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別れの準備

学校を出たあとに走って冒険者ギルドまできた

もう暗くなってきたけど、まだいるだろうか?


屋根伝いに冒険者ギルドへ行き、ギルドマスターの部屋の窓へいく

コンコンコン 「こんにちはー」

ギルマス「おっまえどこから来てんだ!」

開いた窓からするっと入る


「ちょっと急ぎでして・・・・。」

ギルマス「あん?お前なんか泣いてないか?」

「えっと、実は色々ありまして・・・・この町を出ようと思います。」


かくかくしかじか 今日あった事、商業ギルドで得た情報

全部話した


ギルマス「そうか・・・・ついに来ちまったか。ほんとロクでもねえなお前の親父は。」

「そうなんですロクでもないんです、だから母は出て行ったんです」

ギルマス「・・・・・。そうだな、お前はもう自由だ。好きな所に羽ばたいていけ。よく頑張ったよお前は、お前が冒険者をやってて俺も楽しかったよありがとうな。」


「はい、ありがとうございました。ギルマスが助けてくれたおかげで冒険者活動ができてました、これからは世界を見て冒険したいと思います。」


ギルマス「大した事はしてねえよ、俺はギルドマスターとしての仕事をしたまでだ。だからこれまでの事はお前の頑張りと実力でやってきたことだ、誇れ。」


「そうですね、そうします。」


ギルマス「おい!!!そこは、「そんな事はありません!ギルマスのお陰です!」だろうが!!」


「あははははははははは」 


ギルマス「めっちゃ笑うじゃねえか・・・・」


「まあ、冗談はここまでにして。時間もないので、ちょっと頼まれて欲しい事がたくさんあるんですがいいですか?」


ギルマス「・・・・・。しゃあねえな、最後だし聞いてやる。」


「おそらく、父が私を探す為に冒険者ギルドにも来ると思うんです、捜索依頼もだすかも知れません、受けて貰ってもいいんですけどたぶん私は見つかりません。」


ギルマス「は?なんでだ?」


「あの山に登ります。」


ギルマス「は?・・・・・・・えーーーーーっと山に登ってどうするつもりだ?」


「さあ?しばらくゆっくりするつもりです。町にもしばらくは降りません、なので受けるだけ受けて探すフリでもいいと思いますよ。」


ギルマス「まじかよ、あの山は人なんて入らねえ、何がいるかわかんねえんだぞ。」


「だからいいんですよ、しばらくゆっくりしたいし、誰にも会わなくてすむ好条件です」


ギルマス「まあ、お前の自由だから止めはしないが・・・・・気を付けろよ。」


「はい、もちろん。あとは父はおそらく闇賭博に参加しているみたいなんで通報もしてください。しっかり捕まって反省してほしいです。姉はもう働けますしほおっておきます。」


ギルマス「おおーー割り切ってんなあ。」


「はい、自業自得なんで。問題は妹なんですけど、おそらく話をしても信じて貰えないし聞いてももらえないんですよ、なのでお金だけおいて高等学校の寮に入れるように手配しておきました。でも、そのお金も私の予想が当たれば父に取られると思います。なので本当に困った時に妹に冒険者ギルドを頼るように言いたいんですけど協力してもらえませんか?私の別口座のお金を使えるようにするだけでもいいんです。」


ギルマス「なるほどな、・・・・よしわかった。お前の妹が来たら別口座を妹の手に渡るようにして、お前からの入金もできるようにしといてやろう、そんでついでに高等学校までの馬車なんかも用意してやるよ、頼ってきたらの話だがな。」


