薬草もとめてどこまでも
ギルドマスターから地図をもらって他の土地への欲求が大きくなってきてしまった
なので、貰った地図を充実させようと探検してはいろいろと書きこんでいっている
だいたいは薬草の群生地だけど
あとは小さな川とか、目印になるような岩
探検するうちに気づいたことはこの辺は比較的平和だ
山側はちょっとべつだけど
前に倒したゴブリンの集落はけっこう稀なことで
そんなしょっちゅうあるものでもないみたいだ
現にあれからはあらわれてないわけで
ギルマスいわくちゃんと間引きができていれば集落ができることは少ない
とのこと
なるほど、見つけたら狩る。これが大事
なので、ゴブリンとオークは遭遇したら狩るようにしている
ギルマスの話を聞いてますます山の向こう側へ興味がわいたので
もっぱら山の攻略を試みている
でもちょっと問題もでてきた
山には毒持ち、麻痺持ちの魔物がいるのだ
初めて出会ったときはバリアで防御して防いだ
でも戦うってなるとずっとバリアってわけにはいかないし
もしも状態異常になってしまうと一人では危険すぎる
なのでいったん攻略は中止して、解毒、解麻痺のポーションを作ることから始めることにした
でもなー
解毒、解麻痺。両方用意するの邪魔じゃない?ってなった
なので全部の状態異常を解除できる「万能薬」なるものを
作ってみようかと
作り方は学校の本で勉強済みだ
ただ、めちゃくちゃたくさんの薬草が必要
それを見つけて集める為に走りまわっていた、おかげでこの周辺の地図はかなり充実してきた
薬草もかなり集まってきている
でも一個見つからない薬草があって・・・・
なんちゃらって木の下にはえるそうで、その木ってこのへんで見たことなくて
しょうがなくいろんなところを走り回ってその木を探している
平原には低級ポーションの薬草くらいしか生えてないから
やっぱり山か森だなと、目星をつけているけど
まだ見つけられていない。
やっぱりこの辺にはないのだろう
もっと遠出してみるか、と
今日は山のふもとをぐるっと迂回するルートを走っている
とりあえず行けるとこまで、夕方には町に帰ってこれる距離を考えて走り続けている
だんだん見たことのない木も増えて来た
ちょっとスピードを落として、お目当ての木がないか探す
葉っぱの形がちょっと特徴的でイチョウみたいな形なんだよねえ
「あ、あの木見たことないな」
近づいて見て見るとビンゴだ、イチョウみたいな形
「このへんに生えてるはずだけど、ないかなあ?」
しゃがんで探す、うーん。これは違う、これも、これも違う
探しまわりやっとそれらしい草をみつける「これかな?」
「鑑定」 「レーニン草、万能薬の材料になる」
おお、見っけた!これがそーなのかあ
なんか周りの草とそんなに変わらないんだけど、見つけにくすぎる
ガサガサ バキッバキバキ
何かをなぎ倒す音が聞こえてくる
探知には大きな反応 一体なにが来る?とかまえる
目線の先には デッカイ ヘビ
「で、でかあーーーーーー。」
見たことないぐらいデッカイ あ、、目があった
完全にロックオンだ とりあえず離れるか、薬草がつぶれる
そう思って走りだす 「はやっ」
ヘビって移動早いよね デカいからだを器用にくねらせて追ってくる
ヘビって嫌いじゃないけど こんだけデカいとちょっとどうしていいかわかんないや
追ってきてうざいのでとりあえず土壁で進路をふさいでみる
ゴゴゴオゴ 5メートルくらいの土壁を作った
ニョロっと乗り越えてくる
「えええーーーーそうなる?」 弓をかまえて目をねらう
バシュッ バキッ
目には当たらずに 顔に当たったけど 弓ははじかれる
「はあーやっぱり硬いか。じゃもいっちょ」
バシュッ ドッ 「ギシャァァッァ」
目のそばに矢が刺さった 魔力を付与すれば刺ささるか・・・・
なら切れないこともないか
でも、あの巨体に近づいていけるか?
ヘビはめっちゃ怒ってしまったようだ 「そりゃ怒るか」
うーん 逃げながら考える
動きを遅くしたい ヘビ 爬虫類・・・・・ 「これだ」
振り向いて 地面に手ついて一気に凍らせた パキパキパキッ
地面も木も凍っていく、ついでに氷塊も出してヘビの周りをおおっていく
「シャアアアア、シュルシュル」 嫌がっているし 鈍くなった
よし、もうちょいだ 「ブリザード」 氷と雪を上から降らせる
完全に動きが緩慢になった 「よっし」
走って距離を詰めていく ヘビはのろのろとしつつも
大口を開けて迫ってくる
ひきつけるだけひきつけて 寸前でバック宙
まっすぐ進んでいく大きな首を下にみながら 魔力をこめた双剣をクロスで切りつける
首が半分ほど切れた
ヘビは前に進む勢いをそのままに 地面を滑ってしばらく進んで止まった
でも、体はうねうねと動いて 意思があるのかないのか
苦しんでいるようにしばらく動き続けている
頭に近づいて 首を完全に切る
でも体はしばらく動いていた・・・・
「ヘビ、怖すぎんだけど。切ってもしばらく動くって聞いたことあるけど・・・。」
こんなに動くもんなのか。 こわ
ちょっと動いている間は近づきたくないので
薬草の場所に戻って しばらく薬草をつんで戻る
さすがに動きを止めて 静かに横たわるヘビ
改めて見てもデカい 10メートル以上20?あるかな?
