選択授業 製薬魔法
ついに一番楽しみにしていた 製薬魔法の授業だ
製薬魔法は製薬教室で行われる 初めていく教室だ
学校の校舎でも一番端にある 自分のクラスからはちょっと遠い
ここだ、 入ってみると草と薬品の独特な匂い
これはダメなひともいそうだ 草!っていう感じ
教室には3人しかいなかった ・・・これだけ?
適当に空いてるところにすわって 待つ そっと見回すとみんな本を読んでいる
壁側には本棚があって本がびっしりはいっている これを読んでるんだろうか
その後、一人、もう一人が入ってきた これで5人だ これだけ?
こんなに少ないとは思わなかったな
先生が教室に入ってきた
「こんにちは、あ、新しい参加者ですか? 製薬のトウゲンですよろしくお願いします。」
「よろしくお願いします。2年生のアルノーラです」 優しそうなひとだ
トウゲン「はい、よろしく。この通り製薬授業は人気がなくてですね
ですがその分教えられる事も多いと思いますのでご安心を。みなさん新しい
参加者のアルノーラさんです、仲良くしてくださいね。」
トウゲン「では新しい方もいるので私はアルノーラさんに基礎を教えますね
他のみなさんは前回の続きをお願いします。」
「「「「はい」」」」
もしかしなくてもマンツーマンか すごい
トウゲン「製薬の基本は精製水をつくることから始まります
アルノーラさんは水魔法は使えますか?」
「はい、得意です」
トウゲン「それはいいですね、製薬では水魔法が使えるほうが楽ですからねえ
では、こちらの容器に水を半分まで入れて下さい。」
「はい」 水をガラスの容器に入れる
トウゲン「はい、いいですね。今出した水の中には不純物、ごみや余分なものが入っている状態です
この水を浄化してできるだけ不純物の無い水にします
これが上手くできないとそもそも製薬ができません、頑張ってくださいね。」
「はい、・・・浄化」
トウゲン「浄化ができているかどうかはこうして、ライトを当てて
余分なものが浮いていないか確認して下さい。不純物があればこのように
漂っているゴミなどが見えますからね。」
いま浄化したガラスの容器と先生が出した水が入ったガラス容器を
光を当てながら確認する ・・・・なるほど確かに小さなゴミが浮遊してるな
トウゲン「この浄化による精製水づくりが薬の効力を決めると思って下さい。
精製水づくりにはじまり精製水づくりに終わる、とは私の師匠の言葉です。」
「はーなるほど、納得です」
トウゲン「あとは実際の製薬ですが、あちらの上級生に見せてもらいながら説明しましょう
これはいま回復薬を作っています、俗にいう治癒ポーションですね
簡単な傷ならこれで治ります、飲むか患部にかけるという使い方ですね
回復薬に使われる薬草は多岐にわたります、いま使かわれてるのは
パール草という低級治癒ポーションに使われるものです
このパール草を薬研ですりつぶし、鍋に精製水といっしょに入れて火にかかる
弱火にじっくりかけながら、この匙でゆっくりかき混ぜます
ふつふつと沸騰してきたら 魔力を流していきます
上手くいっていればうっすらと光ります。あ、ほら光りましたよ
これで低級治癒ポーションの出来上がりです。」
「ふあーはじめて見ました。きれいですね」
トウゲン「そうでしょう?あとは粗熱を取って小瓶に詰め替えて完成です。」
「なるほどー、・・・・あの。」
トウゲン「どうしました?」
「あんまりおいしくはなさそうですね?」
トウゲン「ふっふふふ、確かにおいしくはありませんね。元は草と水ですし
薬ですから。」
「「「ふふふふ」」」 なんか笑われてるな
「あたしレントよろしくね?作り方より味が気になるの?」
「あ。いやもちろん作り方も気になってたけど、色とか材料とかを見ると
どうしても味を想像しちゃって、ポーションがおいしいといいなって、思って」
トウゲン「アルノーラさんはなかなかに食いしん坊みたいですね ふふふ」
レント「確かにおいしい方が売れそうだね、子供も飲みやすいだろうし」
トウゲン「そうですね、今度実験してみましょうか?楽しそうですし」
「「「「はい」」」」 「楽しそう」とか「おいしいポーションいいね」
とか盛り上がっている 良かった仲良くなれそうだ
ポーションはまずいもんだ ばっかじゃねーのなんて言われなくて良かった
トウゲン「このようにポーションを作ったり、本棚にある薬草や製薬の本を読んで
勉強をするか、パール草が手に入った時は実際に製薬をして
作ったポーションは売りに出して、次の製薬の材料費として使う
この繰り返しですね。あとは、教室の裏にパール草畑があってお手入れを
頼むこともあります。」
「畑があるんですか?」
トウゲン「おや畑に興味がおありで?」
「はい家では野菜を育ててます」
トウゲン「それはいいですねえ、今から見に行ってみますか?」
「はい!みたいです!」
外に出て 畑を見に行く
トウゲン「ここです。」
「・・・・・?」 こことは? 一面の草、くさ、くさ。
トウゲン「これがパール草ですね」 しゃがみこんで草を指さし コレだという
な、なるほど この形の葉っぱがパール草ね
だがしかし、これは畑とは言えない。 ボーボーの裏庭 そう呼ぶのがふさわしい
「あの、先生?お手入れって何をされてるんですか?」
トウゲン「そうですね、たまの水やりと収穫ですね」
「そ、それだけ?」
トウゲン「そうですよ?」
「もしかしてパール草は雑草の中じゃないと育たないとかありますか?」
トウゲン「そんなことはないと思いますけど・・・・雑草は勝手に生えているだけですし。」
「なるほど、・・・・・。」 わかった この先生は製薬以外が興味ないのかもしれない
「先生にお願いがあるんですが」
トウゲン「なんでしょう?」
「この畑を、私にいじらせてもらえませんか?野菜作りで慣れてますし」
トウゲン「ほんとうですか、こちらからお願いしたいくらいですよ!」
「ありがとうございます。きっといい薬草を育てます」
これで授業は終わりだ 本棚の本は持ち帰るのは禁止だがここで読むのは良いらしい
時間がある時にゆっくり読ませてもらおう
だが、まずはこの畑だ いい薬はいい薬草からでしょうに まったく
その日は日が暮れるまで畑?を改造しつづけた 絶対きれいにしてやるー
ありがとござした!




