久しぶりの外で料理だー
Sランク昇格お祝いパーティーの翌日
『止まり木』のみんなは二日酔い
なのでお祭りの練習はお休み
自分たちは久しぶりに町の外で自由行動だ
ガロルド「じゃあ、俺たちは散歩してくるな」
「うん、気をつけてね」
ガロルドは2匹を連れてお散歩
私はいつも通りキッチンを展開して、料理
ちょっと基本の出汁系が少なくなってきたので、お鍋をならべて出汁取りだ
鶏出汁、豚骨、魚の骨、昆布とシイタケ
カツオ出汁も取りたいけど・・・どうなんだろうか?
半年・・・・経ってないくらいかな?
一本取り出して、コンコンと叩いてみる
「うーん、これで完成と呼んでいいのだろうか?」
作った事がないので、まったくわからない
カチカチで水分も抜けきった感はある、軽いし
とりあえず、君を実験体としよう
表面を削って、黒い部分を削っていく
削った所を嗅いでみる
「うん、良い香り。これは使えるかも?」
考えてみれば鰹節を削るものがないや・・・
仕方ない、魔法剣の出番だ
お皿を出して、その上でシュルシュルと削っていく
「おおーーー、鰹節でしょうこれは、カツオブシ!!」
お皿いっぱいに削って、香りを吸い込んだ
「はーー、これ。これに会いたかった」
これはいけそうな気がする・・・
お鍋にお湯を沸かして、火を止める
そこにふわっとカツオ節を入れる、このまま放置、完全にカツオ節が沈むまでだ
「ああーー良い香り・・・」
完全に沈んだら、漉して、出汁とカツオ節を分ける
色は完ぺきだ、少しお皿にとって、飲んでみる
「・・・・これだ。これだよー」少し塩を入れて、もう一度飲んでみる
「うんま!君がカツオの生まれ変わりか!!探したよ!!」
間違いない!彼はカツオだ、転生してくれてありがとう!
ここまで来たら、作るものはただ一つ
だし巻き卵だ
カツオと昆布の合わせ出汁、これで出し巻き卵を作っていく
見ているだけで美味しい、しっとりやわやわ
四角いフライパンでも作ろうかしら?
くるくるっとして、お皿にポン
じわっと溢れる、お出汁
お箸を取り出して、お箸で割って、ふーふー
パクリっと口に含んだ瞬間に広がる風味、最高だ
「おいしいぃー。会いたかったよ・・・」
ペロっと出し巻き卵を食べきってしまった
少ない、もっと食べたい・・・
2番出汁を取る事にした
お鍋に水を入れて、さっき出汁を取ったカツオ節を入れる
火にかけて、沸騰したら弱火で10分くらい煮だす
火を止めて、少しカツオ節を足す
完全に沈んだら、漉して、完成だ
今度はお味噌汁にしよう、大根、ニンジン、のシンプルお味噌汁
出汁に切った野菜を入れて、火が通るまでまつ
火が通ったら、止めて、お味噌を溶きいれる
作っている間にも涎がたれそう、それぐらいいい匂い
お椀に入れて、小ねぎを散らす
ちょっと贅沢に最後にカツオ節を振りかけた
「最高です。完ぺきなお味噌汁」
香りを楽しんでから、一口飲んでみる
「ーーーっあーーーー、美味しい・・・やっぱりカツオ節が必要だ」
わかった、昆布とシイタケだけじゃ足りない
カツオ節の旨味には勝てない
正確には本枯節とは違うけど、しっかりとカツオ節の味がする
これでいい、君が正解だ
これからじゃんじゃん使うので、カツオ出汁を量産しておく
これでいつでも使える
お昼ご飯は、親子丼だ
もちろんカツオ出汁で作った
ガロルド「ん?いつもより美味そうな匂いがするな・・・」
「わかるー?カツオ節が完成したからそれで出汁を取ったんだー」
ガロルド「カツオ節?」
「これ、魚の身を燻製と乾燥で水分を全部飛ばしたものだよ。コレを削って出汁を取ったの」
ガロルド「確かにこれから同じ匂いがするな・・・こんなに硬いのに・・・」
「薄ーく削って使うものだからね。美味しいんだからー」
ガロルド「じゃあ、食べてみる」
親子丼をひとくち食べたガロルド
ガロルド「うっまい・・・」
「あははははは!びっくりした?」
目が見開いている
ガロルド「いや、いままでも美味かったんだが・・・凄い・・・」
そこからはガツガツと止まらない食欲
2匹も凄い量を食べていた
おかわりを作っておいて良かった
ガロルド「これは無限に食べれてしまうぞ・・・・」
3杯目で正気に戻った
「ほどほどにね、これからはいつでも食べれるからね」
ガロルド「あと1杯だけ・・・・」
そんな子犬のような目で見ないで欲しい・・・・
「はい、最後ね」
ガロルド「やった!」
「きゅうー」「きゅぃー」
こっちもだ
「君たちも最後ね、お腹痛くなっちゃうよ」
「きゅうう」「きゅぃぃ」
この美味しさが共有できて良かった
カツオ節の元になる魚はたくさん買ったけど、いくらあってもいいねこれは
作りかたもわかったし、今度港町で登録しておくべきだなー
買えるようになったら嬉しいし
3匹はお腹いっぱい
