【不明生物育成研究所】
どうにもならないその姿。 これ以上騒ぎを大きくしない方がいいと判断をし、透明の魔法で全てを透明にして、見えなくした。
「......今すぐ ここから離れろ」
下を向きながら生徒達に言う。
そのあとすぐに離れる生徒達。 マキはそのままテレポートである場所に移動した。
制御の影響でかなり限界の魔力を 思い切り染み出してやった行動だった。
移動した場所、そこは組織隊長のセガレ・パーパトラの部屋の前だった。
ノックすらも忘れて扉を開ける。
中には窓を眺めるセガレがちゃんといた。
すぐあとに振り返ったセガレは 苦笑いをして言った。
「......いい判断だったよ」
「なんなんだよ、これは」
先ほど透明にしたものの魔法を解き、セガレの目の前にだした。
潔癖性のセガレだが、少しも焦らず 赤い血を眺める。
「組織の中の秘密組織、『不明生物育成所』の子供ドラゴンさ。 そこに対してはあまり口を出さないから分からない。 誰が育成しているのかも、なんのために育成するのかも」
そう言ってまた窓を眺めるセガレ。
「その子達は 地下にある研究所に持って行きなさい。 一人でいかないようにね、なるべく大勢で行くんだよ」
セガレに一つだけ制御アイテムを外して貰って、大勢で行くことにした。
大勢......というより、たったの3人くらいだが......十分か。
みんなただ 暇だったから。 という理由で呼ばれた連中らしい。
秋山と犬井、あとはここの保険担当の女教師、桜葉 いのり。
なんと......
「りょーちゃんの彼女でぇ~す」
......らしい。
5年くらい前からの付き合いらしくて、今までは遠距離恋愛で耐えて来たらしい。 よく続いたもんだ。
「研究所ねぇ......、あそこ生徒は立ち入り禁止区域に入ってるから場所わかんないんだよな~......」
ポケットに手を突っ込みながら トボトボと歩く犬井が言った。
前方で歩くマキと犬井、後方で歩くいのりと秋山。 秋山の表情がいつもの棗と接しているような輝いた顔をしていない。 はっきり言えば......かなり苦い顔。
腕を組むいのりに対して、嫌々合わせる秋山にしか見えないのだ。 本当にうまくいっているのか?
「いのりさん、貴方ずっとここにいたんですよね? 研究所は何処です?」
後ろを振り返って言うマキ。
そうするといのりは、秋山の手を離れマキの腕に吸い付くように寄って来た。
「教えてあげる!! はーい、こっちだよ~」
まっすぐの廊下をやっと探す気になってくれたいのり。
そうすると 廊下の真ん中でいきなり立ち止まる。
「......いのりさん? どうしました?」
顔を覗き込むマキ。
いのりの表情が先ほどの 表情とはまるで別人、マキを見て言った。
「ここに入る瞬間は絶対に呼吸をしてはダメよ。 10秒間だけ我慢するの、分かった?」




