『魔寄せ』の対処
『魔寄せ』の魔道具の発見で、ダタンヤリムさんに相談してみようって話だったんだけど
よくよく考えてみたら伝声の魔道具があるので、町にいれば話ができる事を思い出した
なので『ダタンヤリムさん町に居ますか?聞きたい事があるので聞こえていれば返事をお願いします』
って聞いてみると、すぐに返事が来た
『どうした?町にいるぞ』
『あ、お休み中にすみません、どこかで会えませんか?』
『構わんぞ、あそこの食事処でどうだ?』
『わかりました。今から行きます』
『了解した』
ガロルド「良かったな、近くに居て」
「うん、じゃ行こっか」
ガロルド「ああ」
約束していたご飯屋さんに行くと、すでにダタンヤリムさん達が来ていた
ダタンヤリム「来たか、どうしたんだ?」
「実は・・・・ちょっと相談したい事がありまして。とりあえずご飯を食べながら話をしますか」
ダタンヤリム「そうだな、注文をしよう」
夕食にはちょっと早いけど、ここでご飯を食べながら話をしよう
注文をして、料理が来るまでの間にさっきあった事を説明した
ダタンヤリム「なるほどな・・・確かに400年ほど前に同じような事があったな・・・」
「魔物大氾濫ですか?」
ダタンヤリム「そうだな、だがそれが起こるまえに『魔寄せ』が各地に置かれる事があった」
「今回のような事が?」
ダタンヤリム「そうだ・・・・これは始まりに過ぎないのかも知れない」
ノースリム「最初は各地で大量発生が起こって、それが『魔寄せ』のせいだってわかったあとに、魔物大氾濫が起こったのよ」
ガロルド「まったく同じ事になるかもしれないって事か」
ダタンヤリム「想像でしかないがな。『魔寄せ』を各地にばらまいていたのは邪教の仕業だったと言われている。魔物大氾濫後は、各地の邪教のアジトや神殿は国が責任を持って排除し、残党しかいないと言われていたが、時間が経って邪教徒も増えて来たのかも知れない。いつの時代も破滅を望む輩はいるものだ」
ノースリムさんが言うには
この大陸にはもともと小さな国がたくさんあったが、この魔物大氾濫を期に
大きな国になり、ダンジョンを管理する体制ができて、冒険者ギルドも発展したそうだ
国同士が集まってできたのが皇国で、その周りにある国は独自の文化から別の国として発展し
国同士の領土問題もあったが、皇国の中で新興宗教ができて、皇国から切り離して教皇国が出来た
一番大きな皇国が隣国という事もあり、いままで大きな問題は起こして来なかったが
ここ数十年で『人族至上主義』を強く押し出して
隣国にもそれを強要するような動きを見せているらしい
今回の『魔寄せ』が教皇国の仕業と決めつけるのは早いかもしれないが
どうにも動きが気になる、時期が近すぎるのだ
誘拐事件も、『魔寄せ』も、黒幕が同じの気がしてならない
との事だ
どうしてノースリムさんがここまで詳しいのか聞けば
エルフの里でこの大陸の歴史を研究していたそうで、特に邪教に対しては目を光らせているらしく
私が里に来た時に、過去の大陸での混乱を思い出して
詳しく調査する必要があると思っていたらしい
そこで、ダタンヤリムさんがワサビ隊についていくと言い出したので丁度いいと思いついて来た
ノースリム「秘密にしているつもりは無かったんだけどね。まさかこんなに早く『魔寄せ』と出会うとは思わなかったわ」
ダタンヤリム「これも運命だろう・・・・その『魔寄せ』を見よう。何かわかるかも知れない」
「お願いします」
ガロルド「その各地にあるかも知れない『魔寄せ』を探す方法はないのか?」
ノースリム「魔物が増えている地域を詳しく調べるしかないわね・・・『魔寄せ』を設置したとしてもいきなり増えるわけでも、急に集まるわけでもないから・・・」
ガロルド「なるほどな・・・・じゃあ、ダンジョンに『魔寄せ』を置かれた場合の対処法はあるのか?」
確かに・・・・止め方を知っておく必要はありそうだ
ノースリム「・・・・ダンジョンに置かれた物は吸収されるの、知っているでしょう?『魔寄せ』がダンジョンに吸収されたら魔物が爆発的に増えて魔物大氾濫が起こるの。一度起きてしまったら、魔道具の魔力が尽きるまで・・・止まらないわ」
その場面を想像して、ツバを飲み込んだ
「400年前の魔物大氾濫を収めた時はすべての魔物を倒したんですか?」
ノースリム「ええ、そう言われているわ。大陸中の戦力を使ったと言われているわね。無くなった村も町も国も数えきれないほどだったと・・・もちろんエルフたちも戦ったらしいわ」
