ガロルドの話 2
ダンジョンで稼いで隣国でも冒険者として活動して
気づけばBランクになっていた
各地を転々として稼いでは孤児院へ仕送りして
何度かリオーリオへ戻って、顔を見せた
その度にシスターもギルドマスターも温かく迎えてくれた
さらに行動範囲を広げて、隣国へ行っては稼いでいた
知り合いも増えたし、剣の使い方を教えてくれた人もいた
もちろん嫌な事もあった
連携が取れていないパーティや
無茶をするパーティもあって、人を選ぶ事も大切だと学んだ
旅をしている間にも、女から誘われる事が多かったが、ロクな事がないので
無視するようになった
揉め事は避けたい、面倒だからな
そんな風に転々としながら稼いで、ダンジョンでは大きく稼ぐ
しばらく困らないくらいには稼いだ
生活には困らなくなったが、冒険者としてひとつだけどうしても受け入れられない事がある
食事だ
特にダンジョンでは何日も保存食で
病んでくる
これだけは一生慣れないだろう
特に目的もなく、転々としていた時に知り合いのパーティから誘われた
一緒に依頼を受けないかと
今までも色んなパーティから入らないかと誘われてきたが
全て断っている
未だにパーティへ入る意味がわからない
メリットも感じない
だが、タイミングよく誘われて一緒に依頼を受けるくらいなら良い
実入りも良い
その時も、何度も一緒に依頼を受けた事のあるパーティから誘われて一緒に依頼を受けた
銀龍というパーティで、リーダーからは子供の時から世話になっている
事あるごとにうるさいくらいに教えてくれていた
特に人付き合い・・・・俺は人当たりが良くないからな、自覚アリだ
討伐依頼を一緒に受けて、そのあと移動しようかという話になっていた時に
変わった依頼をアーバンが持って来た
何でも知り合いの冒険者からすすめられたらしく
「有料で食事や風呂、その他のサービスが受けられる。しかもご飯がとんでもなく美味いらしい。こんな護衛依頼聞いた事ないだろう?ガロルドもこれなら嬉しいんじゃないか?」
聞いた事がない・・・・
そしてそんな事が可能なのだろうか?
そう思ったが、断る理由がない
どうせ護衛依頼を受けるのなら、この依頼が良い、二つ返事でOKした
そして当日、依頼主と一緒に来たのは
女の子だ、女性と呼ぶには幼い
朗らかにアーバンと挨拶をして、アーバンが俺を紹介したのか遠目に会釈をしてきたので
会釈をかえした
女には良い思い出がないので極力近寄らない、話さない、だ
出発してからも、アーバンと楽しそうに話をしていた
特にこちらに接触してくるわけでもなく、普通だ
だが、おそらく強い。そう感じる。
ソロでBランクっていう時点で実力があるのはわかっているが、それだけでは言い表せない
しばらく進んで休憩になると、テキパキと水を配り
軽食だと言って出したパンには肉が挟まれていて、みるからに美味そうだ
1番乗りで3つ買って、食べる
「美味い」
軽食でこれが出て来るのか・・・・美味い
出来立てのように見えるが、収納には時間停止つきか?
エルフなのか?
耳を遠目に見るが普通に見える
だが、一緒に食事している小さな従魔は・・・・毛玉とドラゴン?
やっぱり只者じゃないだろう
そう思ったが、3つじゃ足りない、美味い
追加で3つ買って、食べる、美味い
5個買っても良かったな・・・・
休憩後、出発してしばらく進むと
「あ、ゴブリンがいます。少し先に倒してきていいですか?」
と、言い出した
確かに先に魔物の気配を感じる
だが、早すぎないか?探知か?
「6匹ですね、待ち伏せです」そういう彼女は確信があるようだ
探知の魔法だろう
「いるな」
そういうと、アーバンが俺と、彼女で行こうと言った
3人で走って先行し、「ここです」彼女がそう言った時に森からゴブリンが飛び出してきた
かなり正確な探知だ
左は2人に任せて、右の3体をやった
振り返ると、しっかりと倒している、しかも2体は血がほとんどでていない
どうやった?
アーバンが埋めようと話すと、彼女が「魔法でやりますね」と返す
あっという間に6体のゴブリンを土魔法で埋めてしまった、かなりの熟練度だ
水に土、魔法が得意なようだ
腰には双剣、弓も持っているが、そっちも強いんだろうか?
興味が出て来た
馬車と合流して、魔法についてサミーと話をしている
どうやら探知魔法で間違いないみたいだ
でも、サミーの反応を見るに、かなり魔力を使う魔法のようだ
「最初は気絶していた」そう笑顔で言う彼女はなかなかの努力家のようだ
周りはドン引きしていたが、良いことではないのか?
