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人の噂も七十五日

人の口に戸は立てられぬ

前世ではこういう言い回しがあったが


まさしく

今の状態を言うのだろう


おそらく、子供が親に話をし

親どうしが話の真相を知るために

もしくは好奇心のために  話をひろげていく


まわり回って

その話は当人にまで返ってくる


母は出かけるたびに事の真相を尋ねられるようになったそうだ

それはアガベーラも同じだ


母は、次女は体が弱く外に出ていなかっただけで

髪や目の色は先祖返りだと       返答していたようだ


だが、うわさとは一人歩きするもので


「次女は不貞の子なので、家から出さずにいた」


と、いう噂も広まっていた



人の噂も七十五日


とは言ったものだが


やはり放っておけなくなったようで



父は 噂が広まったいま

このまま家に閉じ込めておけば

憶測で話が広まっていき もっとややこしくなると判断したのだろう


アルノーラを少しずつ外に出し

次年度から学校に通わせる  と言い出した


筋書きは


体が弱かったので外出していなかった

元気になってきたので 外に出る練習をしている

髪や目の色は 母のご先祖様に似たのだと


コレでいくらしい


私の存在がご近所に知られた今

このまま家に閉じ込めていては

虐待を疑われる

長女が学校に通っているのに なんでだ?ってなるよね そりゃ



もう学校には行けないだろうと思っていたので

素直にうれしかった   

アガゴリのおかげだ  


でも問題も発生している

お金だ



庶民の学校はお金さえ払えば誰でも行ける

だが、そんなに安くもない

給食だってあるんだ


貧乏は学校には行けない


父は私を学校に通わせるつもりはなかった

だが、見栄っ張りな父は

近所にバレた今、 学校に通わせないという選択肢はないみたいだ

この家も無理をして買った

見栄の為に

それがいま大きくのしかかってきている


当然

私が学校に行き始めれば家計は大赤字だ


なので

母が働きに出ることになった

妹はまだ1才なので託児に預けて



負担をかけて申し訳ないのだが

ここは甘えることにした


母が学校に通えるようになったことを喜んでくれたからだ


母は元々

私の外出禁止にも反対していた


やっと望む形になったのだ


一緒に出掛けて

ご近所さんに私を紹介してくれる


ニコニコしている母を見て

私もうれしくなった  この人の子供で良かった

そう思えた



買い物についていくようになって

わかったことは

小銅貨  約1円

銅貨   約10円

小銀貨  約100円

銀貨   約1,000円

金貨   約1万円

大金貨  約10万円


ということ


前世に似た野菜も多く

興味しんしんだ


お肉は比較的安いみたいだけど

何のお肉かよくわからない

牛っぽい、豚っぽい、鳥っぽい

そんな感じだ

おそらく魔物のお肉なのだろう   しらんけど



買い物に行くとご近所さんが話しかけてくれる

「お外に出れるようになってよかったねー」

と言われることが多い

なかなか浸透しているようだ


コソコソと話している人もいる 「あの子が?」「不倫の子らしいですよ?」

なんて

身体強化で聞こえるんだよね

まぁいいけど


ご近所さんはほとんどが優しいひとたちだ

良かった


外の世界を見つつ


母が働いてる間は

家事をがんばる

炊事はさすがに4さいが出来るとおかしいかな、と

我慢している


早く料理もしたいな

塩味以外も食べたいな


調味料探しもしたい


ここから世界が広がっていくんだ

たのしみだーー

ありがとござした!

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