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生きてて良かったと 思いたい私の異世界転生  作者: 蒼氷


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おいしいジャーキーと職人さん

屋台を閉めて、帰り道


ガロルド「『おいしいジャーキー』っていうのはルラが作った物なのか?」

「あ、うん。昔に作って商品登録してあるんだけど、この辺では見ないねー」


ガロルド「・・・・食べてみたい」

「えっと・・・まだあるかな?ちょっと待ってね」

ごそごそと収納を漁って探す


「あ、あった。たぶんこれで最後だ」

取り出したのは小さめのツボだ、これで最後のジャーキー


ガロルド「一つ食べたい」

「はい、どーぞ」

ひとつ取り出してガロルドに渡す、私も久しぶりに食べてみる

ひと口サイズにちぎって食べる、もぐもぐと咀嚼するほどいい味が出て来る

これはラットの肉を使うと、なぜか良いお味になるんだよねー


ガロルドも噛り付いて、引きちぎって食べている


ガロルド「美味い・・・・ちょっと独特の風味があるな」

「ラットのお肉で作るとこんな感じになるんだよね」

ガロルド「ラットの肉でこんなに美味いのか・・・・・・確かここのダンジョンでもラットを狩ったよな?」


「あ、そうだ。大きいラットを狩ってお肉が出てた。それで作っておこうかな?また渡す機会があるかもしれないし」

ガロルド「あるなら、俺も食べたい」

「ガロも好き?でも食べ過ぎはよくないから、ちょっとずつね」

ガロルド「・・・・・わかった」


柚子大根もそうだったけど、ガロルドは気に入った物を連続で食べがちだ

私もなんだけど・・・・食べすぎ良くない



夜ごはんを町で食べて、宿の部屋でジャーキーを作った

こっちのラットも、なかなか良いお味になったので

師匠さんにも教えてあげようかな?それとも商業ギルドに寄って売りに出してあげてっていうかな?

人気が出そうだけどなー




翌日、朝に広場に行って屋台の準備をする

タッソ君とセンス君も来て、手伝ってくれた


タッソ「実は師匠が、あのジャーキーを定期的に買いたいって言ってまして・・・・どこに行けば買えますか?」


「あー、あれは手作りなんだよね・・・一応商品登録もしてるんだけど、この辺では売ってないみたいで・・・・今度商業ギルドに行って売りに出せないか聞いてみるね?」

タッソ「手作りだったんですか!もし買えるようになったら師匠も喜ぶと思います」

センス「かなり気に入ったみたいなんですけど、そんなに特別なものなんですか?」


「ラットのお肉にスパイスをかけて作っているだけだから簡単なんだけどね、ラットのお肉との相性が良いみたい。あとでレシピを書いておくから、渡してくれる?」

タッソ「あ、ありがとうございます・・・・でも、師匠が「ジャーキー職人になる」って言い出したらどうしよう・・・・」


「え?そんなに夢中になってるの?」

センス「一切れ食べるたびに「うまい」って言ってます」

「えー、そんなにハマっちゃったのかー。じゃあ商業ギルドに早めに売りに出してもらうように言っておくよ」

さすがに私のせいで転職は笑えない


タッソ「ありがとうございます。他で買えるのなら安心です」

センス「そうだな」


これは忘れないようにしないと・・・・


ガロルド「あれは美味いもんな・・・」

こっちにもハマっている人がいた・・・狩りつくさないといいけど

ダンジョンにいるから、ラットがいなくなる事はないかな?


