魔法学の授業 3回目
魔法学の授業 3回目
実は、悩んでいることがある
前回の授業のあと、カラ魔石に属性魔法を入れることが すごく難しいという事実に気づいてしまった
アガゴリにいたっては1年ほどたつのに いまだにできていないのが現状だ
なのにだ
授業の翌日にシャールが 笑顔でやってきて 見せてくれたのだ 風の魔石を
シャール「おしえてもらったとおりに リボンをもってそとにでて 風がどうやってうごいてるのか
みてみたの。そしたら風のイメージがうまくできるようになって
いえにかえって イメージしながらやってみたらできたのよ ふふふ すごいでしょ」
シャールには本当にセンスがあるかもしれない すごく驚いた
マリーはすごく悔しがっていた 自分も火を見たのに わからなかったと怒っていた
でも次の日、持ってきたのだ 火の魔石を
マリー恐るべし 根っからの負けず嫌いなのか 愚直なのだろう
出来た時の説明をする勢いもすごかった 「ママにろうそくをつけてもらって ずっとみてたの!!
ほんとにずっとよ!!ごはんのときも、はみがきのときもずっと!!そしたらなんかできるきがして!
やってみたらできたのーーーーーーー!!すごいでしょすごいでしょすごいでしょーーーーー!!
ママなんておどってたんだからー!!」 とまぁ凄かった
なので今悩んでいる
1年やっても大半の子供ができないのに もうすでに3人できるようになっている
・・・・・これはまずいのでは? と
たった3日だ 前回の授業から
悩んでも仕方ないことはわかっている
が、前回の先生の反応を見るに ヤバい気がする
どうしよう どうしようもないが どうしよう
ま、なるようになるか
ふたりが嬉しそうで 私もうれしい
なにより できないより 出来た方がいいに決まっている そう 思うことにした
カーンカーンカーン 先生が入ってくる
ロスター「みなさんこんにちは、今日は前回のつづき 属性魔法のお勉強です
カラ魔石に属性魔法を入れるというものですね
みなさんお家で挑戦してくれたと思うのですが、もし、できたよーという人
いたら手をあげてみて下さい。」
マリーとシャールは元気よく手をあげている
私も一応あげておく・・・・・・・ ??
あれ??先生が固まって 口も目も全開だ・・・・
一体どうして?
ゆっくり周りをみてみる うそでしょ
なんとクラスの大半が手をあげている
ロスター「ななななななななななななななん、ななななななん?」
先生が壊れた
ふらふらと歩きながら 生徒たちの魔石を確認している
ひとつを手に取って 「・・・・・できている」 なんてぼやいている
「えへへへすごいでしょ」 「がんばったの」
なんて無邪気に笑う子供たち
温度差が凄すぎる
そして 先生がその場にへたり込んでしまう
「せ、せんせえ?」
ロスター「すみません、おどろきすぎて・・・・・。どなたか先生を呼んできてくれませんか?」
た、たいへんだ
私はすぐに立ち上がり 走った 「いってきます!」
職員室に行き
たまたまいた先生に声をかける
「すみません、ロマリーせんせいがたてなくなっちゃって。きてもらえませんか?」
「え!?それはたいへん。 すぐにいくわ 魔法学ね?」
「はい、そうです」
そのまま、3人の先生と教室へ走る
教室に戻ると 先生は完全に横になっていて
生徒たちに覗きこまれていた 「せんせーげんきだしてー」「せんせいだいじょうぶ?」
なんて言われている
ロスター「だいじょうぶですよ、 すこし感動しすぎて、だいじょうぶです
ははは。すばらしい、ほんとに」
ロスター先生はうわごとのように 大丈夫だと言っていた
本当に大丈夫だろうか?
「みなさーん、ロスター先生は体調が悪いので 授業はここまでで 気を付けて帰ってください」
「「「「「はーい」」」」」
「ロスターせんせいおだいじにー」「またねー」
なんて言いながら教室から出ていく生徒たち
ロスター先生は2人の先生に抱えられ 医務室へ運ばれていく
「あ、君。職員室へ知らせてくれた子だね どうしてこうなったか聞きたいんだけど
一緒についてきてくれるかい?」
「あ、はい」
マリーとシャールにばいばいと挨拶をして 先生についていく
医務室にははじめて来たな
薬などの 独特なにおいがする 病院のにおいだ
先生たちに抱えられたロスター先生はベッドに寝かされ
「ませきが・・・ぞくせいで・・・」 とうわごとを言っている 重症だ
「じゃこっちで話してくれるかい?」
隣の部屋の応接室のような所に入る
3人の先生と応接セットに座る
「では改めて、私は教頭のマルコシアスだよ。君の名前は?」 優しい雰囲気の男の人だ
「あ、はい。アルノーラです」
教頭「よろしくね、で、なにがあったんだい?」
「あの、カラ魔石へぞくせいまほうをいれる しゅくだいだったんですけど」
教頭「うんうん」
「せんせいがだれかできたひとがいますか?ってきいて」
教頭「うんうん」
「クラスのほとんどがてをあげて」
教頭「うんうん? へ?」
「せんせいが魔石をかくにんしたあと へたりこんじゃって」
教頭「う? は? ちょっとまってね? 属性魔法を魔石に??だよね?」
「はい、これです」
自分がつくった水の魔石を渡す
教頭「これは、君が? 授業は何回めだい?」
「わたしがつくったやつです じゅぎょうは 3かいめ?かな?」
「ほんとなのか?」「え?」 なんてあと2人の先生もつぶやいている
教頭「ちょっと、カラ魔石を持ってきてくれないかな?」
先生「あ、はい。すぐに」 先生は走っていく
教頭「信じてないわけではないんだけど、少しみて見たいんだ やっている所を見せてくれない?」
「はあ、いいですけど」 やっぱ信じられないか 気持ちはわかる私もびっくりした
しばらくして カラ魔石が入った小箱を持って 先生が帰ってきた
先生「どうぞ」
教頭「ありがとう」 教頭が小箱を受け取り カラ魔石をひとつ私に渡した
教頭「急がなくていいから やってみてくれるかい?」
「・・・はい」
右手に持ち 水の魔力を込める できた ものの数秒だ
「できました」 手のひらを開いて見せる
教頭「・・・・・・・・。」
え、時が止まった?
あの後、教頭先生と先生たちが再起動するまで待ち
教頭「み、見せてくれてありがとう。・・・・・このことは先生どうしで話をしておくよ
協力してくれてありがとう。気を付けて帰るんだよ」
そう言って帰してくれた
見せるのはまずかった? でも説明するには仕方がなかった
そうだ仕方がなかった
なるようになるさ
ありがとござした!