そんな感じだ
鱗は黒っぽい緑ですごくキレイだ
何年生きたらこんなにでっかくなるんだろうか 異世界不思議
収納にはいるもんかな?と、ずるずる入れたら入った
魔力増えてきてるし容量も増えているのかもしれない ラッキー
かなり遠くまで来てしまったから
いそいで早く帰らないと! 全速力で町に走りだす
襲われたから狩ったけど、これもしかしたらギルマスに怒られるか?
ちょっと冷静になって ヤバいかもってなった・・・・
めちゃくちゃダッシュで帰ってきて、夕方ぎりぎりだ セーフ
とりあえず遅くなるともっと怒られるので早く報告することにする
受付のお姉さんに「おっきいヘビを狩ったのでギルマスにもみて欲しい」
と報告するとすっ飛んでいった
私は倉庫で待つことにする
うーん怒るかな? でもな襲われただけだしな・・・・
ギルマスとお姉さんが来た
ギルマス「で?でっけーヘビだって?なにやってんだ。出してみろ」
「いや、襲われたんでしかたなく・・・・。」
ちょっとびくびくしながら出していく
ズルズル ズルズル ズルズル 「おいおいおいおいおい、どんだけでけえんだ・・・」
最後に頭を出す ドスンッ はあ、重労働だ
みんな固まってしまった だから言ったじゃん デッカイって
ギルマス「・・・・お前、これはどこで?」
「あっちです、山沿いにずっとむこう」
ギルマス「・・・・そりゃもう隣領じゃねえか?もしかして山の麓のバルキスの森か?」
「いや、わかんないです。たぶんこの辺です。」
貰った地図を取り出してだいたいの場所を指さす
ギルマス「・・・やっぱな、これは隣領でバルキスの森だ。人なんてほとんど入らねえ、危険だからだ。そんなところでなにやってんだ?」
「ほしい薬草があって、探してたんです。そしたらたまたまここにあって。」
ギルマス「そりゃ人が入らない森なら薬草もたんまりあんだろうな・・・・・。」
「はい、いっぱいとれました。」
ギルマス「わかった、わかったが、あぶない所にホイホイ行くな心配すんだろうが。で?なんの薬草取ってきたんだ?」
「レーニン草っていう万能薬の材料です。」
ギルマス「ばっ、ば、万能薬・・・・・・。」
ついに頭を抱えてしまった
怒られるだろうか・・・。
ギルマス「万能薬は市場で出回るもんじゃねえ。人前に出すなよ、わかったか?あと、今回みたいに逐一報告だ。わかったら帰ってよし。こいつは解体して売却でいいんだろ?」
「はい、・・・・・怒らないんですか?」
ギルマス「お前は怒ろうが注意しようが行くだろうが。実力は知ってるからな、今回も信じらんねえことに傷もない。だからちゃんと報告すんなら怒ったりしねえよ、だから毎回無傷で帰ってこいよ。」
言いながら頭をガシガシとなでられる 痛い
でも、なんか嬉しかった
「はい!じゃ、またあした!!」
走ってギルドを出ていく なんか認められたみたいでくすぐったいな
今日は美味しいものたべよう!! そんで明日ギルマスにも持っていこう!
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受付「ギルマス、良かったんですか?とんでもないですよ?これ」
ギルマス「言ったろ、注意しても止まるもんでもねえんだよ。しかもみて見ろよこれ、普通のやつがこんな太い首が切れるかよ、実力だけ見るならAランクだぜアイツは。他に攻撃した場所も見当たらねえ、この目元の矢だけじゃねえか?まったくバケモンだぜ。」
受付「確かに・・・・・それにこのヘビは一体?」
ギルマス「こいつはグラトニースネーク、なんでも食うなんでも食ってどこまでもデカくなる大型魔物だこれでも中型くらいじゃねえかな、そんでもデカいけどな。こいつの皮は高く売れるぞ、ギルドが大儲けだ。」
受付「これで中型・・・・・・。彼女は将来Sランクですね。」
ギルマス「そうだなあ、まだ子供のままでいいんだけどなあ・・・。」
ありがとござした!




