家族が崩れる音がする
最近おかしなことがある、妹アモラの当たりがすごくキツくなっていることだ
あれではまるでアガゴリ、私の姉のようだ
父もお金をせびりにくる頻度が上がっている気がする
今は、もうアモラは4年生で卒業間近
アガゴリも高等学校を卒業して就職という所まできた
アモラは高等学校に進学予定らしいのだが
あまり学校の成績は良くないらしく、どの道に進むのか決まらないらしい
就職するにはどの道に進むのか決めないと選択授業も選べない
どういう進路に進むのか聞いてみても
「そんなの知らない!」の一点張りだ
「いつまでも養ってもらえるわけではない、自分で稼げるようにならないと生きていけない」
と、説明しても
「お前が稼げばいい話だ!家族の為に働け!!」と来たもんだ
まるで、姉と父をなぞっているようだ
しかも目が紫を帯びていた、影響を受けているみたいなのだ
姉は就職先にかなり難航しているらしく
魔法高等学校に通ってはいたものの成績は伸びず
どこの就職先も受け入れがない、と
最終的には火の魔石の生産工場に就職になりそうだ、ていうかそこしか選択肢はない
「本人はぜったいに無理!」だなんて言っているけど
なんだ?無理って・・・・・
どうしたもんか・・・・いやどうしようもないんだけど
そろそろここを離れるときが来たみたいだ・・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
アモラの視点
幼年学校に通うようになって先生からアルノーラの話を聞くことが多くなった
「すごくいい子だった」「みんなからも人気だった」
2年生になってもっと話を聞くようになった
「このクラスで一番すごかったのは卒業生のアルノーラさんだ」
「誰よりも上手かった」
「選択授業は2つ以上受けていた」
おかしい
お姉ちゃんはそんな事は言っていなかった
「あいつは私達とはちがう」「あいつはふていの子」
「出来が悪いから学校を辞めさせられた」
お姉ちゃんはそう言っていた
でも、学校で聞く話はアルノーラの話ばかりだ
おかしいと思って本人にも聞いてみた
「選択授業を2つ以上受けていたの?」
答えは「本当だ」と返って来た そんなのおかしい
お姉ちゃんはそう言っていなかった
学校でも本人に聞いてもこう言われた、とお姉ちゃんに話すと
「あいつらはうそを言っている」「私のほうがすごい」そう言っていた
「そんなすごいヤツがなんで私達の世話をしていると思う?」
「それしかできないからだよ、あいつを使ってやってるんだ私達は」
「パパだってあいつのことをいつも怒っているだろう?」
お姉ちゃんはそう言った
確かに・・・・。 納得した
アイツは私達を支える為に家事をしている
いや、させてやっているんだ。 そう思った お姉ちゃんもそう言っていた
4年生になって高等学校に行く事になったが
学校の先生にはもう少し勉強を頑張って進路をどうするか決めないとね
そう言われた、就職?なんでそんなことをしないといけないんだ
お姉ちゃんだって働かないといっていた
学校の先生はうそつきだ
アルノーラにも進路を聞かれたけど、そんなの知らない
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
アガベーラの視点
魔法高等学校は楽しくなかった
どの授業も魔法の練習練習、特に目障りだったのは一つ下のマリーとかいう女だった
幼年学校の時から目障りだった
同じ授業だったのにどんどん強くなって
なにかズルをしているに違いない 絶対おかしい
アイツと仲がいいのも気に食わない
魔法に関する授業はどれも楽しくなかった
魔法文字も、魔道回路も
どれも意味不明
攻撃魔法も練習ばかりだ、同じ魔法を放つだけ
他の人たちは距離を伸ばしてみたり
出し方を変えてみたりなんかしていた、何の役にたつんだか
威力さえあれば問題はないでしょうに
退屈な学校も4年生になりやっと終わると思ったら就職先を決めろと言われた
なんでそんな事を?
私ならどこへでも就職できるでしょう?そう思っていた
だが、どこも受け入れ先が無かった
唯一あったのは、火の魔石工場
消耗品なので年中仕事がある、いつでも募集しているらしい
ふざけるな
なぜ、私が、工場なのだ
怒りに震えた、見る目が無い
学校も、就職先も、全部が憎かった
別に就職しなくてもうちには奴隷がいる
問題はない
そういう事にした
私は何も悪くない
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
父の視点
体が上手く動かなくなって楽しみが飲むことくらいしかなくなった
仕事も昇進できずに給料も増えない
アイツは出て行ったきり帰ってこない
一番金をかけた長女も就職しないとか言い始めた
甘やかしすぎただろうか
3女が高等学校に行くと言っているのでさらに金がかかる
どうしようか・・・
アイツから金をせびって増やそうか
最近、賭博の誘いがあったのだ
そうだそうしよう
家族のためだ
俺は悪くない
増やせば誰も文句はないはずだ
もし負けてもアイツに稼がせればいい
そう考えて賭博場へ向かった
ありがとござした!




