花祭り 2日目 真の花決定戦
「ガロ!凄かった!おめでとーー!」
ガロルド「ありがとう、さすがに強かった」
「でも左手はけっこう一瞬だったよ?」
ガロルド「右よりは左のほうが力を入れやすいんだ」
「へーー!知らなかった、どうなるんだろうって凄くわくわくしたよ」
ガロルド「ははっ、楽しかったなら良かった。次はルラだ、頑張れ」
「うん、任せて。頑張って来る」
ポンチョを脱いで、2匹を預ける
「ちょっと行って来るね、いい子にしてて」
「きゅう」「きゅぃ」
2匹を撫でてステージに向かう
ガロルドは色んな人にもみくちゃにされるので、運営に保護してもらっていた
ステージ横の運営が待機する場所に移動して、そこから見るみたいだ
『さあ!いよいよこの祭りの花を決める時が来ました!本戦出場者はステージまでお越しください!』
ステージにどんどんと集まる本戦出場者たち
もちろんギルドマスターもいる、今日も全身赤の装いだ
『本戦出場を決めたここにいる17名から、真の花が決まります!まずは半分に分かれて上位1名が勝ち抜き、決勝戦は一対一での決戦になります。まずはAグループから参ります!スタンバイをお願いします!』
私はAグループなのでステージに上がって、板の上に立つ
大丈夫だ、練習したし、1位しか決勝に行けないんだ
できるだけ回る、出来る
自分に言い聞かせて、一度だけ深く深呼吸した
『ルールの確認です。板の上のみで回って下さい。止まったら脱落、板から落ちても脱落です。美しく、より回った花が勝ち残ります!準備はよろしいでしょうか?では、行きます、位置について、よーーーーーい!』プァーン!
合図とともに回り始める
「がんばれー!」「止まるなー!」「いけるぞー!」
歓声と応援が聞こえてくる
それでも、回っているうちに周りの音が気にならなくなった
無心で回っていた
プァーン!
合図が聞こえたので止まった、瞬間に、どっと会場が湧いた
「すげええー!」「こりゃわからんくなってきた!」「何回回ったんだ!?」
『か、回数の確認に参ります!しばらくそのままでお待ちください!』
ど、どうなったんだろう?
自分ではわからなさすぎるー
しばらくじっとしていると、自分のところにも確認しにきてくれた
「す、すごっ」
確認にきた人は回数を見て、私の顔を見ていた
その反応は良いって事だよね!?
『お、お待たせいたしました。結果を発表させていただきます。Aグループ1位通過はダントツのひゃく!はちじゅう!にかい!!初参加のルラ嬢ですーー!!おめでとうございます!!』
どっと会場が湧いた
「「「「うおおおお!!」」」「すごい!」「やるじゃねえか!」「すてきー!」
どうやら自分は凄かったらしい・・・実感はないけど・・・
だれかビデオでも撮ってみせてほしいくらいだ
『素晴らしい花をありがとうございました!では、続きましてBグループの方、お願いいたします!』
ステージを降りて、ガロルドがいる所にいく
ガロルド「おつかれ、凄かったぞ」
「ほ?ほんとに?自分じゃわからなさすぎて・・・」
ガロルド「ダントツだったな、問題はギルマスだろう、ほら」
ステージの上ではBグループが開始しようとしている所だ
プァーン!
ステージの上の女性が一斉に回りはじめる
さすが本戦、みんな落ちる事もなく回っている
その中でもギルドマスターは別格だ、速さが段違い、しかもブレない、キレイだ
「すごいね・・・」
ガロルド「ルラも凄かったぞ、回り方は違うが、同じくらいの速度じゃないか?」
「私もあんなに回ってた?それは凄いかも・・・」
ホントにあんなに回ってた?実感が無さ過ぎるんだけど
ガロルド「結果が出ればわかるさ」
プァーン!
