表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/5

02 転校生はプログレッシブ

3話目投稿。


いつ追いつかれるかビクビクしてる。


「貴方の笑顔、何だかニセモノみたいですよ?

そんなふうに私の前でも無理してわらわないでください。

笑顔って自然となるものであって無理して作るものじゃないんですよ?」


さて親愛なる皆様。ごきげんよう

今日も元気なファルスです。


ところで急な話ですか上の文章にあるようなことを初対面の人間に言われたらどう思おいになるでしょうか?


俺はちなみにドン引きでした。めちゃめちゃ引きました。


だってさ!あってまだ一分もたってない相手にさ!普通あんた胡散臭いな、って言う!?

お互い自己紹介もしてないのにさ!

言わないでしょ?

初めてあった奴がはは、お前胡散臭い顔だなぁーとか言ってきたら愛想笑い浮かべながら心の中ではドン引きでしょうが!


道端にいて勝手に貴方の将来がどうたらこうたらいい始めた怪しい占い師にだって胡散くせぇなぁって思ってもそんなこと口に出さんでしょ!?


言われたら瞬間思わず顔芸が崩れるぐらい驚いた。


俺の社交技術をこうまであっさり崩されるとは、俺も所詮まだまだということか…

精進しなければ。


目の前にはおそらく俺があった中で最も厄介なご令嬢(敵)


まずどうしてこうなったんだっけ…



+++


「転入生の案内?」


見慣れた代表生徒自治会室で俺は目の前にいるやつから紙束を受け取ってそうつぶやいた。


代表生徒自治会、その名前まんまの通り学園の生徒代表が学園行事が円滑に進むよう取り計らうための会だ。


正式な名前はもうちっと長いのだがめんどいので生徒会、自治会またはかしこまってローウェルリングなんて呼ばれている。ローウェルリングというのはほんとは王と貴族、そして民が法にのっとて生活するって意味なんだけどね。

転じて今は政治を行う議会のことをそう呼ぶ。

転じすぎじゃね?


代表生徒は各学年5名。総勢30名が日々学園の政についてあーでもこーでもないと頭をひねっている。

基本王族などがいなければ男子が選ばれるが、今年は我らが第4王子である会長の指示で女性も入れている。

幅広い意見を募るためとか言っていたが俺は婚約者と少しでも一緒にいたいだけだと思う。


なんせこいつの婚約者はおしとやかだけどちゃんと言わなきゃいけないことははっきりと述べて出るとこ出てて引っ込むとこ引っ込んでるサイコーの嫁さんなんだ。


そんな彼女はぶっちゃけモテる。

そりゃあ婚約者で彼女にメロメロなうちのバカ(第4王子)は目を離したくないだろう。


え?人の事言って自分のことはどうなんだって?


いないですけど、何か?

俺の婚約者なんて存在しませんけど?

な・に・か?


おしとやかだけどちゃんと言わなきゃいけないことははっきりと述べて出るとこ出てて引っ込むとこ引っ込んでるサイコーの嫁さんなんていませんけど。


それどころか婚約者すらいませんけど?なにか?


原因は全てあの父親にある。


俺は恋愛結婚推奨派だから婚約の件は断っといたぞ!って言われた日にゃあ目潰しでもしてやろうかと思ったね。


貴族なんて基本家どうしのお見合い結婚に成り立っている。

下手すりゃ婚約者なんて生まれる前にもう決まっている家もある。

婚活は貴族にとって最も難しく色々の結果ふさわしい嫁を選ばにゃならんのじゃ。


特に俺のうちは侯爵家。

その重要さといったらおにぎりの塩ぐらいは大事なものなのだ。


なので選択権は自然と狭まってくる。


きちんとした家の出で社交が上手く、夫がいない間自分の役割をわきまえて家を盛り立ててくれるような存在が最も素晴らしい。


たまに馬鹿がどこぞの顔がいいだけの尻が軽いような女を侍らして社交界に出て来るがそんなのもってのほかである。


だがしかーし、そんな理想的な女、今いったいどこにいるというのだ?

いや、案外そういった人間も入るかもしれないがいたところでそんなんとっくに売却済みだっつーの!