「わあ!ありがとうございます。助かります!さすがギルマス!カッコイイ。」


ギルマス「じゃ、ちょっとまってろ手続きしてくる。」

「はい」


ギルマスは部屋を出ていく

良かった、これで最大の不安要素が消えた

妹がギルドを頼らなかった場合はもうどうしようもないが

それはもうあの子の選択だ


そうだ、会いに行けない人たちに手紙を書かないと

マリーにシャール、オドさんも、タイデンさんも

この町でたくさんの人に助けてもらったな・・・

ちょっと寂しいな、また会えるといいな・・・ちょっと泣けてきた


しばらくしてギルマスが帰ってきた


ギルマス「なんだ?お前泣いてんのか?」

「ちょっと手紙書いてたら寂しくなってきちゃって」

ギルマス「・・・・。大丈夫だ、生きてりゃまた会える。俺はお前に飛ぶ斬撃の完全版を見せるまでは死なねえから安心しろ。」


「そっか・・・また会いたいな。」


ギルマス「そうしんみりすんな、また会える。」

「ギルマスが言うとほんとになりそう、ふふふ」


ギルマス「そうだ、本当になるんだ。信じろ。」

「うん・・・・。」   ダメだ涙は勝手にでるや


ギルマス「しゃーねえなあ、泣きたいだけ泣け。」

そう言って頭をガシガシ撫でる  痛い


ギルマス「で?ここにはいくら入れておくんだ?」

「えっと・・・・金貨1000枚、かな?」

ギルマス「え?多くねえ?いくら高等学校っていってもだぜ?」

「へ?そうなの?4年間でどれくらいかかるもの?」

ギルマス「学費だけなら年間でも金貨10枚くらいだから、金貨40枚あれば学校は通えるだろう?食費と雑費を月金貨5枚だとしても年間金貨100枚もいかねえだろう、てことはだ、金貨500枚もありゃお釣りがくるだろう。」


「へ?そんなもん??じゃーいつもあんなに金貨渡してたのは何だったんだ”!?」


ギルマス「あはははははは、使い込まれてたな、そりゃ。そうだ怒れ怒れお前はもっと怒っていいぞ。」


「最後に一発殴っとこうかな・・・・まあ、でも一応金貨1000枚で。姉もクズなんでもしかしたら妹に泣きついてくるかもしれない、そうなったらぜんぜん足りない気もするし。連絡とる気はないのでもし妹に何かあっても助けられないですし。」


ギルマス「なるほどな、わかった。もしヤバそうな雰囲気を感じたら冒険者ギルド経由で連絡してやるよ、だから町によったらギルドには絶対顔をだせよ?」


「ありがとうございます。じゃあ、この口座は妹の名義でアモラでお願いします。」


ギルマス「わかった、やっとくよ。他にはなんかないか?」


「んーそうですね。タイタンのみんなとかジッテさんに挨拶はできないと思うんで、どこかで会いましょうって言っといてもらえますか?」


ギルマス「ああ、わかった伝えとくよ。」


「これぐらいかな・・・・。あ、そうそう、名前を捨てます。ルラとして生きていきます。」


ギルマス「なるほどな、だから冒険者名は変えてたのか。わかった、ルラ。」


「これで・・・・全部・・・かな?あとは家族に引導を渡して・・・そのまま町を去ります。門も使わずに塀を登って消えます。」


ギルマス「そうか・・・気をつけてな。お前の名声が聞こえてくるのを楽しみにしとくわ。」

いたずらっぽく笑うギルドマスター


「ふふふふ、名声ってそんなの届かせられるかなー?」


ギルマス「ルラはいつでもBランクに上がれるようにしてあるからな、どこかの町で依頼でも受けて上げてしまえ。ソロでBランクってだけでなかなかのもんだ、お前ならすぐにAランクになっちまうかもだけどな。」


「おお、それは良い事を聞きました。そうですね、ランクアップも頑張っちゃおうかな。」


ギルマス「ああ、自由にやれ。お前はもう一人前だ。」

また、頭をガシガシぐりぐり撫でる  痛いってばもう


でも、嫌いじゃないんだ


「ぎるまず・・・・・ありがどうございまじた・・・・。」


泣いているのがバレるから


頭を下げたまま 窓から飛びだした





さあ、泣いている場合じゃない

ここからだ




涙を拭いて

家の扉を開ける


父「どこをほっつき歩いていた!!!」

腕を引っ張られ部屋の奥に投げられる

身体強化のお陰で痛くはないが、これが現実だ

コレが私の家族だ


「お金を工面してきたの、いらないの?」


父「なんだと!?早く渡せええ!!」

もはや父の顔は人間には見えなかった、目も紫いろでギラギラしている


「ほら。」 金貨の入った袋を机の上に置く


父「もっと早くだせ!クソガキが!!」

袋を持って父は家を出て行った、賭博にでも行くのだろうか・・・


今のやり取りを姉も妹も一部始終を見ていた

事の重大さはわかったんじゃないだろうか


姉は私をにらみ

妹は困惑していた





さあ、最後の話をしよう

泣く・・・・・




ありがとござした!

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