いよいよ、Sランクだ
屋台メニューもだいたい決まったので
片栗粉の量産と、追加の買い出しを済ませた
キビ砂糖はたくさん買ってあるけども、この町でも追加で買って
自分の持ち物から出すと、計算が難しいからね
材料費を計算して、値段設定をしないといけない
きな粉棒に関しては、子供向けなのであえて安く、利益率は低めに設定した
ガロルドが連日『止まり木』の家での練習があるので
庭にテントを置かせてもらう事にした
練習する時にテントを片付ければいいからね
私は買い物ついでに『きな粉』『片栗粉』の商品登録もした
『米粉』はすでにあるらしく、「滅多に売っていないだけ」との事だ
使っている人は少ないがいるみたいだ
きな粉と、片栗粉の生産については商業ギルドに丸投げだ
自分でやるつもりもないので、売り上げ率は一番低くして、孤児院への寄付
片栗粉を作る過程で出る、芋のしぼりカスは飼料として売り出す事をすすめておいた
普通に食べるには使い勝手が悪いので、飼料ならそのまま売れる
買い物と登録が終わったので、ガロルドと一緒に冒険者ギルドへ
数日後に来てってギルドマスターが言っていたからね
受付のお姉さんに一言告げてから、ギルドマスタールームまで向かう
コンコンコン 「失礼しまーす」
ギルマス「いらっしゃい、待っていましたよ。無事に昇格が決まりました。おめでとうございます。これで晴れてSランクです」
「ありがとうございます!やったねガロ!」
ガロルド「ああ、想像より早かったな・・・ありがとう」
ギルマス「いやあー、まさか可愛がっていた子がSランクになるとは・・・感慨深いですねえ。では、今もっているタグを貸してください」
「はい」
ガロルド「ああ」
ギルマス「では、確かに。こちらが新しいタグですよ」
ギルドマスターが新しいタグを渡してくれる
金色のSランクと書かれたタグはぴかぴかだ
「ありがとうございます」
ガロルド「ありがとう、これで一安心だな」
「うん、出来る事はやったかな?」
ギルマス「幼竜の為に頑張ってここまで来たとは思いますが、Sランク冒険者として恥じない行動をお願いしますね。すべての冒険者の模範的な存在となれるようにお願いします。あと一つ、説明しておく事があります、推薦を受けてのSランクですので、その逆もありえます。ギルドマスター10人からの降格要請があればAランクへ戻る事になりますので、無いとは思いますが犯罪行為、冒険者ギルドの規則違反にはならないように気を付けて下さいね」
「はい、気を付けます」
ガロルド「大丈夫だ」
ギルマス「ふふっ、めでたいですね!お祝いをしましょう!今夜!お店は貸し切っておきます!!」
「ええ?本気ですか?」
ギルマス「もちろんです!お祝いですから、ギルドの経費で持ちます!お店は町で一番大きいお店でやりますよ。ガロルドはわかるでしょう?」
ガロルド「ああ、わかるが・・・そこまでしなくても・・・」
ギルマス「こんな事は滅多にない事ですから!推薦でSランクを獲得したのなんて何十年ぶりでしょうか?すべての職員と、冒険者の参加を認めますので、『止まり木』のみなさんに連絡お願いしますね!さあ、準備しますよー」
そう言って、部屋を飛び出して行ってしまった
「・・・・何か決まっちゃったね」
ガロルド「あれは止められないだろう・・・時間だけ聞いて家に戻るか」
「うん、そうしよっか」
帰りにギルマスを見つけて、開始時間を聞いて家に戻る
ドム「おかえり、練習するか?」
ガロルド「ただいま、いや、それがな?」
かくかくしかじか説明した
ドム「おめでとう!そりゃお祝いしないとだろう!ちょっと他の奴らにも言ってくるわ!」
そう言い残して走って行ってしまった
「何か、自分たちより周りの人の方が喜んでくれてる気がするね。ふふっ」
ガロルド「嬉しいが・・・どうしようか、何か返した方がいいだろうか?」
「そうだよね・・・みんなに振舞えるものがいいかな?お酒とか?」
ガロルド「それが喜ばれるだろうな・・・酒飲みが多いし」
「飲まない人もいるよね?」
ガロルド「そうだな・・・少ないだろうが」
「じゃあ、ケーキでも作ろうかな?」
ガロルド「それはいいな、凄く良い」
ガロルドが食べたいだけのような気もするけど、まあいいか
決まったので、ガロルドはお酒の調達
私はケーキ作りだ
自分が持っている魔道コンロのオーブンが一番大きいので
庭にオーブンを出して、スポンジを焼くことにした
丸型じゃなくて、四角を2つ焼く
その間に生クリームとカスタードクリームを作って
飾りつけの為の果物も切っていく
イチゴをメインに飾るので、ヘタを取って半分に切る
生地が焼けたら、冷ましてシロップを塗る
四角の大きなケーキにしようと思うので、デコレーションは簡単に
間にはさむイチゴもなるべく、どこを切ってもイチゴが出るようにたくさん並べた
カスタードクリームと生クリームで挟んでいって、一番上を生クリームで覆っていく
絞りがないので、周りを桃の切り身で飾って、真ん中に『ありがとう』とイチゴのスライスで書いた
良い感じじゃない?