幸せそうにお昼寝をしている
その横で、カツオ節を量産するべく燻製だ
お試しで作った分はそんなにないからね
捌いては、美味しいカツオ節になれるように加工していく
夕方近くまで作業して、体が魚と燻製の匂いでいっぱいになったので
外でお風呂に入った
Sランクになってもやっている事は変わらなくて
ちょっと笑った
カツオ節で出汁を取ったあとの出汁ガラは、みりんと醤油で炒めてふりかけにした
白ごまを少し入れてもいい
朝ごはんにカツオ節ふりかけでおにぎりを作ったらこれも好評だった
美味しいよね、今度追加で作っておこう
おにぎりと一緒に出したお味噌汁も「味が変わった?」って気づいていた
ガロルドは違いの分かる男のようだ
「これもカツオ出汁だよ」って教えてあげたら
驚いていた
ガロルド「今度海に行ったらもっと買おう」って言ってた
これでもギリギリまで買ったんだけどねー、ふふっ
久しぶりの外を楽しんで、『止まり木』の家に戻る
ガロルドは練習の続き
私はお祭り当日に向けて、下準備だ
材料の確保は終わっているので、作り置きを少しづつやっていく
そこに様子を見にやってきたニャムさんが「美味しそうな匂いがする」と
私の匂いを嗅ぎ始めた
「え?きな粉かな?」
ニャム「違う!もっと魚っぽいの!」
「あー、あれだなー」
ハザーマ「魚でも食べたのか?」
「いえ、魚を使った料理をしたので」
匂いが移っていたみたいだ
ニャム「なになに?なんの魚?」
凄い食いつきだ・・・ニャムさんは猫獣人だと聞いたから敏感なのかもしれない
「これです、カツオ節っていうんですけど」
収納から取り出すと、飛びつく勢いでくんくんと匂いを嗅ぎだした
ニャム「これ!これだ!!!美味しい匂いーーーー」
「あーやっぱりですか・・・・ちょっと削ってあげますので。離れてもらっていいですか?」
ニャム「うん!はやく!はやく!」
急かすニャムさん
シュルシュルと削って、お皿に盛ってあげた
このままでいいのかな?
ニャム「ああーーー!すっごくいい匂いだにゃ!!」
にゃ?猫が出て来てますよ?
お皿に顔を突っ込む勢いで嗅いでいる
「軽いから飛んでいっちゃいますよ?」
ニャム「それはダメだ!」
手でしっかりとガードしてくんくん嗅いでいる
ハザーマ「そんなにか?確かにいい匂いではあるが・・・」
「これは猫から人気あるんですよね・・・・食べてもいいですよ?」
ニャム「にゃに!?食べれるのか・・・・?うみゃーーーー!」
カツオ節を齧って発狂している
ハザーマ「そ、そんなに美味いのか?」
「猫獣人には刺さる味みたいですね、一つどうぞ」
薄く削ってハザーマさん渡す
ハザーマ「こんな木くずみたいなのにな・・・うん、確かに美味いが・・・そんなにか?」
「やっぱり猫には刺さる味ですね」
ハザーマ「・・・そうみたいだな」
ニャム「うみゃいーーー。樽いっぱい食べれるにゃ!」
完全に猫になってしまったニャムさん
お皿いっぱいのカツオ節を食べつくして、お皿も舐めている
これは困ったな、まだそんなに数が無いのに・・・
ニャム「これはどこで買えるの?いっぱい欲しい!」
まあ、そうなるよねー
「実はこれ、自作でして。今度海に行ったら商品登録して量産してもらえないか聞くつもりだったんです」
ニャム「そ、そんにゃ・・・買えない?」
「す、少しだったら譲りますので・・・ただこのあたりで買えるようになるのはいつになるのやら・・・」
ニャム「うぅぅぅぅぅーー、そんにゃーーー」
泣き出してしまったニャムさん
仕方がない・・・・
「わかりました、今から商品登録しにいきましょう?早く流通させて欲しいってお願いすればイケるかもしれませんから・・・」
ニャム「ほんとに!?いこう!すぐに!!」
「ハザーマさんごめんね、なるべく早く戻るから・・・」
ハザーマ「いや、まだ日にちはあるからな。大丈夫だ。できる事だけやっとくよ」
「すみません、よろしくお願いします」
ニャム「はやくーー!!」
「じゃあ、行ってきます」
こうして、ニャムさんと商品登録しに商業ギルドへ向かい
商品の説明と使い方などを説明
この辺の地域の人はお味噌汁を飲むので、お味噌汁の出汁の取り方
ついでに、出汁ガラで作ったふりかけも試食で出した
これが、ここの食品担当さんに激刺さりした
「このおにぎりは売れます!ふりかけですか!コメの可能性が広がりますー!」
と凄く嬉しそうだった
ダメ押しでニャムさんが、猫獣人にはこれが麻薬並みだと熱弁
これは隣国にも売れる、となった
すぐに量産できるように動いてくれるらしく
ニャムさんも安心していた
販促ように自前のカツオ節を2本渡すという痛手だったけど、仕方ない
嬉しそうなニャムさんを見たら、これでいいと思えた
この町でも売られる日も近いかもしれない
ありがとござした!




