花グモの蜜集めと、暇つぶし
翌朝から、花グモの蜜を取りに行ってから、自由行動
コレをルーティンとした
ガロルドと2匹はお散歩するらしいので、私も何かしようかと思い
4階に降りて来た
ここの魔物は毒持ちばっかりで、ドロップ品を気にしていなかったんだけど
麻痺効果のある鱗粉とか、毒液は何か役に立つ時がくるんじゃないかと思って集める事にした
前回は気付かなかったけど、色違いの蛾がたまに飛んでいて
そいつの鱗粉は睡眠効果があるらしく、倒すとその鱗粉がドロップした
誘拐事件があって、対抗策として使えそうな物は持っておく事にしたのだ
睡眠効果があるのなら、どこかで使えそうだし
麻痺もどこかで使えそう
たくさんはいらないかも知れないけど、持っていて困る事はないだろう
のんびりとお花畑を楽しみつつ、ドロップ品を集めてから3階に戻った
まだまだ時間はあるので、消耗品を作ったりした
柚子がたくさんあるので、せっけんを作ろう
果肉はジャムにでもしようかな?
花グモを狩る以外はスローライフのように過ごして
3匹の散歩の成果が日々貯まる、もうお肉もどれぐらいあるかわからない・・・
4日目に、やる事も無くなって来たので一人で蓮根取りでもすることにした
赤亀を狩って、水を抜いて、泥を避けながら蓮根を収穫した
もう慣れたものだ
鼻歌まじりに蓮根を採取する、ふんふんふーーん♪
「本当にいた、おーーい!あんたこんな所で何やってんだ?亀はどうしたんだー?」
声が聞こえた方へ振り向くと、池の縁に数人の冒険者が立っている
あちゃ~、ついに見つかってしまったか・・・・
下層へ降りる所の近くなら目立たないと思っていたのにー
仕方ない・・・
泥だらけのまま、池から出て、泥を洗い流すと冒険者たちが近づいてきた
「あら、まだ若い子じゃない?こんな所で何をしてたの?危ないわよ?」
心配した様子でそう言われてしまった
とんだ誤解である
「あの、私冒険者で・・・・Sランクなんです・・・・」
ちょっと申し訳なくなりながらも、そう言った
だって完全に誤解されているし、心配をして来てくれたに違いない
「「「え、Sランク!?」」」
「いや!そういえばどっかで見た顔だ!」
「ちょっと!祭りの華の子じゃない?」
「そうだ!ベルアート様に勝った子じゃないか!」
髪をアップにしているし、泥だらけで水着姿では気づかなかったが
近くで見てわかってもらえたみたいだ
「そ、そうなんですけど・・・・。すみません、心配かけてしまって・・・」
そりゃーこんな所で、泥だらけで作業している人なんて不審に思うだろう
「君がSランクになった子だったのか、パーティだって聞いてたが?」
「あ、ガロは今お散歩で・・・・」
「ダンジョンでお散歩?」
「Sランクはやっぱりやる事が違うのか?」
こそこそ話をしているが丸聞こえだ・・・・
「とにかく一人ではないんだな?安心したよ。この辺でずっと野営しているけど、変なことばっかりしている冒険者がいるって聞いてな。確認しに来たら、子供が池の中にいるのが見えて焦ったぞ」
「へへっ、ごめんなさい。全然大丈夫なので、お気になさらず・・・・」
「イヤ、気になるって・・・・」
「かなり噂になっているよ?」
まじか・・・・、見られている自覚がなかったな・・・
「へ、へへへへへっ」
笑って誤魔化す
「こら、笑って誤魔化そうとするな。俺たちは『平原の風』っていうパーティでな、ギルドマスターからの依頼でダンジョン内の巡回もしてるんだ。危険行為や、犯罪行為、不審者とかな・・・・だから何をしていたのかだけでも教えてくれないか?」
あー、そういう事か・・・・ならば仕方ない・・・・・
「えっと、ここで採取してたんです。コレを・・・・」
泥にまみれた蓮根を指さす
さっき取った分は池の縁に山積みになっている
「こ、これを?採取?池の中にあったのか?何をするつもりなんだ?」
「えっと・・・・・・・・・・・・・・・・・食べます」
「た、たべる・・・」
「食べるのか?」
「これを?」
「っていうか、何なんだ?」
まあ、そういう反応もわかる
「これは、ここにある植物の根っこです」
泥が付いた蓮根を取って、洗い流して見せる
「こ、これを食べるのか・・・・毒はないのか?」
「全然、美味しい野菜です」
「お、美味しい?」
「泥だらけだったのに?」
まあ、見た事がない人たちは信じられないだろう
「丁度お昼時だし、一緒に食べますか?」
「は?一緒に?」
「はい、料理しますんで」
食べてもらわないとわからないだろう
そう言いながらコンロを出す
「うお!魔道コンロがでてきたぞ!」
「嘘でしょ?」
良い反応だ
「いつでもどこでも料理できるように持ち歩いているんです」
「そんな簡単に持ち歩くもんじゃない!しかもデカすぎる!」
いいリアクションだ
「仲間がたくさん食べるので、たまに炊き出しもしますし」
「炊き出し!?Sランクが!?」
いいです、いい反応
「はい、料理得意なんです」
蓮根の泥を落として、皮をむいて行く
「ほんとに料理を始めた・・・・」
もう呆れにはいってしまったかな?