ダタンヤリム「事前に止める事は難しいが、『魔寄せ』を探すのをエルフが手伝おう。人族には難しい話だろう」
「本当ですか!?」
ノースリム「ええ、各地に散らばって、冒険者ギルドと協力してするのがいいんじゃないかしら?」
ダタンヤリム「そうだな、里長に連絡を取ってもらわないとな」
「ありがとうございます」
自分だけでは大陸中の『魔寄せ』を探すのは不可能かもしれないと思っていた
こんなに頼りになる人と知り合いになれて良かった・・・・・
ノースリム「いいのよ。これはエルフにも関係する事だわ。魔物大氾濫が起こればエルフの里も危険になるんだもの」
ダタンヤリム「そうだな、これは大陸全ての生き物が関係している。種族など関係ない」
「ダタンヤリムさん・・・」
ガロルド「じゃあ、明日、ギルドマスターを交えて話し合いをしよう。フルリルトさんにも連絡をして集合してもらおう」
こうして緊急で集まって欲しい事を伝声の魔道具で伝えた
宿で集合して、いきさつを話すと
フルリルト「これはただ事じゃないね、すぐに連絡しよう。明日ギルドマスターと話合いして・・・・・ワサビ隊は一時中断だね」
「「「はい」」」
ダタンヤリム「今回の収穫分はアイツに渡して、私達が各地に散るのでいいんじゃないか?」
フルリルト「それも2人一組でしたいですね。とにかく次にどこに現れるかはわからないのでここで待機になるとは思いますが」
ノースリム「そうね、その辺も明日詳しく話し合いましょう」
フルリルト「わかりました」
「よろしくお願いします」
そして、翌朝、ギルドに行ってギルドマスターに急ぎで話があると取り次いでもらう
「おはようございます。エルフの皆さんを連れて来ました。『魔寄せ』に関して相談した結果、協力してもらえる事になりまして・・・」
かくかくしかじか、昨日話をしていた事を説明して
『魔寄せ』が置かれた事が始まりで、魔物大氾濫が起こった過去がある事を説明
今回のように土に埋められていたら見つける事も困難なので
エルフの皆さんが協力して探してくれる事などを説明した
ベルアート「なるほど・・・想像以上に事態は深刻だね。まずはお礼を言いたい。エルフの皆様方、ご協力に感謝します。現在、昨日の報告をそのまま大陸中の各ギルドに伝達したところです。これから魔物が増えている所は調査が入る予定ですが、もし『魔寄せ』が見つからない場合は各地に飛んで調査にご協力願いたいです」
フルリルト「ああ、そのつもりだ。里長とも連絡を取って、増員の方向で動いてもらうつもりだから、逐一連絡が欲しい。こちらを渡しておこう」
伝声のピアスを渡す
ベルアート「これは?」
フルリルト「伝声の魔道具だ、身に着けて、魔力を流しながら話すと装着者同士で会話が可能だ」
ベルアート「ほお、それは素晴らしいですね」
さっそく耳のピアスをはずして、伝声のピアスを装着したベルアート様
ベルアート『こんな感じですか?』
フルリルト「ああいい感じだ、これがあれば町の中と周辺くらいは余裕で会話可能だ。いつでも連絡してくれ。でも、これを装着している人全員に共通で聞こえるので内密な話はできない」
ベルアート「なるほど・・・わかりました」
ダタンヤリム「こっちの『魔寄せ』は稚拙だな。大した魔力もないし、作り方も雑だ、そこまでの数は集まらなかったんじゃないか?」
見つけた『魔寄せ』を観察していたダタンヤリムさんがそういう
「30匹くらいでしたね」
ダタンヤリム「だろうな、今回が弱かっただけで他がどうかはわからないからな。早めに対処していた方がいいのは変わりないがな」
ノースリム「そうね、今回が弱くて幸運だったのね」
ベルアート「30で弱いんですか・・・・強いとどうなるんですか?」
ダタンヤリム「100は余裕で集まるだろうな。こんなコカトリス限定で集めるものでもない」
ベルアート「・・・・恐ろしいですね。即時連絡を行って連携していきたいと思います」
フルリルト「ああ、よろしく頼む。私達は町で待機する事にする」
「ありがとうございました」
ベルアート「こちらこそ、ありがとう。これからが大変だと思うがよろしく頼むよ」
「はい」
ガロルド「俺たちは空を飛べるからな、どこでも行けるぞ」
「うん、そうだね」
ベルアート「ふふっ、頼もしいな」
こうして、各地に『魔寄せ』の兆候がないかの連絡待ちになった
連絡が無かったらいいなって思いと、ないなら無いでちょっと不安だ
見つかってないだけで、辺境で集められているかもしれないからね
なんとか事前に食い止められますように・・・・
ありがとござした!




