表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
千住高校鉄道旅行部  作者: 伊東 たかポコ
2/5

第2話 鉄道研究部だぁ~?

第2話の主な登場人物

土気 翼  千住高校2年1組

八代 春樹 千住高校2年1組

生地 隼人 千住高校2年3組(鉄道研究部)

土山 直也 千住高校2年1組担任(物理科教師)


一話の続きから

「はい、じゃあ起立、気を付け~礼っ。さよなら~。」

土山先生の号令で終礼が終わった。終礼と言っても次の登校日時と連絡事項の確認だけだから、30秒位で終わってしまう。

「土気~、お前部活とかやるの?」

俺に話し掛けてきたのは同じクラスの八代春樹だ。

のんびりとした性格の帰宅部だ。鉄道の雑学を学ぶ事が趣味だと言う。中学校は同じところだったが、高校一年ではクラスが違ったために最近は余り話す機会が無かった。将来は鉄道会社に入りたいそうだ。

「俺は鉄道研究部を見てみようかと思う、お前もどうだ?電車好きだろ。」と言うと八代は少し考えて「見るぐらいなら行く」と言った。

「まずは現役部員に話をしに行こう!」と言うことで俺と八代は鉄道研究部員の生地隼人の元へ行くことにした。

生地は一年生の時にクラスが一緒の鉄道好きで、話が合うことから仲が良かったが、彼は文系進学クラスを希望したので残念だがもう一緒のクラスにはなることはない。将来は新幹線の車掌に成りたいらしい。

2年3組の教室の入り口で生地を呼ぶと、何故か不機嫌そうな顔をしていた。

「何でそんなに不機嫌な顔をしてるんだよ?」俺が笑顔で聞くと生地は「担任が横川だったんだ、あいつはマジでウザい。」と嫌そうな顔をして言った。横川先生は野球部の顧問で高校2年生の生活指導の先生、服装の乱れから間違った言葉遣いまでことある毎にイチイチ注意をする。そして注意をする時の言葉も「てめぇー、舐めてんのか」等と強烈過ぎて生徒からの好感度は最悪だ。

そんな生地に俺は「鉄道研究部に八代と二人で入りたいのだが、どうしたらいい?」と聞いた。すると生地は「鉄道研究部だぁ~!?彼処は部活じゃない。アニメオタクの集会だ。あんなところで鉄道研究が出来ると思うな‼」生地は血相を変えて言った。

「えっ?どう言うこと?あんなにいい部活だったろ?」俺は少し動揺し掛けた。俺が知っている鉄道研究部は先輩後輩の仲が良く、目的意識もしっかり有ったいい部活だ。オタクの集会ではない。

「お前が知っている鉄道研究部僕らが入学する前の年に終わった。今の部活は特に勉強しなくてもどうにかなる、高校三年生のアニメオタクが部活をだらだら進めている。活動時間の半分以上は雑談タイムだ。部室にはアニメのポスターが張られていて、スピーカーからはアニソンがずっと流れている。鉄道研究なんてまともな事は殆どやったことがない。そんな部活に入部するなんて楽しい高2生活を無駄にするようなものだ。」生地は日頃のストレスを発散するように言った。俺は「じゃあ何でそんな部活を続けているの?」と聞いた。すると生地は「推薦ほしいから内申上げるために」と言った。

俺は少し考えて生地に「分かった、お前がそこまで止めるなら鉄道研究部には行かない。また会いに来る。」と言って生地と別れた。

八代も「そんな部活なら行きたくない」と言った。

生地は「何か怒ってしまったような口調に成ってゴメン。別に怒っていないが彼処はマジでヤバイ部活だから止めておけ。じゃあまた。」と済まなさそうな顔をして言った。

俺は少し以外で驚いたが、去年の部員は少なかった気がした。

八代は「どうする?鉄道研究部の見学行かないとか言っちゃったけど。」と不安そうな顔をして聞いてきた。

「じゃあ、作る?新しい部活でも」俺は八代言った。俺は「無いものは作る」と言う自分の考え方から部活を立ち上げることを思い付いた。

「どうやって作るの?新しい部活」八代は首をかしげた。確か生徒手帳の何処かに部活の立ち上げる時の条件が書いてあったはずだ。

俺は生徒手帳をパラパラめくった、すると「創部について」と書かれたページが有った。そこには部活動を立ち上げる条件が書いてあった。部活を立ち上げる主な条件はこうだ。

1 部員となる予定の生徒が4人以上居ること。

2 顧問となる予定の先生が最低1人居ること。

3 必ず校長の承認を得ること。

4 必ず「創部届け」を提出する事。

八代は俺に「これぐらいなら部員を集められるかも」と言った。その顔はかなりやる気に満ちていた。この顔をされて「俺はやりたくない」とは誰も言えないだろう。「特に習い事とかやっていないし、俺も部活とかやっておけば内申が上がるかも」と思った俺は、八代と一緒に部活を立ち上げる事にした。

しかし俺たちはまだ知らなかった。部活を立ち上げることがどれだけ大変で難しいと言う事を。

       第3話へ続く

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