美味しいお肉は正義だ
初めての狩りは 控えめに言って最高だった
楽しかったし、お肉も手に入ったし、広大で気持ちいい
毎日でも行きたいくらいだ
帰ってから庭で解体の練習をした
匂いと見た目だけはどうにもならないけど、おいしいお肉になると思ったらこれも頑張れる
ありがとうございます美味しく頂きます
君たちの捨てる所は全部畑の肥料になります、命は無駄にしません
肥料作り用の穴に入れて高火力で焼いておく あとはしっかり混ぜて完了だ
さて、ネズミもウサギも食べた事がない
少し切って焼いてみる うーん
ネズミは確かに独特な風味があるな 硬いし これは煮込みにしよう
ウサギは意外とクセは少ない、鶏肉っぽさのある肉だ
ウサギ肉は唐揚げなんてしたら美味しそうなんだけど、油は高い
大量に使うのはなー
ちょっとウサギ肉は保留で
ネズミ肉をトマトベースで煮込んでみる 野菜もたっぷり入れる
うん、いい味じゃないだろうか
チーズ、チーズがほしいな これも庶民にはお高いものだ
乳製品が盛んな街に行ったら爆買いしたいな
チーズとか生クリームとか卵もほしい
料理をしだすと欲しいモノがありすぎる 日本のスーパーは最高だったなんでも安価であった
やはり食生活を充実させるためにはお金が必要だ
高級なモノでも気兼ねなくつかえるように うんがんばろう
夕食にはさっそくネズミトマト煮込みを出したが、おかわりをしていたから評価は良かったのだとしよう
相変わらず誰も「おいしい」とは言ってくれないが
翌日には商業ギルドに来ていた
ジッテさんが美味いから売ればいいと言ってくれたので、とりあえずスパイスだけでも登録しておいて店に置いてもらったりするかどうかはギルドの人と相談してみよう
受付のお姉さんに商品登録で相談があると話をしてギルドタグを見せたらすぐに取り次いでくれた
話がはやい
通された個室で待っていると 男の人が入ってきた
「お待たせいたしました、ポーション担当のキールです。よろしくお願いします。」
あ、ポーション担当・・・・確かに何も言っていなかったな
「あ、あの言い忘れていたんですけど、ポーションではなくてスパイスの相談でして・・・・。」
キール「これは失礼しました!すぐに担当を呼んでまいります。」
そう言って行ってしまった
ごめんなさい、言っていませんでしたね・・・
しばらくして、キールさんが男の人を連れて帰ってきた
キール「お待たせしました、食品販売担当のポルモットを連れてまいりました。」
ポルモット「はじめまして、ポルモットと申します食品を担当しております。」
「はじめしてアルノーラです。よろしくお願いします。」
対面で席につく お姉さんが紅茶を持ってきてくれた
キールさんも残っているが、まあ何かあるのだろう気にしないことにした
ポルモット「では、さっそく。スパイスの登録で相談があるとお聞きしてますが。」
「あ、はい。お肉にあうスパイスミックスを作りまして。」
説明するより食べてもらったほうが話は早いだろうと、
サンドイッチと、スパイスをかけて焼いただけのシンプルなものを机に上に出した
ポルモット「これは匂いだけでも食欲をそそりますねえ」
「お肉以外でも合うと思うんですけど、お肉が一番美味しくなるかと思ってますのでこちらを作って来ました、ぜひ食べてみて登録できそうか意見を聞かせて欲しいです。」
ポルモット「では、さっそく頂きますね。失礼します。」
キール「私もいただいてよろしいですか?」
「はい、ぜひ食べてみて下さい。」
2人とも、お皿に乗った焼いたお肉をフォークで刺して香りをかいでいる
ポルモット「この香りがたまりませんねえ、では失礼して。」
パクっと一口で食べた 口に入れたまま固まる か、噛まないの?
