【転入生】
......チュンチュン。
残暑の朝。 いつも絶えない鳥のさえずりが 一段と濃く残る。
ぶっ続けで見張らされたマキ。 だが、石段で横になっていた。
それに気づいた時は すぐに起き上がった
「......まずい......寝てたか......」
はじめに思ったのは セガレに見られて居ないかという心配だけだった。
正門の奥ではもう かなりの声がしていた。 生徒達のスケジュールなんて知りもしないが、今日は校外授業らしい。
色鮮やかに散らばる魔力の色。
見てるだけでも つまらなくはない。 そう言って木の上に登り、正門奥を見る
楽しそうに魔力を高めている小さな子供。 子供とはいえ侮れない強い魔力だらけだ。
あの場所で校外授業......今マキが一番憧れることだった。
番人であるマキは ここにいる以上ずっと見張る義務がある。 魔力向上なんて......任務時くらいだろう。
ブルルルル......
木の下から 聞き覚えのある嫌な音がした。
「妖姫ちゃん。 任務だよ」
ついには 予告無しでくるようになった任務の知らせ。
「......分かった」
私に残る言葉は これしかない。
レベル5の 昼授業。 2日ぶりにやる授業には、嫌々やる奴と 好きでやる奴で混雑している。
「あっ、棗先輩 お久しぶりっす!!」
「......おぅ」
弾けそうなボイスで挨拶をした犬井。 それに対して耳を片っ方塞いで返事をあいた棗。
「知ってますか、先輩!!今日......」
......のすぐあとに 犬井を吹き飛ばして女子が群がった
「今日 転入生が3人来るんですよ!!」
5人くらいの女子がバラバラに同じ言葉を言った。
3人......? 多分その中の2人は 藤田らだとは思うんだが......
3人......か......
ガラッ!! と、勢いよく開く扉。 誰もが予想的中した、入ってくる教師
「Hello every one!!!」
この教室にはいる時必ず叫ぶ 言葉。 100%......
「アッキーの登場ーーーーーー!!!!!!」
ウザさが増す弾けた声。 秋山だ
彼を嫌う生徒もいれば、彼を好む奴らも増えてきた。
理由は分からない。 つか 知りたくもない。
「みんな知ってるね? 今日は新しいお友達を紹介しまぁす!!」
相変わらずの子供扱いもいい加減にしろって言いたいが、言ってしまうと こいつに残るものなんてないんで......ほおっておくしかない。