この日も問題なく営業して、夕方には閉めた


「お疲れ様、あと1日よろしくね」

お給料の金貨を渡す


「「ありがとうございます」」

バイバイして別れて、商業ギルドに向かう


おいしいジャーキーの販促をしないと、師匠が転職しちゃう


受付で食品担当の方を呼んでもらい、おいしいジャーキーの試作を食べてもらえば

二つ返事で販売を約束してくれた


「この町の新しい名物になりそうです!」

そう言って喜んでくれたので、店舗で買える日も近いだろう

良かったー、転職回避だ



ガロルドは毎日食べるので、少量ずつ渡す事にした

ジャーキーは大量に食べるものじゃないから!病気になるー



翌日に、おいしいジャーキーの売り出しが決まった事を報告すれば

2人も喜んでくれた


タッソ「これで安心できますー」

センス「だな、ジャーキーを買うためにも職人を頑張って欲しい」

「へへっ、ごめんね。心配かけて」


タッソ「ルラさんは悪くないですよ」

センス「そうです、あんなにハマる師匠が悪いんです」


「ははっ、ちょっと予想外だったね。さ、今日で最後だから頑張ろう!」

「「はい!」」


今日で最終日

後は町の雑貨屋さんに任せる

かなり普及したとは思うけど、まだ全員っていう訳ではないだろう


私は品切れにならないように、追加を作る事に追われている

相変わらずドラゴンと猫が人気で、半分くらいはそれを作るようになった

女性には花か、つる草模様だ


2人ももう慣れたので、半日くらいは2人に任せている

お陰で笛を作る時間が取れて大助かりだ


この日が最終日という事もあって、時間を区切ってここまでとした

列の最後尾に『本日で終了、購入希望は雑貨店まで』の看板を立てた

今後は雑貨店で買えるし、子供はベルアート様の計らいで無料だ

買える場所が増えたぶん、こんなに列ができることもないだろうし

町中の子供達に行きわたる日も近いだろう



「お疲れ様でしたー。本当に助かったよ」

タッソ「こちらこそいい経験になりました」

センス「ありがとうございました」


「うん、良い職人さんになれるように頑張ってね」

「「はい!」」


タッソ「あの、一度師匠に会いに来てくれませんか?お礼を言いたいそうです」

「お礼?私に?」

センス「はい、ジャーキーの事もそうですけど。俺達が成長できた事を褒めてくれて・・・・」

「そっか!じゃ、これから一緒に行こっかな?ガロ良いかな?」


ガロルド「ああ、行こう」

「ありがとう」


タッソ「ありがとうございます」

センス「じゃあ、行きましょう」


2人と一緒に工房へ向かう


タッソ「本当に何度も彫れたんでかなり上達した気がします」

センス「ああ、迷いなく彫れるようになったな」

「良かったねー。何度も練習するのが大事だよね」

タッソ「ルラさんはいくつから物作りをしているんですか?」


「え?いつからだろう・・・・」

っていうか何から作ってたっけ?木彫りかな?


センス「まさか物心つくころからとか・・・・?」

タッソ「まさか?」


「へへっ、覚えてないからそうかも?」



センス「英才教育か・・・・」

タッソ「5才とかで作っていたって事?」


「たぶんそれくらいから遊びで作ってたかな?ほんとに好きでやってたから」

センス「追い付ける気がしないな・・・」


ガロルド「ルラは特別だから目指すくらいにしておけ」

タッソ「そうか、神の領域って事か・・・」

センス「そうだな・・・憧れとして見ておこう」


何か凄い評価だな・・・・


「私よりも凄い人は世の中にいるよ、もっと繊細で素敵な物が作れる職人さんがね。私たちの武器を作ってくれた人みたいにね!」

ガロルド「それはそうだな、これは誰にでも作れるものじゃない」


タッソ「武器?ですか?」

センス「持っているのを見た事がないですけど・・・」


そっか、2人とも収納に入れっぱなしだ


「ほら、いつも冒険者している時は持っているんだよ」

取り出して、腰につける


タッソ「うわぁ・・・・見事な細工ですね・・・」

センス「かなりの名工が?」


「どれくらい有名かは知らないけど、素敵な剣だよ。ほら」

ちょっとだけ抜いて見せてあげる

少し赤が揺らいで見える金は綺麗だ


タッソ「な、なんですか?これは・・・・」

センス「見た事がない金属だ・・・・」


ガロルド「ヒヒイロカネだ」


「「ヒヒイロカネ!!」」


タッソ「これが!?」

センス「初めて見た・・・」

タッソ「も、もしかして2人って凄い冒険者なんですか?」


「あ、言って無かったっけ?Sランク冒険者だよ」

ガロルド「ああ、『アルラド』ってパーティだ」


「「ええええええええ!!!!」」


あんまりな驚きっぷりに笑ってしまった

そう言えば言って無かったっけ?ごめん


そして師匠にも言ってなかったので、2人がこの事をいうと


師匠「聞いてねえ!」って怒っていた

言い忘れてただけです。ごめんなさい


そして、ジャーキーの食べ過ぎには注意するように言っておいた

それには渋い顔をしていたけど、売りに出される事を聞いて喜んでくれた


師匠さんは夕食に招いてくれて、お言葉に甘える事にした

弟子たちの成長にお礼を言われて、ジャーキーの事についても熱く語っていた

ガロルドがそれに乗ったもんだから、かなり熱弁が続いた

ジャーキー中毒者が生まれてしまったみたいだ・・・


そして笛についての談議がはじまり、これには小物職人ならではの意見が聞けて良かった

猫や犬のデザインについては笑っていたけど・・・


師匠「それにしても、『利益率の分配』なんて粋なことを考えるな!」

「それは職人さんの利益が少なくなるのがわかっていたので・・・それでも少ないとは思いますが」

師匠「いや、考えてくれるだけでも嬉しいこった。ベルアート様といい、あんたといい、花祭りの華は良い女だよなー。お前さんもそう思うだろう?」

お祭りで優勝していたの知ってたんだ・・・


ガロルド「違いない」

師匠「はっはっはー!見る目あるよあんたは!」

バシバシとガロルドの肩を叩いて意気投合しているみたいだ


ベルアート様みたいになりたいなって思ってたから

同じように言ってもらえて素直に嬉しい


タッソ「師匠ー飲み過ぎないでくださいよー」

センス「そうです、奥さんに怒られますよ」


師匠「今日は祝いだから大丈夫だ!お前たちも飲め!」

タッソ「俺にはまだ早いですー」

センス「俺もいいです」


きっぱりと断られて師匠が寂しそうだ

いつか弟子とお酒が飲める日がくるといいねー

ありがとござした!

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