表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/67

過保護すぎる





お風呂掃除は終わっていたけど、どうやらまだお湯が溜まっていないようで・・・。


風呂場の前に、掃除をやりきって、どこかすっきりした表情の武田さんがいた。


「武田さん、お風呂掃除手伝えなくてすみませんでした。」


とりあえず、仕方なかったとは言え、一人さっさと部屋に引っ込んだことは謝った。

しかし武田さんはぶんぶん頭を振る。


「えりに風呂掃除なんてさせられないよ!」


はい?

普通にしますけど・・・。


「えり、お風呂掃除の件ですが・・・。」


そこへ、向井さんがやってきた。

なんだか申し訳なさそうな顔をしている。

え、さっきの狂行(私を崇めたこと)について?

謝られてもなんて返して良いか分からないのですが・・・。


しかし、どうやらその話ではなかったようだ。


「お風呂の準備を、と誤解を招くようなことを言ってしまいました。すみません。」


お風呂の準備、誤解、とまったく訳の分からない言葉の組み合わせに、頭にはてなが飛ぶ。

分からないことで謝られても、さらに混乱するので、説明願いたい。


「あの、どういうことでしょう・・・?」


「お風呂の準備、とは、着替えを用意してください、という意味で申しました。まさか、えりがお風呂掃除をしようとするなんて思わなくて・・・」


おい、私でも掃除の手伝いはするぞ!手伝いをするようには見えないってか!?

ってそうじゃないのかな。この人達の行動を見ていると、そんな敵意を含めた言葉を発すると思わない。

これは、どちらかというと・・・


「えりに、掃除なんてさせられません。えりの生活は私たちがサポートしますので、普段はゆったりとくつろいでください。」


「そうだよ!お風呂掃除なんて、指が荒れたらどうするんだよー」

ほんと、風呂場にえりが来たときはびっくりしたー


なんて本気で驚いた顔をする武田さん。



掃除なんてさせられない?

指が荒れたらどうするんだって??



過保護か!!??



掃除しちゃだめなの!?

まさか夕食の後の食器を流し台に持って行くのも、掃除しちゃだめだから??

いや、まてまて、文化の違いかもしれない。確認しよう。


「え、っとー・・・。お風呂掃除は駄目なんですか?」


そうだ、お風呂掃除は危険なものだと認識されているのかもしれない。

お風呂で転けたら死んじゃうなんていうジンクスとかあったり、シャワーが熱湯しか出なかったり・・・

慣れない者がうかつに手を出したら命が無い作業なのかもしれない。いや、それはないか。



「いえ、駄目ではないのですが・・・。掃除をしていたら、えりが怪我をするかもしれないでしょう?お風呂も皿洗いも、肌が荒れてしまうかもしれません。食器が割れてしまったら、手を切ってしまうかもしれませんし、お湯を出した時にやけどをしてしまうかもしれません。掃除なんて、そんな危険なこと、えりにはして欲しくないのです・・・。」


ええええ・・・

私って、幼児扱いされているの・・・?

それとも貴族の令嬢・・・?

あなたは執事か何かですか??


私の表情をまた読んだのだろう石川さんが、少し離れたところで見ていたようだけど、ため息をついて近づいてきた。


「えり、別に子供扱いしているわけじゃねえからな?ちゃんと、妻として扱ってるんだよ。」


「そうだよ。えりは俺たちの奥さんなんだから、掃除は俺たちに任せて、ゆっくりしててくれたらいいんだよ!」




いやいやいや!

え、これって何!?

夕食のメニューを心配された時は、ちょっと社交辞令とか入っているのかなーなんて思ったりしたけど、

掃除をあなたにさせられませんなんて言われると、さすがに過保護すぎるように思う!




ちょっと状況を整理させてもらいたい。


そもそも、この世界に来てから妙なことばかりである。

女性が極端に少ない世界なので、女性を大切にするのは、わかる。

希少動物の保護をするように、この世界は女性を保護しているのだろう。


だから、仕事はせずにマンションから出ることなく安全な場所で暮らしてくださいその代わりお給金は渡します、っていうのは受け入れられた。お給金の額には驚いたけれど、マンションから出られない慰謝料かと思えば、まあ理解できる。


しかし、夫達のこの態度である。

これは保護とは関係ないところではないか?



もしかして・・・


「誰かに、私の、男性に対する考えを聞いたりしましたか・・・?」


ここではないだろうか。

男性に対する最低条件なるものを提示したけれど、それを、田中さんは必要以上に重視して、夫達を選んで、気をつけるように伝えた若しくは注意したのでは・・・。

田中さんに、優しくない人は嫌だと伝え、例えばご飯が作れない時は代わりに作ってくれたり体調が悪い時はそっとしておいてくれたりする人がいい・・・なんて言ったけれど、これを、もう私が煩わしく思うことがないよう、甲斐甲斐しく世話をしてくれる人がいい、と受け取ったりしてしまったのでは・・・。


それならば、私はニートになりたいです!と宣言したことにならない!?


えええーーーー!

それを意気揚々と承諾して夫を選んだ田中さん、何者!?



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