終了の合図とともにギルドマスターはピタリと止まって、優雅にお辞儀した
会場も、どっと、湧いた
『さあ、結果が出ました!こ、これは・・・ひゃく!はちじゅう!さんかい!183回を記録したのは我らがギルドマスター!ベルアート様!一位通過はベルアート様です!』
「「「「うおおおお!!」」」「さすがだー!」「綺麗ーー!」「最高だー!」
ギルドマスターは優雅にお辞儀をして、声援にこたえている
「わー、ほぼ同じ回数・・・」
ガロルド「な?同じくらいで回っていた」
本当にあんなに回ってたんだ・・・私凄いかも・・・
ガロルド「で?どうなんだ?勝てそうか?」
「・・・正直わからないけど・・・全力で回ってくるよ」
ガロルド「ああ、頑張って」
ギルドマスターがステージを降りてこちらに来る
ギルマス「あなたやるわね」
「ありがとうございます。ギルドマスターは凄く素敵でした」
ギルマス「ふふっ、ありがとうね。もう何年もトップだからね、そろそろ刺激が欲しかったんだよ」
「刺激になれるなら光栄です」
ギルマス「じゃあ、あとでね。負けないから」
「はい、私も負けないので」
ギルマス「言うわね」
ひらひらっと手を振って、水を飲みに行った
『さあ、これより祭りの真の花を決める決勝戦ですが、決勝戦は回転の回数だけではなく、美しさも評価につながります。審査員の方は歴代の花である3名のこちらの方々です!ひとり10点の持ち点が回転数に加算されます!回転数足す、評価点数で真の花が決定します!』
なるほど、これは無様に回る事は絶対にできないな・・・・
ガロルド「大丈夫だ、ルラ」
「ほんと?」
ガロルド「ああ、俺はギルマスよりルラの方がキレイだと思う」
「・・・・・・ありがとう」
何か凄く勇気が出て来たかもしれない
がんばろう
『それでは・・・真の花を決める戦いに挑んでもらいましょう!!ルラ嬢と!ベルアート様の入場です!』
パチパチパチパチパチパチパチパチ
「いいぞーー!」「がんばれー!」「ベルアート様ーー!」「ギルドマスター!」
拍手と歓声の中、ステージに上がっていく
『さあ、決勝の花が出そろいました。心の準備はよろしいでしょうか?』
あ、そうだ
手を上げて話たい事があるとアピールする
『あら、どうされましたか?』
「実は双剣を持って回りたいんですけど、ダメですか?」
『そ、双剣ですか?どんなものでしょう?』
「これです」
収納から出して見せる
『こ、これは双剣ですね・・・いかかでしょうか?審査員のみなさま?』
聞きに行ってくれている
『はいはい、面白いからいいんじゃないかと・・・あとは対戦相手次第ということですね、いかがでしょうか?ベルアート様』
ギルマス「いいね、面白いじゃないか。もちろんOKだよ」
「ありがとうございます!」
『これは面白くなってきました!双剣を持つ許可がおりましたので、ルラ嬢は双剣を持っての挑戦となりました!』
「あの、すみません。絶対に誰も近づかないでくださいね。切っちゃうので」
『・・・・かしこまりました。みなさん誰も近づかないで下さい、との事です。』
腰に双剣を付けて、同時に引き抜く、くるくると回して逆手にかまえた
準備万端だ
『こ、これは美しい剣ですね・・・楽しくなって参りました!!それでは真の花を決める戦いをはじめたいと思います!!!・・・位置について、よーーーーーーーい』
プァーン!!
合図と同時に回り始める
もう何も考えない、ただ回るのみだ
腕を振り、さらに回転数を上げていく
もう、音も歓声も聞こえない、風を切る音と、双剣の美しい紅い残像だけが目に映る
小さく飛び勢いを増す、何度も何度もだ
音も置き去りに、残像も色だけに
自分の中心が光っている、そんな感覚
プァーン!!
音が聞こえた、大きく飛んで、着地して止まった
ゆっくりと真っ直ぐ立ち・・・・前を見ると、みんなが唖然としていた
なにごと?と思ったら
「「「「「ううおおおおおお!!」」」」
揺れるほどの歓声が起こった
なにごと?!
司会の人を見ると、こっちも止まっていた
ハッとした顔になり
『す、素晴らしいです!こ、これはどちらが勝ったのか?か、確認をお願いします!!』
運営の人が確認をしにきたので、双剣は納刀した
どきどきしながら待つ
確認をしに来た人は何度も目をこすって、近くでみたり、離れて見たりして
最後に私の顔を見て離れていった・・・
何回なの!?どきどきする!!
『ええーー、ただいま結果の書かれた紙が届きました・・・驚きです、この祭りが始まって以来の記録かも知れません・・・・・まず、ルラ嬢の回数は・・・にひゃく!にじゅう!ごかい!!225回です!!恐ろしい数字です!そして、ベルアート様の回数は・・・にひゃく!じゅう!ななかい!217回です!こちらに審査員の方の点数が加算されます・・・まずはルラ嬢の評価からお願いします!』
『10点!10点!10点!な、なんと満点です!全員より満点が入りました!感想を頂きましょう!』
『素晴らしかったね、美しかった・・・痺れたよ』
『文句なしの満点だったようです!』
『双剣ってのはああも美しいもんかね・・・文句なしだよ』
『こちらも、文句なしの満点です!』
『双剣・・・素晴らしいね。美しい花にはトゲがあるってね。最高だよ』
『素晴らしい!審査員の方々のお言葉でした!』
『では、ベルアート様の点数も見て参りましょう!10点!10点!9点!と、評価の方も聞いてまいりましょう!』
『いつも通り美しかったね』
『そうですね!私もそう思います。』
『そうだね、いつも通り美しい、強さも感じたね』
『まさしく!私もそう思います』
『美しかった・・・・だが、ベルアート様にはトゲがなかった・・・だから1点引かせてもらったよ』
『結果が出ました・・・・217回に29点を足して、246点のベルアート様。対して、225回に30点を足して255点のルラ嬢!勝者はーーーーー!!!!ルーーーーーラーーー嬢----!!!』
司会の人に真ん中まで引っ張って来られる
『間違いないでしょう!歴代最高点数!!歴史に名を刻む花の誕生です!!』
凄い持ち上げ方だけど、素直に嬉しい
「「「「「「うおおおおお!!」」」」」」」
「最高だった!」「綺麗だったぞー!!」「花の誕生だー!」
「結婚してくれー!!」「綺麗ーー!」
割れんばかりの声援に大きく手を振った
ステージの横を見ればガロルドが笑っていた
見ててくれた?
満面の笑みでガロルドに手を振った
どこからか、花びらが舞い散り、みんなが祝ってくれた
ありがとござした!