話がそれたが、つまり俺に今結婚をしたいと思うような女子はおらずあいつには全てにおいて理想といえるような婚約者がいるということだ。許すマジ。


「にしてもなぁ、この時期に転入生なんて珍しくないか

何か問題でも起こしたのか、そいつ?」


なんせ今は5月、入学式をわずか数日前に終えたばかり。

それもわざわざ2学年への編入だ。国立以外の大学でなにかことでもおこしでも優秀だから特別に王立この学校に入り直すとかだろうか


「いや転入生というより実質入学だそうだ。なんか庶子を認知したらしくてな。むりやり押し込んできやがった」


ああなるほど、王子と取り巻き(俺たち)狙いね。


うちの学校では年齢に関係なく基本は一学年から順当に上がっていくのがなりわいだ。

そりゃあ実績があったりコネがあったりすればそれ順当の学年に入ることも可能だが飛び級制度は基本ない。

飛び級制度があると貴族の野郎どもがこぞって王族や有力貴族との関係を結ぶために一学年にまとまるのだ。

そんなことでは学園がパンクしてしまうためご学友と呼ばれるような俺ら王族御用達の取り巻き以外は16才で入学となる。


しかしどのような事でも穴は存在する。王族と最もお近づきになれるのはこの学園内であるため出生届けを出さず王族が生まれてから出す猛者もいるほどだ。


またさっきも言ったように、王子の遊び仲間である俺たちは年齢に関係なく入れる。まぁ年は近いんだけどね。

つまり王族とその側近貴族が一気に同じ学年に入る。


そして今年の2年は当たり年。現在会長職であらせられるこの可愛い婚約者持ちの憎い野郎はいちおう端っこではあるもののこの国の第4王子様であらせられるのだ。


まぁなのでうちの学年に無理くり入れてこようとする向上心バリバリの貴族とかがこの学年にも多いのである。

第4なのにね。物語じゃないんだからよっぽどのことがないと王位にはつかないというのによくやると思う。


「転入生ねぇ、別に学園の案内ぐらいやれって言われりゃやるけど。

でもそんぐらいの仕事なら別に誰でもいいだろうが」


どうしてそんな誰でも出来そうなことを人にやらせようとするのか。


そんな転入生の案内をする時間は俺の人生に一欠片もない。

その日は弟と妹と遊びに行くという大切な用事があるのだ。


お前がだってどうせ婚約者とその時デートだから嫌なんだろうがこの野郎。


「確かに別に何なら俺でも良いけど、これはお前のことを思って言ってるんだよ」


ん?別にそれで困るとか無いが。


もしかしたらこのエセ王子は俺がいい年こいて婚約者がいないこと気にしていたりするのだろうか。


確かに婚約者がいるどこぞ第4王子と違い俺はフリーなためいつかは婚約者を決めなくてはならない。

が、女の子と違って男の盛りは長いしそう焦ることも無いのである。金と地位だけはあるからね!うちの家。


それにどうせあれだろ?

ろくなやつじゃないだろその転校生。


今まで色々たむろってきたからなー。

わがままお嬢様とか未亡人とか。


最後にゃ婚約しないとここで死ぬと言ってきたり私は愛する貴方の全てを知っているわと脅してきたり裸の幼女をよこしてきたり…


なんか俺の人生荒んでるな。


ちなみに俺はバリバリの童貞だ。

人前で出すのは恥ずかしい自慢の我が息子である。大声で叫んでも良いレベルで俺はピチピチの童貞(18)である。

世の中の男子はこれを恥だと思うかもしれない。

が、これは俺の人生の汗と涙の結晶なのだ。

今までたくさんの刺客の襲撃を見事防いで見せた結果がこれだ。


あぁ、童貞。なんて素晴らしいんだ!


なので別に庶子のガキなんて何人来たって一刀両断なのだ。

いきなり裸になって踊りくるおうが恐怖を感じて縮むことはあっても反応など一切しない自信がある。満々だ。


俺の童貞力をナメるなと言いたい。伊達にこの年で童貞では無いのだ。


なので心配など必要ない。

わざわざ行くのも面倒出し断るか。どう考えても正確の良い女の子に行かせた方が転入生も安心するだろう。


「あー、すまん何を心配してくれたのかはわからんが必要ない。俺は今回はやめておくよ。転入生も女の子なら同性の方が好ましいだろうしお前の婚約者でも…」

「実はお前が女子と全然交流しないから男色家で王子と出来てるといった噂がな」

「王子のご命令とあらばどのような命令でもお聞き届けるのが真の臣下の務め、必ずや王子の望む結果をお知らせしましょう」

「たぶん、そういう態度がダメなんだと思うぞ」


いったい何がダメだというのか。所作も言葉遣いも習った通りだというのに。



###


こうして俺は転入生の案内をすることとなったのだった。

実際会ってみると転入生はたった一言で俺のガラスのように繊細な心を打ち砕き、俺に敗北感を味合わせたあと喜々として肉食獣が獲物をいたぶるように長い時間俺を拘束してあれやこれや聞いてきたのだった。


俺ははっきり素直に心の向くまま言葉を紡ぐのであれば本気で帰って可愛い弟と妹に壊れた心を修復して欲しかったのだが色々思うこともあり自重した。


ほんと誰か俺の頑張りを褒めて欲しい…




お読み下さりありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