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死後の夢  作者: 吉田玲次
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「チチタチチチタチチチチタタチタチチチチ…夢を見た…不可解な夢であった…いったい誰がこんなことを想像できたであろうか。」




自分の先祖が何者であったのか

気になる人は多いと思う。百姓か、武士か、商人か。


はたまた、その他の身分であったか。






役所に行き、戸籍を辿ることで、ある程度まで記録を遡ることができる。


私の先祖は、百姓と漁師をして生計を立てていた。静岡県。旧吉永村。そこに私の先祖は暮らしてきた。







来月、大学を卒業する私は、地元に戻ることにした。4月から地元の新聞社へ就職する。





2月29日、今年は閏年。この日に、大学近くの下宿先から引っ越しをしてきた。


私の実家には、荷物を置ききれなかったため、父の実家へ置きに行く。





皆さんの、祖父の家には、まだ 「倉」と呼ばれるものがあるだろうか。


江戸時代からありそうな古い倉が、私の祖父の家にはある。


そこへ、荷物を詰めている中、ふと原稿用紙の束を見つけた。





タイトル、作者名はない。100枚近い原稿用紙の束である。




書き始めは…


『チチタチチチタチチチチタタチタチチチチ…夢を見た…不可解な夢であった…いったい誰がこんなことを想像できたであろうか…書かずにはいられまい…大正12年8月7日』


とある。







なんだこれは。






祖父に尋ねる






「んにゃ。ぬおお。知らねえなあ。汚ねえ紙だ。うっちゃれ。」


と、祖父。





どうやら、わからないようだ。




タイトルも、作者名も無ければ、祖父も知らないとなると、誰が書いたものなのか…検討もつかない。



小説の類のものなのか。


日記なのか。随筆のようなものなのか。



私の先祖のいったい誰が書いたというのだろう。







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