パドロントさんと作戦会議
朝ご飯をパドロントさんと食べて、お茶を飲んでゆっくりとしていると
「みゃうーん」
テントの中からアンディーが出て来た
「おはよう、アンディー。お腹空いた?」
「みゃうー」
アンディーに朝ごはんを出してあげると、ガツガツと食べはじめる
頭を軽く撫でて、立つと
フルリルトさんたちがこちらへ歩いてきたのが見えた
フルリルト「おはよう」
「おはようございます」
パドロント「おはよーう」
ダタンヤリム「相変わらずのんびりしてるな」
パドロント「そうですかね?いつも通りですよ」
フルリルト「そうだな、いつも通りだな」
ノースリム「ふふっ、思ったよりも早かったわねー」
パドロント「ミノンが頑張ってくれたんですよー」
フルリルト「でかした。実は状況が変わってな・・・問題が起こった」
パドロント「昨日言っていた事だね、とりあえず聞こうかな」
みんなが座れるように椅子を追加で出して、お茶も人数分並べる
フルリルト「実はな・・・」
かくかくしかじか、『魔寄せ』に関する話をする
パドロントさんは驚いてはいたけど、不思議には思っていなかった
パドロント「いつかはこんな事になるんじゃないかと思ってたけど、まさかこんなに早いなんてねー」
フルリルト「どういう事だ?なにか事件が起こる事を知っていたような口ぶりだな」
パドロント「ミノンが最近森が騒がしいって言ってたから。・・・どこかで何かが起こっているんだろうなーって思ってたんだ」
ダタンヤリム「森フクロウだからわかる事か」
パドロント「そうですね、ミノンはそういう事には敏感なので。驚きはしましたが、早いか遅いかの話なので」
フルリルト「話を理解してもらえたって事でいいか?対応には現地に早く着く必要がある、是非ミノンの力を借りたい」
パドロント「そうですね・・・・ミノンは夜行性なので、かなり移動が大変でしょうが協力はします」
フルリルト「そうか、里長には連絡済みだ。今はここ以外の場所で魔物が増えている場所がないかの連絡待ちだ。正直連絡がないのが一番いいんだけどな・・・・」
ダタンヤリム「それに関して、ひとつ思いついた事があるんだ。あくまでも仮説だが、この魔道具と過去の話からも可能性は高いんじゃないかと思う」
フルリルト「一体どういう話ですか?」
ダタンヤリム「この魔道具を解析してわかった事は、『闇の魔石』が使われている事だ。『闇の魔石』とはその名の通り『闇の魔力』が入った魔石でな、自然には発生しないと言われている」
フルリルト「だから人為的なものだと?」
ダタンヤリム「そうだ、そして、『闇の魔石』は闇魔法使いなら作る事ができるんだが、『闇の魔力』を作り出すことは難しい。水魔法を使おうと思った時に自分の魔力を水に変換するように、闇も同じ事をするんだが、これは自身の魔力だけでは作れない、いわゆる『負の感情』が必要なんだ」
「負の感情・・・・」
ダタンヤリム「そうだ、これがたった一人の人間の『負の感情』で作られたものだとは思えない。きっとたくさんの『負の感情』が集められて作られたものだろう。そして、『負の感情』を集めようと思った時にする事は?殺人、誘拐、誰かを虐げる事によって『負の感情』が生まれる。それが奴らの狙いだと思った。過去の話からも、大陸の各地で『魔寄せ』が使われていたのは、発生した魔物によって魔物も人も傷ついたり死んだりするだろう。それを集めて、最終的には大量の『負の感情』による『闇の魔力』を集めて、強力な『魔寄せ』が完成する」
フルリルト「そうか・・・・その強力な『魔寄せ』がダンジョンに使われる・・・・・と」
ダタンヤリム「そういう事だ、各地に『魔寄せ』を置く事で発生する『負の感情』を集めたいんだろう」
ノースリム「私もこの仮説が正解なんじゃないかと思ったの、過去の事と照らし合わせても辻褄が合うもの」
ガロルド「それなら各地で『魔寄せ』が見つかるなら、その仮説はほぼ間違いないのでは?」
ダタンヤリム「私は間違いないだろうと思う」
ノースリム「私もそうよ。だから『魔寄せ』の段階で出来るだけ被害を最小限にして、あいつらの思い通りにいかないようにしないと」
フルリルト「早急な『魔寄せ』の発見と、出来る事ならば『魔寄せ』を置いた犯人も辿りたい所だがな」
「この『魔寄せ』を見つけた時は、他の痕跡はまったくわからなかったです・・・」
ダタンヤリム「これ自体が魔力を出しているからな・・・追跡はほぼ不可能だろう」
