お米の登録後のはなし
コメ関係の商品登録の翌日にまた商業ギルドへ来ていた
お米の炊き方をレクチャーすると同時にどんな風に食べるのか
一緒に料理しながら教えた
食品担当の職員さんはみんな一度の説明でわかってくれた
さすが食品を扱う人たちだ
残念ながらポルモットさんはいなかったが
コメ担当として走りまわっているみたいだ、ぜひ頑張ってほしい
試食で作ったものをみんなで食べてもらえるようにたくさん作っておいて来た
手軽なおにぎりはもちろん人気だったが
やはり丼はダントツで人気だった、男性は特に
この調子で砂糖も流通してくれないかなー?
食べたいものの中にはだいたい砂糖が入っているのだ
消費はそれなりにある
でも、お高いのだ
ここの砂糖はさとう大根じゃないのだろうか?
手間を考えれば塩より高いのはわかるけど、もう少し安くてもいいのにな
とは思う
でも今回の事でかなり大事になってしまったので
しばらくはおとなしくしていようと思う、なぜなら
商品登録したいものが他にもあるからだ
なんと、もうすぐ浄化の魔法文字が完成しそうなのでなる
研究しはじめて3年、ようやく完成が見えて来た
これが完成すればコメよりも流通するかもしれない
そうなればさらに大ごとだ
なので我慢
まだ完成してないから早とちりではあるんだけどね
またコツコツと研究だ
私は来るべきお米流通にむけて
お米にあう料理の再現を目論んでいる
ほんっとうに欲しいのは、鰹節、昆布、など出汁がとれるもの
あと、卵、乳製品。
これに関しては乳製品が特産の町もあるそうなので行けば買えるらしい
運搬で時間がかかるからここでは売られていないが
ある場所にはある、とのことだ
チーズも欲しい
ぜひ買い占めたい
ゴマも生産地に行けば沢山手に入るだろうか?
欲しいのだ ごま油が
ラー油も作りたい
コメが手に入って急に欲求が爆発したようだ
前世での食事を思い出すたびに、あれが足りない、これが足りない
日本は恵まれすぎていた
豊かな国だった、税金は高いが。
おかげさまで私はホームシックならぬ、フードシックだ
日本食が恋しくなってしまったので家で肉じゃがでも作ろう
牛丼もいいな、たくさん作って保存しておこう
食べたい時に食べれるように
その日は日本食を思って作りに作った
寸胴も使い切った、何個か買い足しておこう
そうだ、外で炊き出し用に大きい鉄板も作っておこう
でっかいお肉も焼けるようなやつだ
お金を回収するための貯金箱も作っておこうかな?
なんか考えだしたら止まらなくなってきた ふふふ
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1か月後
モンスロスの町で穀物屋さんに来ていた
定期購入のためだ
「こんにちはー」
テス「ああ!待っていたよ!いったいどんな魔法を使ったんだい?翌日からコメの購入と輸入を増やすようにって凄かったんだよ?」
「ははは、魔法なんて使っていないですよ。帰ってすぐに商業ギルドで各種登録したんです、ギルドの全員が集まったんじゃないかってくらい集まってくれて、コメを普及させようって動いてくれました。」
テス「それでこんなことに・・・・・?君は一体商業ギルドとはどういう関係で?」
「どういう関係?んー、知り合いは何人かいますけど・・。」
テス「知り合いがいる程度でここまでの動きになるだろうか?・・・・わからん」
「職員さんすごい気迫だったんでおコメがよっぽど気に入ってくれたみたいですね。あとは、なんどか他のものを登録したことがあったので話を聞いてもらいやすかったのかもしれません。」
テス「他にも登録を?食品関係かい?」
「はい、スパイスミックスとか、サンドイッチとかですね。」
テス「あれを君が!?それはギルド員も本気になるはずだ・・・・・。」
「そうなんですかね?知り合いのギルド員さんはいつも話を真剣に聞いてくれるし、他にも相談に乗ってくれたりすごく良い人ですよ?」
テス「そうなのか・・・・ちなみにその人の名前を聞いても?」
「ポルモットさんですよ、他にも何人かいますけど。いまはコメ担当になって走りまわっているって聞いてます。」
テス「!!!!納得だ・・・・。いやあ、ここまで大事になるとは。」
「本当にそうですよね、私もびっくりです。」
テス「なんにせよ君のお陰でうちは大繁盛だよ、ありがとう。」
「良かったです、これでお互い得しかないですね。じゃあ今日もいつものやつ下さい!」
テス「はいよ、こちらの得がだいぶん大きくなってしまったけどね。はい、おまけで多くしといたよ。いつもありがとうね。」
「わーい、ありがとうございます。また来ますねえー」
テス「毎度ありがとう、まっているよ。」
機嫌よく店を出る
もうすでにレーベルでもコメは買えるのだが、モンスロスで他の買い物もしたいので
わざわざここに買いに来ている
レーベルの人にもおコメ食べて欲しいしね
この日もモンスロスでたくさん買い物をしてから帰った
町で買えるものが違うので来る意味があるよね
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その半年後
おコメが普及し始めて半年がたった
近くの飲食店でもお米料理が見られるようになってきた
順調に広がっているみたいだ
良いことだ!!
