決意表明
もともとわたしには男運がなかった。
父親は物心つく頃から週の半分を女遊びで家を空け、夫婦仲は最悪。ストレスが原因で病気がちになった母は数年前に他界した。
父親の友人も大部分は愛人がいたり浮気は当たり前だった。
親戚もそんな感じで、男尊女卑が当たり前だけども、最近の女性は働くものだからと、御都合主義な男ばかりだし、周囲の女性もそれを甘やかすように働きながら男に尽くしていた。男が女遊びしても、働いているのだから息抜きしないとね、と甘やかす。それが当たり前のように。
恋人になった男たちも、初めは優しくても、付き合っていくうちに女のわたしを所有物のように、アレコレと命令するわりに、いざとなったら責任転嫁するし、女を大事にしていると言うわりに、誕生日のプレゼントだとか祝い事はせずに、わたしがお金を使うことも多かった。
わたしの人生は、男女平等を都合よく解釈している男との関わりばかりだった。
齢27歳
男にはほとほと愛想が尽きた。
良い人もいるとは聞くけど、どうも私にはそんな人と出会う運がないらしい。
私に問題があるのかもしれないが、父親や親戚と違う男を探しても、外面だけ優しくて中身は最低野郎ばかりだ。
職場の男性を見ても、どうせ仲良くなれば豹変するんだろうと妙な妄想までしてしまう始末。
子供欲しさに結婚なんてしたら、私の人生は終わる。
だから決めたのだ。
女が働いても何ら問題がない世の中。
私、高野えりは、自分のために仕事をして、自分のためにお金を使う。体型維持だとかエステをして綺麗でい続けようなんて、見せる人を作る予定もないからしない。仕事のスキルを磨いて、一人で生きていける独身貴族になってやろうと、心に誓った。