お米を普及したい
お米の精米機を見せるためにギルギスさんの後ろについて歩く
到着したのは倉庫らしきところだ
ギルギス「さあ、ここならいいだろう。出してくれ」
「はい。」
ここなら大丈夫そうだ、自分がいつも使っている精米機を出す
「こっちがもみ殻を取るもので、こっちがヌカを取るものです。」
2台の魔道具を出す
ギルギス「思ったより大きいな、機構を説明してくれ」
「はい、こっちは2本のローラーを違う速度で回転させて・・・・・・。」
2台の魔道具を説明していく
中がどういう動きをしているのか、どういう回路でどういった動きになっているのか
かなり細かく説明したがギルギスさんは相槌はうちつつも最後まで聞いてくれた
「・・・・とまあ、こんな感じです。風の魔石で稼働できます。」
ギルギス「なるほどな、コレを君が開発から制作まですべて行ったと?」
「はい、無かったので作りました。小さなものも作ったんですけど効率が悪すぎたので魔石の消費が激しくなっても大きいものを作り直しました。」
ギルギス「なるほどな、大きいほど消費効率は落ちるものだ。よく考えられた大きさだ。」
「あと2台にわけたのはこっちのもみ殻も、こっちのヌカも農業などで使えますのであえて分けてあります。」
ポルモット「なんと!それは本当ですか?」
「はい、土壌改良とか、土をふかふかにしてくれますし、灰にして混ぜ込んでもいいですよ。ヌカも同じような使い方もできますし、鳥のエサにもなりますね。私はいつも畑につかっています。」
ポルモット「それは素晴らしいですね、捨てる所などないじゃないですか・・・。」
「そうですね、コメはすごいんです」
ギルギス「わかった。ポルモットこの魔道具は急ぎでいくつか作らせる。仕様書は頼んでいいか?あとはコメの確保とセイマイが出来る場所の確保、いっそコメ担当を作るべきでは?農業に通じている者もいたはずだろう、全員集合させよう、俺はギルドマスターの所へ行ってくる。会議室に集合だ。」
ポルモット「はい!かしこまりました。すぐに動きましょう。アルノーラさんこちらの魔道具は少しお借りしても?」
「はい、どうぞ。」
ポルモット「ありがとうございます。ではこちらにどうぞ、すべての魔道具の仕様書、コメの料理などすべて仕様書にまとめてしまいましょう。」
「あ、はい。」
ポルモットさんについて歩いていく
コレはすごい事になってきた・・・・・
大きな会議室について、紙をたくさん渡された
ポルモット「では、こちらで出せるだけ書いてくださいね。私は担当各所を集めてまいります。」
「あ、はい。」
とりあえず、魔道具の仕様書から書くことにする
そんなに複雑では無いけど、2台分だしコレが完成しないと精米できないからね
コンコンコン 「あ、はい。」
「失礼する」 すごくダンディーな人が入ってきた
「はじめまして、私はここのギルドマスターガゼテロだよろしく頼む」
握手を求められた、強い
「あ、よろしくお願いします。アルノーラです。」
ガゼテロ「なんでもコメの良い活用方法と食べ方を教えに来てくれたとか?」
「あ、はい。今、仕様書を書いてまして。」
コンコンコン「失礼します」 今度は女性が入って来た
「はじめまして、副ギルドマスターノーラリエです。よろしくお願いいたします。」
「あ、はじめまして、よろしくお願いします。アルノーラです。」
こちらとも握手をする
ガゼテロ「どうも急ぎなんだ仕様書を書きながら話を聞こうじゃないか。」
ノーラリエ「はい、そうですね。仕様書の方ものぞかせて頂きますね。」
めちゃくちゃグイグイくるなあ
まあ、早く書かないといけないしいいか
「はい、じゃあ書いていきます。何か聞きたいことがあれば質問してもらえれば・・・。」
魔道具の仕様書を書きながら話を聞く
ガゼテロ「じゃあさっそく、いま書いているのは魔道具だね?」