ある日、ダンギルマスといつものお昼ご飯をたべていると
ギルマス「お前、最近コメを広めたか?」
バレたか
「最近かどうかはわかりませんけど、いくつか商品登録しました。」
ギルマス「やっぱりか、どうりで最近店でも見るようになったと思ったんだ。」
「そうですよね!みんな色んな物を乗せて丼にしててすごく美味しそうですー。」
お店の料理人さんも色々と工夫して出しているのだ、良い事だ
ギルマス「それでもお前の作るやつが一番美味いけどな。」
おお、素直だ。でもそれも当然なのだなぜなら醤油を使っているのだから
「私のはちょっと特殊な調味料を使ってますからねえ。」
ギルマス「は?お前まだ何か隠してるのか?」
「いや、人聞きが悪いですね。隠してるんじゃなくて出してないだけです。」
ギルマス「どっちも一緒だよ、で?何を隠してんだ?」
「だから別に隠してるわけじゃなくって、ていうか世界中探せばありそうですけどね?」
ギルマス「そうなのか?どんなものなんだ?」
「うーん、調味料って地域特有のものとかあるもんじゃないですか、それと一緒だと思います。私が作って使っているのは醤油っていう豆を発酵させてつくるものです。」
ギルマス「はっこう?ってなんだ?」
「説明がむずかしいですね、例えばお酒とかも発酵させてアルコールが発生するじゃないですか、それと同じようなことです。」
ギルマス「酒と一緒?ますます理解できんな・・・・あ、でも確か料理に酒を使ってたな?」
「そうです、発酵食品って旨味があるんですよね。ひとが美味しいって感じる元が多いというかなんといか。」
ギルマス「じゃあ、誰かがこの料理の真似をしようと思っても難しいってことか?」
「いえ、同じ調味料を使えば難しくは無い気がしますけど。」
ギルマス「ええ?同じ調味料がないなら無理だろう。俺はこの味を食べたくなったらどうしたらいいんだ?」
「ははははは、すっかり餌付けされちゃいまいた?」
ギルマス「ああ、どうしてくれんだ。責任取ってくれよ。」
「うーん、じゃあ醤油の作り方教えましょうか?」
ギルマス「は?秘密じゃないのか?」
「いえ、別にそういうわけじゃ。醤油は好き嫌い別れるものなんです、上手く使えば美味しいですけど。なによりギルド登録しすぎているんで自重してるんです。」
ギルマス「これで自重かよ、まあいいわ。じゃあうちの嫁に教えてくれねえか?」
「ギルマスの奥さんに?いいですよ、ギルマスの奥さんも私の味付け好きですよね。やっぱり夫婦って味覚が似るのかな?」
ギルマス「確かにな、嫁も元冒険者だからな味の濃いモノとか肉が好きなんだ」
「元冒険者!それで結婚したんですか?わあ素敵ー。意外だなあー」
ギルマス「素敵か?ずっと一緒だったからな。腐れ縁みたいなもんだ。」
そう言ったギルマスは笑っていたので、素直じゃないなあって思った
後日、ギルマスの家にお邪魔して
料理のレシピとか醤油の仕込み方を教えた、半年から一年はかかると言ったらびっくりしていた
ギルマスの奥さんは可愛い系の綺麗なひとで
料理のレシピをたまにギルマス経由で渡したりしていたけども
はじめて会って、ギルマスとお似合いだなって改めて思った
ギルマスの事を話す奥さんは楽しそうだったし
ギルマスが好きな料理を手間をかけて作ろうとしているのは愛情だなって思ったからだ
奥さんがすごく食いしん坊だってのもあるかもしれないけど ふふふふ
醤油に関しては秘密ではないので誰かに教えても
ギルド登録してもらっても構わないと言っておいた
買えるようになるなら私もうれしい
私は登録するつもりがないのであとはお任せします、と投げておいた
なんかごめんなさい。
あとはギルマスと話し合って決めて欲しい
こうして醤油の伝授は終わった
きっと、私がいなくなってもギルマスには奥さんが作ってくれるだろう
これで安心だね
ありがとござした!




