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ぼくの詩集~ザ・ベリー・ベスト・オブ・ぼく~

作者: 桜井あんじ

だいたい目覚まし時計なんてもの

発明したやつ だれだよ


にんげんは 自然に目がさめるまで ねてないと

健康にわるいよ きっと

そうだよ きっと そうにきまってる

くわしいことは しらないけれど

だってこんなにねむいのに むりやり起きるなんて

いかにも身体に わるそうだもの

ああ

文明は果たして我々を幸福にしたであろうか 否


ああ ぼく しあわせ

おふとんちゃん どうか ぼくとけっこんしてください

君さえいれば ほかに何もいらない

もう君をはなさない


ああ もう だれだよ

スヌーズ機能とかいうの 考えたやつ

きっとひとの嫌がる顔を見てよろこぶ 変態野郎なんだ

でなければ こんな機能 考えつくもんか


雨の日は ことさらねむい

それは大昔 ぼくらが石オノで狩りをしてたころ

雨の日は獲物がとれないから おやすみしてた そのなごり

本能なのです

って どっかの心理学者さんの本に かいてあった

気がする

そう 雨の日は ゆっくり眠るべきなのだ

肉体の訴えには 素直に従うべきなのである

ニーチェさんだってそんなようなこと言ってた

確か

人間よ自然に還れ


ああ だがしかし

文明社会の恩恵を受けて生きてゆく以上 

これは聖なる義務なのです

朝 起きる

人はみな このような重荷を抱え それでも生きてゆくものなのですか

人生とは なんぞや


だいたい スヌーズってなんだよ 何語だよ

言葉の響きが よけいに眠くなるんだよ

眠りの呪文みたいじゃん

スヌーズ スヌーズ スヌーズ


朝起きてすぐ 明かりをつけて

てきぱきと 動き始めるなんて

そんな野蛮で 繊細さに欠けること

ぼくには 合わないんだ


それにさ

朝 シャッキリ起きられる ひとなんて

いまいち 信用出来ないよ

そんな さわやかなひと

なんか 裏がありそう


おや スヌーズ君

どうやら制限回数が尽きたようだね

ふふふ 今朝もまた ぼくの勝ちだ


To sleep or Not to sleep

眠るべきか眠らざるべきか

それが問題じゃ

いや 起きないと だめなんだけどね


ああ ぼく なんで

あんなに遅くまで ゲームしちゃったの

だけどあんなおもしろいゲーム 作ったひとがわるいよ

ぼくの せいじゃない


ねむい ねむい

ねむいよう

これはいったいどういう カルマなのか

ああ ぼくは 前世でいったい どんな罪を 犯したのでしょう


ああ

ねこは いちにち寝ていられて いいなあ

次に生まれるときは ぼくも ねこにしよう

何ならいますぐにでも


ぼくもまねして 香箱座り 頭を垂れて

もう あと5分

おや これは

腕を伸ばせば イスラム教徒の 礼拝ポーズ

ぼく なんだか 敬虔なきもち

時々は 地に頭を垂れるのも いいことだね

人間 とかく傲慢になりがちですから


ああ そんなことしてる場合じゃないよ

もう そろそろ いいかげんに ほんとうに おきないと


そうだ もしかしたら

ぼく びょうきかもしれない

こんなに ねむいなんて

そうだよ きっと

きょうはお休みに したほうがいいかな

だけどきのうの朝も おなじこと 考えたっけ


ああ やっぱり おもいきって おきるしかない

えいっ と 起きてしまえば

簡単なのは 分かってるんだけど

ああ

がんばれ ぼく がんばれ

えい えい

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