しばらくしてゆっくりと咀嚼しだした
ああ、動き出した どうしたのかと思った・・・・・
ゆっくり飲み込み 「うまい・・・」
ポルモット「こんなに香り高いお肉は初めてです、これは黒コショウが入っていますね、あとは何でしょう?オレガノ?とにかく沢山の味と香りがしてすごくおいしいです」
キール「うまい・・・・これはフォレストバードですよね?高級でない肉でこんなにうまいなんて・・・・。」
「良かったです、スパイスをミックスしてこれに入れて使っています。」
スパイスミックスを入れたミルを取り出して見せる
「このミルをひねるとスパイスが削れて出てきますのでこのまま食材にかけることができます」
実際に皿にパラパラと出して見せる
ポルモット「使いやすくて素晴らしいですね・・・・。」
「登録したいのはこのスパイスミックスの比率と内容なんですけどどうでしょうか?売り方はギルドのほうにお任せしたいなと・・・スパイスをたくさん使っているのでお値段は少し高くなるとは思いますけど庶民でも買えないほどではないかと思います、これが使っているスパイスです。」
スパイスの名前を書いたメモを渡す
ポルモット「確かにこれなら銀貨6枚くらい・・・には押さえられるか?このミルも一緒に売れるな、中身だけとミルとセットと両方で展開できる・・・・・売れますよこれは!」
「ほんとですか?良かった。あとこちらも食べてみて欲しいんですが。」
サンドイッチを進める
ポルモット「パンに野菜とこのお肉を挟んだものですね、では失礼して。」 ぱくっ
キール「私もいただきます」 ぱくっ
ポルモット「ふううーーこれは、たまりませんねえ、なんとも、合う。」
キール「パンに挟んだだけでこんなに美味いなんて・・・・。」
2人とももぐもぐしながらしゃべっている 大丈夫ですよ、しっかり食べてからで
「これは売れませんかね?」
もぐもぐごっくん「「売れます!!」」
あ、なんか邪魔してすみません
「そのまま食べながら大丈夫ですから、聞いてもらえますか?」
コクコクコク モグモグもぐ 2人とも食べ続けている
お気に召して頂けて嬉しいです
「あの、このサンドイッチの屋台を出して欲しくて・・・・食べたくないですか?このスパイスを使った串焼きとサンドイッチのお店・・・。」
コクコクコク コクコクコク コクコクコク
激しく同意してもらえたようだ
「じゃあ、このスパイスミックスの商品登録をお願いしたいです。あとの販売とお店はギルドの方にお任せしてもいいですか?」
モグモグ コクコクコク もぐもぐ コクコクコク
なぜかキールさんも激しく頷いている ポーション担当では??
まあちゃんと売り出されるなら何でもいいんですけど・・・
ポルモット「はあ・・・・大変美味しかったです。このパンも特別なものですか?」
「このパンは、マニマニのパン屋っていうお店に売っているものなんです、歯切れがよくて肉汁を良く吸うこのサンドイッチ向きのパンだと思って使っています。」
ポルモット「マニマニのパン屋・・ですね。こちらのスパイスを削るミル?というのはどこで?」
「ミルはスパイス屋さんの近くのお鍋とかキッチン用品を置いているお店ですね」
ポルモット「なるほど・・スパイス屋の近くっと。」
熱心にメモを取っている
ポルモット「こちらのサンドイッチというのは登録はしないのですか?」
「サンドイッチですか?これは登録するつもりはないですね、コレを出すお店が増えたら嬉しいのでどんどん広まってほしいですし。」
ポルモット「そうですね、確かにこれが日常に食べれるならお昼も手軽に取れますし最高ですね。」
「はい、買えるところが増えると嬉しいです」
ポルモット「気持ちはわかるのですが、登録だけはしておいたほうが良いかと。真似をした人が発案者だと言い出して登録をしだすはずです、なので登録だけ済ましておいて利益率をごく少額だけ取るというのはどうでしょうか?後々に揉め事に発展するのはギルドも望んでいませんし。」
「なるほど、ではそれでお願いします。」 確かにそれは困る
ポルモット「かしこまりました、すぐに書類を作成します少々お待ちください。こちらの商品の名前はどうしましょうか?」
「そうですね、お肉がおいしいスパイスミックス、でどうですか?」
ポルモット「わかりやすくていいですね。かしこまりました。」
こうして、商品登録を無事に終えて
満足して帰っていった
その後
ギルド内は新しい商品登録に沸き立ち コレは売れると確信したギルド員たちは早急な普及のために走りまわり自分たちが食べたいが為に異例の速さで販売にまで持っていく
いちばん驚いてたのは、パン屋とミルを売った店主だったのは言うまでもない
急な大量注文で嬉しいやら 悲しいやらだった
ありがとござした!