後は適当に、イチゴと桃でお花を作って飾っていく
これはもう味とか関係ない、華やかさ重視だ
飾り付けが終わったところで、ガロルドが戻ってきた
ガロルド「これは凄いな・・・」
「良い感じでしょ?お酒は大丈夫だった?」
ガロルド「ああ、店に運ぶように頼んでおいた」
「良かった、じゃあこれで準備OKだね」
準備が整ったので夕方まで、時間を潰して
『止まり木』のみんなと家を出発した
ユーハイム「お祝いだからな、浴びるほど飲まないと」
ドム「担いで帰るのは嫌だからな」
ニャム「いっぱい食べるんだー」
ハザーマ「ほどほどにな」
ソマド「Sランクなんてな・・・・」
みんなは楽しそうだけど、ソマドだけはちょっと現実逃避している
開いていく差に、ちょっと絶望しているみたいだ
ユーハイム「俺たちもAランクまで頑張ろうぜ?」
ドム「そうだな、Aランクは届きそうだ」
ニャム「ニャムも頑張る」
ハザーマ「俺もだ」
ソマド「俺だって・・・・」
ヤル気はあるみたいだ、良かった
「頑張って下さい」
ガロルド「ああ、きっとなれる」
お店に着くと、すでに人がいっぱい来ていた
「凄いね、広ーい」
ガロルド「職員と冒険者が集まるからな、まだ増えると思うぞ」
「え?まだ増えるんだ」
海で宴会した時より全然多いよ
ギルマス「来ましたねー、主役はこっちですよ」
「あ、ギルドマスター」
見回していると、ギルドマスターが呼びにきた
呼ばれて行った所は、他の場所より少し高い位置になっていて
ちょっとしたステージみたいだ
「うわー、特等席だね」
ガロルド「こんな目立つ席を・・・・」
ギルマス「そりゃあ今夜の主役ですからね!ここに座ってて下さいね」
「あ、ギルドマスター、みんなへのお返しにデザートを持ってきたので、最後らへんに出したいんですけども」
ギルマス「いいですね、店側にも言っておきますね」
「ありがとうございます」
ガロルドと2人で指定の席について待つ
『止まり木』のみんなも近くの席についたみたいだ
「何か緊張するね」
ガロルド「ここまでしなくても良かったんだけどな・・・」
2人でこそこそと話をしていると、料理が運ばれてきた
たくさんの料理がテーブルを埋めていく、これはお高そうだ・・・
大きなお肉の塊に、たくさんの野菜が入った煮込みのようなもの
大きなソーセージや、ハム・・・・ほぼお肉料理だな・・・さすが冒険者ギルド
ギルマス「さあ!時間になりましたので始めたいと思います!この度、我が冒険者ギルドから10人のギルドマスターからの推薦によりSランク冒険者が誕生いたしました!そのパーティの名前は『アルラド』ガロルドとルラの2名からなるパーティです。長い間、推薦からのSランクへの昇格などありませんでした・・・これは大変喜ばしい事です!ギルドをあげて祝いの言葉を送りたいと思います!『アルラド』おめでとう!」
「「「「おめでとう!!」」」
みんなが声を上げてお祝いを告げてくれる
「「ありがとう」」
ギルマス「今日のお祝いは全てギルド持ちです。しかし、『アルラド』からのお酒の差し入れもありますので遠慮なく飲んで食べて下さいね。最後にデザートも有りますので、お酒を飲まない方もお楽しみに!では、『アルラド』おめでとう!カンパーーーーイ!!」
「「「「「カンパーーーーイ!」」」」」
ギルドマスターの音頭に合わせて乾杯した
私たちは果実水だけど、凄く嬉しい
近くの人たちみんなと乾杯をして、出来立ての料理を楽しんだ
2匹もたくさんの料理にテンション爆上げだ、大きなお肉を齧りに行こうとするのはダメだよ
たくさんの料理を切り分けてあげてお皿に乗せてあげた
自分でも食べてみる、大きなお肉はかなりじっくりと焼かれているのか
表面は香ばしく、中は肉汁たっぷりでお肉の美味しさを最大限引き出している
「これ、凄い美味しいね」
ガロルド「ああ、美味い。こっちも美味いぞ」
ガロルドが言うハムも食べてみる、こっちはハーブが香る
柔らかいハーブのロースハムって感じだ
「美味しいねえー」
ガロルド「どれも美味いがな」
料理を楽しんでいる間も、色んな人がお祝いの言葉を言いに来てくれた
「おめでとう!」「さすがだな!」「大きくなってー」「頑張ったな!」
色んな言葉をかけてくれた
料理をお腹いっぱい食べたころに、デザートを出そうとなったので
テーブルをひとつ開けてもらって、作ってきたケーキを出した
「「「「おおおーーー」」」」
ギルマス「これは素晴らしいですね・・・ルラさんが作ったのですか?」
「はい、是非みなさんで食べて下さい」
「甘いのよね?食べたい!」「食べたーーい」「俺も!」
女性が押しよせてきたけど、男性もわらわらと集まってきた
お店の人が丁寧に切って配ってくれる
こっそりと断面を確認して、イチゴがちゃんと行きわたっているか見た
さすがにあれだけ並べれば大丈夫そうだ良かった
「うんま!」「なにこれ!?ふわふわ」「美味しいー」
「美味すぎ!」「この赤いのが・・うま」
みんなも喜んでくれたみたいで良かった
ギルドマスターもケーキを食べて「これもSランクですねー」なんて言ってた
「良かった、みんなも喜んでくれて」
ガロルド「ケーキを喜ばないヤツはいないだろう」
「きゅうー!」「きゅぃー!」
「ふふふっ、そうかも知れないね」
たくさんの料理と「おめでとう」をもらって
思い出に残る時間だった
ギルドマスターが言い出した時は驚いたけど、いい思い出ができたな
最高のお祝いをもらってしまった!
ありがとござした!