「はい、コメには表皮があるのでそれを取るための魔道具です。」
ノーラリエ「なるほど、ではそれが農業の肥料になるという話ですね。」
「はい、もう聞いていたんですね。その通りです、土に混ぜればいい肥料にもなります。」
ガゼテロ「なんだ情報がはやいな、ではその魔道具は複雑かね?もしくは作るのに費用がたくさんかかるとかでは?」
「いえ?比較的簡単な機構ですよ、ギルギスさんに説明したら作れるって言ってましたし。費用はそんなに高いとは思いませんが稼働に風の魔石を使用しますのでそれなりに維持費はかかるかと思います。」
ノーラリエ「なるほど。では風の魔石を増産ですね。」
「はい、あとは、魔道具が大きいので場所をそれなりに取るかと思います。あ!そうだ言い忘れていたんですが、精米してからだと保存できる期間が短くなるんです。だからできるだけ食べる直前に精米したほうが良いかと思います。」
ガゼテロ「なるほど、では売りに出す近くに工場を設ける必要があるな、ポルモットに伝えよう。」
その後も質問攻めにあいながらも、仕様書を書き続けた
「ふう、こんなもんかな?」
ガゼテロ「お疲れさま、まあ一息つきなさい。」
「ありがとうございます。」 入れて貰った紅茶をやっと飲む
仕様書を書いている間にも会議室には次々に人が集まり席はすべて埋まっていた
ガゼテロ「では、まとめる事にしようか。みんな少し話を聞いてくれ。今日は大きなチャンスが来たぜひみんなの力でつかみ取ろうじゃないか。ポルモット君はしばらくの間コメ担当になり各方面との連携の橋渡しを頼む。」
ポルモット「はい、承りました。」
ガゼテロ「魔道具はギルギス、君に頼んだ。各方面への運搬などはポルモットを通して手配してくれ。」
ギルギス「はい。」
ガゼテロ「ノーラリエ、君は全体のカバーをしつつ農業関係者とのやり取りを頼む。」
ノーラリエ「はい、かしこまりました。」
ガゼテロ「各担当の下に着くもの達はしっかり支えてやってくれ、商業ギルドの威信にかけて流通させてみせよう。さあ、みんなの力を見せてくれ!」
「「「「「はい!!」」」」
すごい気迫だ・・・・・・。嬉しいが少し怖い
ガゼテロ「さあ、君とは利益率について話をしようじゃないか」
ギルド員たちが会議室から出ていくのとは反対にギルマスは隣に来た
「あ、利益率のことなんですけど。」
ガゼテロ「ああ、希望を聞こうじゃないか」
「私はゼロでいいです」
「「「「は?」」」」
一緒にいたギルマスも、ポルモットさんも、副ギルマスも、ギルギスさんも
みんなが止まってしまった
「あの、私。本当にコメが流通してほしいだけなんです。どこでも買えるようになったらいいなあって。」
ガゼテロ「それでもいくらなんでもゼロは・・・。」
すんごくあきれた顔をされる
そんなにか・・・・。
「じゃあ、こんなのはどうでしょうか?コメに関する今回登録したものはすべて一番小さい利率でいいんです、それを国内すべての孤児院に寄付します。商業ギルドから、できませんか?」
ガゼテロ「それは可能だが・・・・。」
「ではそれで!!で、コメを食べれば孤児院への寄付にもなるって宣伝するんです。どうですか?」
・・・・・・・・・。
みんなが黙ってしまった・・・。どうしよう・・・。
「あの、駄目ですか?」
ガゼテロ「いや、素晴らしい考えだ。感動した。君が望むならそうしよう。」
「わあ!ありがとうございます。」
ポルモット「今日はありがとうございました。長く拘束してしまい申し訳ありませんでした。またお時間がある時にコメの調理を実践してくれませんか?」
「はい、ではまた明日来ます。ありがとうございました。」
お辞儀をして会議室を出る
はあ、すごいスピード感だった
商業ギルド員ってみんなすごいんだなあ
明日のコメ料理は何を作って見せようか
そんな事を考えながら家に帰った
ありがとござした!




