【祭り】
無事テレポートで組織に戻ってこれたマキ達。 秋山が「きゃーーーー!! 棗くんありがとぉ!!」と騒ぐ声も、棗の「こっ......近寄んな!!」の言葉も 全て平和に感じる。
やがてカチカチ......という音が正門奥からなる。 それと同時に「パチパチ」の音もかすかに聞こえた。
「......セガレ」
秋山が、真剣な表情でセガレを見た。 セガレの表情は相変わらずニコニコしている。
「お見事だったよ、棗くん。 助かった」
どうも二人にしか分からないような話になっていた。
こちらははめられたのか? それともただ単に馬鹿をおかしたか。
ムズムズしているマキに気づいた棗は、セガレの方に突き出した。
「こいつがどうにも じっとしてられねぇみてぇだぞ。 全員に事情を話せ」
そう言って誰よりも奥に歩きだした。 「全く」と微笑みながらため息をついたセガレは、口を開いて言い出した。
「これは 棗くんの任務だったんだ。 一番の内容は【ケイラの調査】だ。 そのためにおとりについてもらったんだよ。 君たちには」
【ケイラの調査】? 全員 気になったことを、マキは迷わず聞いた。
「ケイラって......?」
少し戸惑ったセガレだったが、マキ達の後方にいる棗が「言え」と言っているように腕を組み始めた。
「......ケイラ・マドカンタ。 かつての無差別殺人、実行者の姉らしい人物だ」
「姉......?!!」
無差別殺人の姉。 それは校長の姉ということだ。 いつの間に嗅ぎつけたんだ!! という疑問より、姉もやらかしているのか? の方が 引っかかった。
「姉の方もやっているらしいんだ。 でも姉弟だからね、どちらとも恐ろしいくらい魔力が強いんだ。 さっき君たちが見てきたあの女もね、姉が作ったただの魔力の塊。 騙されたよ」
ハハッと笑うセガレ。
「でも安心してね。 【ケイラ】関連の任務は流石に断っているからね。 これ以上関わることはないから」
騒ぎがおさまったセントラル組織。 またいつもどうりにことが進む。
なんとも平和な郊外授業や、屋内授業。 そろそろ街のみんなも慣れて来た、セントラルの正門。 人間がやることになってから、セントラル中の活気が良くなったと感じるのは少人数じゃなくなった。
「ヤッホーマキちゃーん!!」
今じゃ当たり前になった セントラルの子供たちの光景。 番人のマキはセガレに小さな任務、『セントラルの子供たちの相手』と言われている。
「おう!! また来たな、悪ガキどもめ!!」
今じゃ番人の方にも 幸せそうな声が響く。
「今日はかくれんぼしよーよ!! マキが鬼な!!」
少年の遊び相手になったマキ。
「かくれんぼなんて すぐ終わるでしょ? 透視すれば一発だし~」
「ズルは無し!! 魔法使うなよ!! 範囲狭くするから!! ねぇ~いいだろぉ~」
5人の子供たちの声は、マキをすごく困らせる。
「はいはい、分かった。 始めるよ~!! いーち」
でも 困らせるのが 今の少年だ。 可愛い奴はそうゆうものだ、と 思い続けながら、毎日を過ごす。
そして そろそろ起きる組織行事。 街のみんなが楽しみにしているセントラル祭。
今年が初めてらしいその祭りは、 組織建設15年記念らしい。
セントラル中が 団結して行う祭りは、楽しみにしている奴以外いない。




