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ブラックな戦隊ヒーロー ケンジの憂鬱  作者: 双鶴


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14/17

14話

 土曜の午後、自由が丘駅前広場は異様な熱気に包まれていた。

 左側には、オーロラ戦隊のPRステージ。AI戦隊が無表情にポーズを決め、スポンサーの新商品を紹介している。

 右側には、ケンジたち“聞くヒーロー連盟”の市民集会。マイクを囲んで、地域住民や子どもたちが自由に声を上げていた。


「最近、学校で言いたいことが言えない」

「お店の人が、話を聞いてくれるだけで嬉しい」

「ヒーローって、戦うより、話してくれる人がいい」


 ケンジは、マイクの前に立ち、静かに語り始めた。


「僕は、かつて“正義の戦隊”にいました。でも、誰かの声を聞くことはありませんでした。今は、聞くことを選びました。それが、僕のヒーロー像です」


 その言葉に、拍手が起きる。

 一方、オーロラ戦隊のステージでは、プラチナ長官が登壇していた。


「正義とは、秩序です。効率です。感情に流されず、任務を遂行することです。AI戦隊は、その理想を体現しています」


 その瞬間、観客の一人――小学生の少女が、ケンジの集会側から手を挙げた。


「でも、AIって、私の話を聞いてくれるの?」


 広場が静まり返った。

 長官は一瞬言葉に詰まり、次の瞬間、冷たく言い放った。


「AIは、必要な情報だけを処理します。感情は、誤差です」


 少女は、ケンジの方を見て言った。


「ケンジさんは、私の話を聞いてくれた。それが、ヒーローだと思う」


 その言葉に、広場の空気が変わった。

 オーロラ戦隊のステージにいたオーロラブラックが、静かにマスクを外した。

 そして、ケンジの集会側へ歩き出した。


「俺も、聞きたい。誰かの声を」


 プラチナ長官が叫ぶ。


「戻りなさい! それは正義の逸脱だ!」


 だが、ブラックは振り返らず、ケンジの隣に立った。

 その背中は、かつての“戦闘員”ではなく、“聞く者”の姿だった。


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