりを微笑んで、女神(仮)は宣った。


「はじめまして。神なる者、と言われております。神ですの。」





未だかつてこんな自己紹介をする人?がいただろうか。否、私は初めて見た。


「はじめまして、神なる者からこの世界に連れてこられた高野えりです。」


さらっと挨拶しているけど、この神、ようは異世界レベルの誘拐だからな!

怒ってますアピールをする。

・・・やめて、そんな悲しそうな顔しないで。

女の人のそういう顔が一番苦手なのだ。私が悪い気がしてきた。いや私は悪くない。


「申し訳ありませんの。こうしてお話ができるのは少しの間だけなので、さっそく説明させていただいてもよろしいでしょうか。」

「ハイ。ドウゾ。」


マイペースに、こちらの都合を考えずに説明しようとしてくる。

ちょっとは気遣えよと思うのだけど、神様だからそういう気遣いが出来ないのか?

ほんとに時間がないからかもしれないけど・・・まあ仕方ない。こちらも疲れてる。さっさと話をしてもらおう。


「本来ならば、このようにして話すことはありませんわ。しかし、えりさんは、記憶を保持したままこの世界に渡ってきましたので、他の方と違うことをお伝えしなければいけないと思いましたの。」






神様の話を聞いて、まとめました。

まず、私がこの世界のことを信じてくれたかどうか疑問だったからその確認。

そして本題が、私の記憶はたまたま残ってしまったイレギュラーであって、わざと残したものではないこと。神の力をもってしても、それをすり抜けてしまったから、私の世界での私の人生を見たこと。そしてそのおかげで原因が分かったこと。

というか、この神様口癖が統一しないな!丁寧語なのか、お嬢様風なのか、どちらかにして欲しい!微妙に話に集中しきれない!


「そして、その原因って?」


私の世界での私の人生を見たことは謝ってくれたが、普通に考えて、そんなことをされたらプライバシーの侵害だと思う。怒って当たり前だろう。しかし、神様だからそんなことも出来るんだなーって具合に、いちいち怒っても何もならないので諦めることにした。


「それが・・・。あなたがあの世界での最後の夜、眠った時に・・・。」


元彼が私の部屋に侵入して首を絞めて殺そうとしていたらしい。


「は!?」


「私は、この世界に呼ぼうと思った女性を特定して、好きなタイミングで呼べるわけではないのです。結婚願望がない女性で、だいたい肉体年齢が20代前後の者がこの世界に来るよう、えりさんの世界の神様と力を合わせて祈ることで、祈りが溜まったら該当する女性がランダムでこの世界に来ることになるのですわ。」


そして、私が殺されそうなところと丁度タイミングが合ってしまった、ってこと?


「この世界に来る時に、脳に対する負担が大きかったため、記憶が消える力がうまく作用されなかったのだと思いますの。」


って、ちょっと待って。それじゃあ・・・


「もしかして、もう少しこの世界に来るのが遅かったら、私死んでました?」

「・・・そういうことに、なりますわ。」



マジか。




私、誘拐されたんじゃなくって、命救われたのか。



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