侵入者
出口が小さい方が水鉄砲は遠くまで飛ぶ!
「此処が陰毛鞭毛クラミジアンの家か。けっ、いっちょまえに一軒家かよ」
陵はどうして陰毛鞭毛クラミジアンの家に入るか考えながら家の周りをうろうろしている。
「玄関には防犯カメラか。正面突破はちとキツそうだな・・・」
まるでコソ泥である。
「裏口はならどうだ・・・?」
しかし裏口に通じる庭には例の、歩くと音がなる石が敷き詰められている。
クラミジアン家は案外防犯には気を使っているようだ。
「ちっ!あとは・・・」
「屏をよじ登って窓から侵入するしかないか・・・ええい、めんどくさい!」
なら止めとけばいいだけの話である。
陵はとうとうクラミジアン家の屏を登り始めた。しかしもたついているようだ。
「くっそが!無駄に高く作りやがって!忍び込みにくいったらありゃしない!!」
そのためにあるんですが。
「波紋を指先に集中させる!」
「うおおおおおおおおおおぉぉぉぉーっ!!!」
気合いが入りすぎて思わず声をだしてしまった陵。
「やあ陵君。こんな時間にこんなとこで会うなんて奇遇だね。」ニッコリ
ほらみろ言わんこっちゃない。
陰毛鞭毛クラミジアンに見つかってしまった。
(ど、どうする・・・!?警察でも呼ばれたら俺は終わりだ!)
「とりあえず上がってきなよ。お茶くらい出すよ。」
(こいつ・・・何考えてやがる!?)
やっとの思いで窓から家に入れた陵。忍び込むのは失敗したが。
そして瞬間
「はい、お茶だよ。」
ガッシャアァン!!!
陰毛鞭毛クラミジアンは息が上がって喘いでいる陵の顔面に向かってお茶の乗ったトレーを叩きつけた。
「あごぉ!!」
そして腹パン。
しかし陵も伊達に不良共をまとめあげているわけではない。一般人がまともに相手をして勝てるレベルではない。
「おせぇおせぇ!!」
陵は素早い動きで陰毛鞭毛クラミジアンの拳を避け、懐に潜り込んだ。
「うおっ!」
「昨日今日の恨み!!」
陵の強烈な連打が陰毛鞭毛クラミジアンの体中に叩き込まれる。それを全てモロに喰らってしまった陰毛鞭毛クラミジアンは膝をついた。
「ぐ、お・・・」
「てめえごときがこの俺様に勝てるとでも思ったのか?あぁ!?」
インゲの頭をぐりぐりと踏みつける陵。
「この俺様に大衆の面前で恥をかかせた罪!万死に値する!!」
拳をより固く握り直す陵。
「死ねぇぃっ!!!!」
どうなるインゲ!?
続く!