「まあ、まあ、座ってお茶でも飲んで待っていてください」
言いながら、テーブルセット、お茶セットを出して
温かいお茶を入れていく
「ゆ、夢か・・・・」
「ここってダンジョン内よね?」
「信じられない・・・」
「Sランクって凄い・・・」
夢うつつなのか、すんなり椅子に座ってくれた
これで良し
蓮根料理に入るとしますか
料理をしながら、みんなの名前などを聞く
どうやら、ひとりは腕相撲トーナメントに出ていたらしい
ファインさん、彼は決勝トーナメントで彼女募集中の人に負けた人らしい
通りで顔を見た事がある気がした
そしてファインさんの奥さんメルトさん、夫婦で冒険者とは素敵だ
そして、活発そうな見た目のパインさんと、優しそうな旦那さんのレイジさん
こちらも夫婦で冒険者で、カンリンでずっと冒険者をしているそうだ、素敵
お茶を飲んでちょっと落ち着いたのか、すっかりまったりしている
パイン「本当に料理してるわね」
ファイン「ああ、こんなの見た事ないな」
メルト「でも、いいわね」
レイジ「所で亀はどうしたんだい?」
「狩りましたよ?全部」
ファイン「狩った?甲羅ごと切ったのか?」
「いえいえ、突進してきたところを、こう、スパッと・・・」
パイン「随分簡単に言うわね・・・」
メルト「でも、待っていれば良いってことよね?」
ファイン「そうなるか?」
レイジ「なるほど?甲羅に引っ込まれる前に首を切るって事ですね・・・確かに突進してきますし」
ファイン「かしこいな」
メルト「それなら私たちでも狩れそうね」
パイン「あとでやってみよー」
楽しく会話していると、一品目ができた
簡単、蓮根の天ぷらだ
「はい、どうぞ。軽く塩はふってあるので、そのまま食べてください。熱いのでお気を付けて~」
揚げたての天ぷらは凄く美味しそうだけど
みんなにとっては未知の食材だ、カトラリーを一緒に置いたが、誰も持とうとしない
仕方なく、お箸でひとつ掴んで、ふーふーと冷ましてからパクリとかぶりついた
サクッとした独特の食感
「おいしいー」
最高です
私が食べているのを見て、ツバを飲み込む音が聞こえた
ファイン「じゃ、じゃあ頂こう」
メルト「美味しそうね」
最初に食べたのはメルトさん、躊躇なく口に運んで咀嚼している
見守るみんな
メルト「美味しいわ!とても良い食感ね」
「ふふっ、そうなんです。これが独特で好きなんですよー」
メルト「泥まみれだったのが信じられないくらい白い中身なのねー。不思議だわ」
「そうなんですよね、新鮮なものは真っ白で美味しいんです」
メルト「クセになっちゃいそうだわ、ふふっ」
そう言って2つ目に手が伸びている
ファイン「美味いな」
パイン「本当、不思議な食感。美味しい」
レイジ「初めての食感だな・・・美味しいです」
どうやら蓮根の美味しさが伝わったようで良かった
「ふふっ、どうぞ、全部食べてくださいね。次のやつを作りますので」
次は、薄めに切った蓮根を赤牛のお肉と甘辛く炒めたもの
ちょっとだけ鷹の爪の輪切りが入っていて、ピリ辛なのも良い
ご飯が良く合うので、塩おにぎりも一緒に出した
「はい、どうぞ。お肉と一緒に炒めた物です。お米が良く合うのでこっちも一緒にどうぞ」
取り皿も出して、配る
パイン「わぁー良い香り―」
ファイン「美味そうだなー」
メルト「絶対美味しいでしょー」
レイジ「これはいいですねー」
視覚と嗅覚が美味しいを訴えてくるのに我慢できずに、みんなが同時に手をつける
パイン「ん!おいし!」
ファイン「肉とあうー」
メルト「やっぱり美味しいわー」
レイジ「こっちのコメとあう!」
パイン「私も食べる!」
ファイン「俺も!」
メルト「私も欲しいわ」
おにぎりとも合う事を理解してもらえたみたいで嬉しい
豚肉入りの蓮根きんぴらも作って出すと、大人気だった
蓮根の美味しさは十分にわかってもらえたみたいだ!
ありがとござした!




