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転じてプロローグ

久しぶりに投稿です。

いちおう数話で完結予定のつもり

よろしくお願い致します。



休日の朝ほど素晴らしい朝はない。

あいにくうちの家は母親が恐ろしいためお昼まで熟睡出来る、といったことは無いがそれを引き換えても休日というのはなんとも素晴らしい言葉にできない清々しさがある。

そう休日の朝とは素晴らしい希望の朝なのだ。

本来ならば喜びを胸に大空を仰ぐような朝のはず(父の受け売り)


なのに何故そんな朝に父の書斎へおもむかなければならないのか、


父の書斎へ行くときは何か決定事項を父が俺に伝えるときのみである。

例えば俺が学校に通うことになったこととか、父が母と旅に出ることになったこととか

挙句の果に妹が欲しく無いか…?と父に聞かれた日には徹夜明けもあってブチギレた覚えがある。勝手に作っとけと思った。

なので今回もひじょうーに俺的にはどうでも構わない事項を書斎の机に両肘をついて腕を組みムカつく顔で言ってくると予想ができる。心底どうでもいい事情に付き合わされることに憂鬱という言葉以外どう言えというのだ。


ちなみに父が書斎をこの事以外で使用しているのを見たことがない。


ということで今回も恐らくくだらない内容だとは思うのだが

一体なんの用事なのか


もしかすると前々からあのどう考えても父の事が好きな獣人の人とついに結婚するのかもしれない。母もあの人ならばまぁいいと言っていたし…

それともあの純情な顔してガンガン父にアピールしていたおばさんについに既成事実を作られたのだろうか。嫌だなぁあの人、俺の母親ヅラしてくるし。


はっきり言って俺は父が嫌いだ。嫌い、と言うよりも尊敬できない、というべきか。

周りの人間はみんな父のことをすごい人だと褒め称えるがあの女の人にだらしないのはどうかと思う。

何人もの女の人が父の周りにいることはわかる。金もある地位もある力もあって将来性も抜群。おまけに(自覚はないけど)顔も良いのだからモテるのもしょうがない。こんな時代だから女の人を何人も侍らすのも男の甲斐性といえばそれはそうなんだが

それでも今は母という人がいるのだから他に気を寄せるのはいかがなものかと思う。


そんな父に対する愚痴をつらつら考えているといつのまにか書斎の扉の前にいた。

一度長いため息を吐いて扉をノックする。


「父さん、来たよ。はいるね」


扉を開けると案の定父は書斎の高い机に肘を起き腕を組んでこちらを見ていた。


「よく来たな、ファルス。いきなり呼び出して悪かったな」

「別に特に用事もなかったから別にイイよ

今日はジークとトリシアと市へ遊びに行く約束ぐらいだし」

「そうかそうか。俺も久しぶりに予定が空いたから一緒に行こうかなー」

「……俺は付いてくだけだから2人が良いならいいよ」


たぶん嫌って言うと思う


ジークとトリシアは俺の可愛い弟と妹だ。

ジークが9歳トリシアが8歳。巷で天使と呼ばれるぐらい可愛い。まぁ俺と年が離れていることもあるけど。

あの二人は父を避けているようだ。嫌いではないが苦手と言ったところか。

まぁあんまし会えないし(父は一応忙しい。間違っても書斎に呼ぶような時間はない)あったら会ったで異様に構ってきて鬱陶しいのである。


「それでなんで今日俺を呼んだわけ?そんな世間話をさせに来たんじゃないんだろう?」

「ああ、すまない。話が脱線したな。

今日お前を呼んだのは他でもない。とても重要な話をするためだ。」


わかってるんだからはよ言えよ。こっちは用事あるっつってんじゃん


「お前ももういい年だからな。

話しておこうと思って、俺の秘密を…」


秘密、秘密かぁ…

想像していたよりどうでも良い話で良かった。

まぁとりあえず俺に対する何かの連絡じゃなくてホッとする。

いきなり旅に行けとかなんかを倒してこいとかじゃないだけいいな

後は顔だけ取り繕って適当に聞いときゃ良いし


俺はさも真剣に聞いているぜ☆という顔でわざとらしくごくりと喉を鳴らした。顔の演技力の高さだけは社交の先生に褒められたからな


父はそんな俺を見て決意を決めたようで重々しく口を開いた。あ、やばいあくび出そう



「ファルス。にわかには信じられないかもしれないが実は俺は、


転生者、なんだ…!!」


な、な、なんだってーという顔にすかさずシフトチェンジさせて父の発言を残味する。

前々から意味不明なところがあって女にだらしなくて無駄に魔法は上手いし剣も扱かえるからどことなく女以外は友人が話す父親像とはと違うとは思っていたがまさかテンセイシャーだったなんて…

ところで父よ、テンセイシャーって何?


「そんなまさか、俺の父が…あのテンセイシャだったなんて…」


疑問はあるもののとりあえず話を合わせる。だって早く弟と妹と市場行きたいし


「ああ、信じられないと思うが本当の事なんだ。俺はその知識を利用して今までいろんなことをやってきた」


信じられないもなにも、なにを言っているのかすらよくわからないが割と父にはよくあることなので気にしない。リアジュウとかはーれむー?とかちーととかいきなり叫び始めるし


「そんなことがありえるなんて…

にわかには理解し難いことです。すみませんが詳しい話は少し時間をおいてからでも…?

心の整理がしたいのですが…」

「何故にいきなり敬語!?いや別にそんなかしこまらなくていいけど…」


社交の先生に習った秘技『時間がないときの会話のぶった切り方その26』を披露したら敬語になっていた。流石に一瞬で今の言い回しを会話文にはできなかった。

父親風に言うなら俺もまだまだ修行がたりん


「ああでもたしかにいきなり父親からこんなこと言われたら驚くよな。とりあえず詳しい話はまた今度にしよう」


自覚があって何よりである。

よしとりあえずこれで朝食を食える。その後弟達と市場じゃーい!


「それでは失礼いたします」


急に告白された事実に戸惑いを隠せないっといった顔でその場を去る。最後に気を抜くようじゃ社交界では生きていけないよ☆


こうして俺は書斎を辞した。

さーて今日の朝ごはん何だろうか







お読み頂いてありがとうございます。

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