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千住高校鉄道旅行部  作者: 伊東 たかポコ
3/5

第3話 集まった4人

第3話の主な登場人物


土気 翼  鉄道旅行部部長(2年1組)

熊本 奈由 生徒会委員(2年1組)

椎名 結  鉄道旅行部部員(2年1組)

高麗 玲美 鉄道旅行部部員(2年4組)

八代 春樹 鉄道旅行部部員(2年1組)

生地


2話の続きから

部活を立ち上げる事にしたらまずは部員集めだ。しかし生徒会の許可なしに部活の勧誘活動をすることは出来ない。部活で勧誘活動をするには生徒会に「勧誘活動許可願」を提出しなくてはならない。

と言うわけで、俺と八代はクラスの生徒会委員である熊本奈由の所へ行った。熊本は比較的優しい性格であるため、男女問わず多くの友達がいる。しかし俺は去年違うクラスであった為に熊本とは話した事がない。

熊本は2年4組の教室で友達の高麗玲美と話していた。俺は熊本に「熊本~、ちょっと相談があるんだけど今いい?」と聞いた。すると熊本は「良いけど... 土気君が何かしら?」と珍しそうな顔をして言った。俺は「俺と八代で部活を立ち上げる事にしたんだけれど、部員集めの勧誘活動がしたいんだ。だから生徒会の許可が欲しくて相談しに来たんだ。」と言った。すると熊本は「あ~、部活の立ち上げね~。勧誘活動許可は生徒会に届け出冴え出せばすんなり降りるけど、部員集めるのって大変だよぉ~。後どんな部活立ち上げるの?」と聞かれた。ちなみに1ヶ月経っても新しい部活の部員が4人以上集まらないとその部活は勧誘活動をする許可は取り消されてしまい、創部活動も出来なくなるらしい。

俺は「後2人集まれば部員は4人になるから部員集めに困ることはないと思う」と言った。

そんな話を5分くらいしていると俺達が来るまで熊本と話していた高麗が「何3人で話してるの~?」聞いてきた。

高麗は高1のときのクラスメートで、席も近かったことから良く一緒に話していた。今は2年4組にいる。

俺は「熊本に部活を立ち上げるから部員募集するから、勧誘活動の許可を貰おうと相談していたんだ。」と言った。

高麗は「へぇ~、何部作るの?」と聞いてきた。余り興味が無さそうな顔をしていた。

俺は「鉄道旅行部を作る」と言った。すると熊本が「あっ」と言う顔をして「玲美ってさぁ~、軽音部廃部になったから今は帰宅部だよね。良かったら鉄道旅行部入ったら?玲美旅行好きでしょ。」と言った。高麗は「えー、鉄道旅行部~?まぁ嫌じゃないけどさぁ~、でもなぁ~。」と言った。すると熊本は「部活続けていると内申上がるらしいよ」と言った。どうやら高麗に鉄道旅行部へ入部してほしいようだ。熊本は鉄道旅行部を立ち上げて欲しいのかな?

高麗は「まぁいいかぁ~、内申上がるなら。鉄道嫌いじゃないし。」と言った。しかしその顔は余り乗り気ではないようだ。

俺は「本当!?ありがとう、入部してくれて。」と言った。女の子が1人入部してくれて本当に嬉しかった。八代も「やったー。1人獲得」等と言って喜んだ。

俺達は熊本から「勧誘活動許可願」を受け取った。これに必要事項を記入して提出すれば勧誘活動の許可は多分降りると言う。

俺達は「勧誘活動許可願」を即、記入して生徒会に提出した。そして次の日に生徒会から正式な許可が降りた。これで鉄道旅行部は勧誘活動を本格的にやることが出来る様になった。

俺達は勧誘活動期間中に色々な事をやった。まずはチラシを作りそれを毎朝3人で登校して来る人に配った。次に学校の掲示板に「鉄道旅行部創部予定、新入部活大募集」と書いたポスターを掲示した。他にも鉄道が好きそうな友達や後輩などに声を掛けた。しかし誰も鉄道旅行部へは入部しなかった。オタク集会と化した鉄道研究部を辞めたくても内申のために嫌々所属している3組の生地(詳しくは第2話参照)にも声をかけたが、「ごめん、退部できそうな空気ではない。」と入部を断られた。

そんなこんなで約3週間が経った。あと1週間で鉄道旅行部は勧誘活動の許可が取り消されてしまう。

そんな中、1人の救世主が鉄道旅行部に現れた。

それは勧誘活動許可取り消しがあと5日に迫った日の事だった。クラスで席が隣の椎名結が話し掛けてきた。そう言えば、始業式の日から余り話していなかった気がする。椎名は俺に「土気君が作ろうとしている部活って鉄道旅行部だよね?」と聞いてきた。新入部員獲得に本気で焦っていた俺は「うん!そうだよ。」と早口で言ってしまった。すると椎名は何と「私、鉄道旅行部に入部したい」と言ってきた。その顔は「本気で入りたい」って顔をしていた。俺は思わず驚いて「えーーーーーー」と言ってしまった。あの椎名が、クラス一のお嬢様って感じのあの椎名が何と「鉄道旅行部に入りたい」って言ったのだ。俺が高校に入って一番驚いた事かもしれない。

俺は「八代ーーーーーー」って思わず叫んでしまった。教室の端にいた八代は当然俺の声に驚いて、俺の所にダッシュでやって来た。八代はひどく驚いた顔をして「何事だ、土気」と言った。

俺は「椎名が鉄道旅行部に入部したいって」と言った。八代は「嘘!?マジで」と俺に疑うような顔をして聞いてきた。

その顔は俺のことを思いっきり疑っているように見えた。

俺は八代に「マジで椎名が入部したいって」と言った。横にいた椎名も「私、本当に鉄道旅行部に入部したい。鉄道旅行部の部員に成りたい。」と言った。

俺の言っている事が嘘で無いことを知った八代は「やったぁー、これで部活を立ち上げる事が出来るね」等と言って子供みたいにはしゃいで喜んだ。

熊本も聞いていたらしく、俺達のところへ一枚の紙を持ってきた。熊本は「これが創部届けよ。ここに部員と顧問の先生の名前、活動場所と活動日を記入して校長先生に提出すれば部活が成立するわ‼おめでとう、土気と八代君。」と言った。熊本も鉄道旅行部が創部することになって喜んでいるようだ。しかし俺らはまだ顧問の先生を決めていない。そして顧問の先生を決める事が部活を立ち上げる上で最も困難な事であることを俺達はまだ知らなかった。

        第4話へ続く

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