そして彼女が「ガロルドさんもわかっていたのでは?」とこっちを見てきたので
「・・・・勘だ」と答えておいた
これ以上に説明できない。俺は特殊だ
順調に進み、野営することになったが
彼女は野営の準備をするでもなく、土魔法でキッチンを作り出した
アーバンと話をした後に、料理を始めた
手際よく野菜を切り、大きな鍋を出して火にかけている
もうその動きにくぎ付けだ
野営でこんな本格的に料理する人間は見た事がない
しばらく眺めていると、こちらに向き直り
「えっと、お腹空きました?」と聞く彼女に
一緒に見ていた商人たちも「「「はい」」」と返した
「では、食べる方はこちらに銀貨2枚をお願いします」
そう言ったので、金貨を入れた
なぜなら『食べ放題』などと言う、狂った制度らしいからだ
彼女にバレてしまって、「同じ金額でいいですよ」と言われたが
さすがにそうはいかない、気兼ねなく食べたい
アーバンの援護もあって受け取ってくれた、良かった
そして彼女が収納から取り出して焼きだした肉は薄かった
そんな薄い肉なら、何枚でも食べれてしまうぞ・・・・そう思っていた
だが、焼ける肉の匂いだけじゃない、暴力的なまでに食欲をそそる匂い
我慢できずに立って見ていた
その薄い肉がどれだけ美味いのか、想像がつかない
もう目が離せない
そこまで時間もかからずに、野菜と焼けた肉が乗った皿が出された
そうか、薄い肉だから早く提供できるのか・・・・天才か?
「さ、お待たせしましたー。生姜焼きです。パンとおにぎりは好きな方をたべて下さいね」
そう言われた、おにぎりとは・・・最新の食べ物じゃないか
これが食べ放題?夢みたいだ・・・・
フォークを持って、肉を一切れ取る
何かのソースをまとった薄切り肉は、美味い以外あり得ないだろうと思った
だから一枚をまるごと口に入れると、広がる香り、美味い
肉の味と、このソースは何だ?食べた事がない
濃い目の味付けはパンのためか・・・?
そう思ってパンを食べた、美味い
こっちはどうだ?おにぎりも取って食べてみる
衝撃が走った
生まれ育ったところはコメを食べていた
だが、こんなに白くなかったし、こんなに美味いものでもなかった
しかも、このショウガ焼きに驚くほどあう!
半分ほど食べて、横の黄色いソースに気づいた
それを少し肉につけて食べてみた、衝撃だ、さらに美味くなった
魔法か?
そのまま1皿ペロッと食べた
野菜も肉と食べれば美味い、もう隙がない
すぐにおかわりを頼む
「お肉だけでいいですか?」と聞かれたが「全部ほしい」と答えた
だって全部美味い
待っている間にスープも飲んだ
これは味噌汁だ、これも地元で食べていたものとは少し味が違うが、こっちの方が美味い
天才だ
おかわりもすぐに出て来て
夢中で食べた、だって美味い
孤児院を出てから、色んな所で色んなものを食べたが、これが一番だ
間違いない
さらにおかわりを続け、途中できたアーバンに「10回までにしておけ」と言われた
確かに、食べ過ぎな気がする・・・・
だが、「足りなくなったら狩ってくる」と言った
アーバンは「天才だな!」と言っていたが
サニーには「バカしかいない」と呆れられた
それでも彼女は笑って「オーク10体分くらいはお肉ありますし、他にもたくさんあります」
そう言ってくれた
お腹もだいぶん満たされて、正気に戻ったので
10までで辞める事にした、作る彼女も大変だろう
その後来た、デリックが食べているのを眺めて我慢した
そして色々と考えた
こんな人間が他にいるだろうか?
料理の腕もそうだが、冒険者としての実力、ソロでBランク
彼女となら旅が出来るだろう、ずっと一緒に居たい
一緒に居てくれるためには?
そうだ
彼女の後ろに立って
振り返った彼女に跪いて、手を取った
「結婚してくれ」
「・・・・・・・は?」
驚いた彼女は止まっていた
動き出す前にアーバンが走ってきて
引きはがされた、何でか怒っていたが
そこで知る衝撃の事実「ルラちゃんはまだ未成年だ」
彼女を見る「はい、えっと、13才です」
幼いとは思っていたが、さすがに成人はしていると思った
まさか13才・・・・頭が真っ白だ
俺は未成年に求婚を?
ヤバい奴だ・・・・
その後アーバンから説教された
ありがとござした!