ノースリム「そうね、探し出すのは難しいわ。置いている所を目撃でもしない限り」
フルリルト「そうか・・・・」
この事件については対処法しかわからない
未然に防ぐのはほぼ不可能だろう
だからこそ、早く発見して対処する必要がある
せっかくパドロントさんが合流してくれたけど、話し合いは重い空気だ
みんな暗い顔になってしまう
重い空気の中で伝声の魔道具から声が聞こえた
『こちらギルマスのベルアートです。リンパオ国のギルドから連絡が入りました』
『わかった、すぐにそちらへ向かう』
フルリルト「とりあえず、ここで出来る事はもうない。それぞれ2人一組で出発できるようにしよう。パドロントは一人なら乗せれるか?」
パドロント「ああ、僕ともう一人が乗れるだろう」
フルリルト「アルジャンも一人が乗れるな」
「はい」
フルリルト「よし、アルジャンとミノンはここから連絡が入るたびに一人ずつ乗せて運んでくれ」
「私は一人でなら飛べるので、単独で行けます」
フルリルト「アルジャンをガロルドに任せて行けるのか?」
「話せばわかってくれると思います」
フルリルト「そうか、わかった。じゃあそれでいこう。」
「「「はい」」」」
話し合いはここで切り上げて、ギルマスの所へ向かって話を聞く
リンパオ国では2か所で魔物が増えている所があるらしく、そこに派遣される事になった
一度に2人までしか運べないから、ダタンヤリムさんとノースリムさんを乗せていく事にした
もう一か所は私が向かう
ガロルドとパドロントさんは2人を送り届けたらすぐにカンリンに戻ってくる
ミノンちゃんは夜しか飛べないので、どうしても到着に差ができてしまうから
ミノンちゃんが到着するまではガロルドが一緒に居てくれるらしい
そして乗る方だけど、ノースリムさんの強い希望でミノンちゃんの方に乗るらしい
ダタンヤリムさんはアルジャンに乗る
ノースリム「ふわふわねー。一度乗って見たかったのよー」
とても嬉しそうなノースリムさん
パドロント「ミノンがちゃんと運びますからー」
ノースリム「よろしくねー、ミノンちゃんー」
ふわふわの羽毛を撫でているけど、当のミノンちゃんは眠そうだ
まだ朝だもんね
ノースリムさんとパドロントさんペアは夜に出発するので
先に私とガロルド、ダタンヤリムさんが出発
ガロルドが行く方はカンリンから近い方で、私はさらに下で遠くだ
ガロルドは送り届けたら戻らないといけないからね、近い方が良い
ダタンヤリムさんはアルジャンに乗るのを相当怖がっていたが
「浮遊があるから何も怖くないのでは?」って言うと
ダタンヤリム「な、なるほどな・・・・それでも速すぎない程度で頼む・・・」
いつも元気なダタンヤリムさんが、しおらしかった
それでも一回目の休憩を挟めば、もう慣れたのか景色を見る余裕もできたようで
ダタンヤリム「これほど自由に飛べればさぞかし気持ちいいだろうな」なんて
ちょっと少年っぽい顔をしていた
大分急いで飛んで来たので、2日目には1つ目の目的地についた
「アルジャン、ガロをよろしくね?ガロはアルジャンをよろしくね?」
「きゅぃー」
ガロルド「ああ、食事もたっぷりもらったし大丈夫だ」
寂しそうなアルジャンには申し訳ないが、頑張って欲しい
たくさん撫でて「なるべく早く戻って来るからね」って言ってお別れした
最初は寂しいかなと思ってアスターをアルジャンの傍に置いておこうと思ったんだけど
「きゅうきゅう」「きゅぃきゅぃ」と会話をして
どうやら私の護衛としてアスターを任命したらしい
アンディーは聞くまでもなく、私と一緒だ
飛ぶのが難しくなるから、ガロルドの方がいいかと思ったんだけど
絶対離れたくないー!って感じだった
まだ子供だしね、仕方ないよね
急遽、アンディーを背負っても大丈夫なリュックを作った
グライダーに乗っている時はうつ伏せに寝ている状態になるので
背中に猫ちぐらが付いているような形にして
立ってても、寝ていても中が安定する形にした
飛び出したら、対処ができないので
上は窓になるように、シーサーペントの鱗を使ってシースルーにした
これでアンディーは私の背中に居ても、前が見える状態だ
しかも、ダタンヤリムさんが風の抵抗を無くす付与をしてくれた
これで飛んでいる時にバランスを崩す事もなさそうだ、天才
なかなかの力作だし、アンディーも気に入ってくれたみたい
準備は万端だ!
ガロルドとアルジャンはいないけど、頑張ろう!
ありがとござした!




