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工房からの指名依頼

ジャム事変からは特にこれと言って問題もなく過ごしています

あれからシャール一家とはすごく仲良くしてもらっていて

買い物に行けば旬のもの教えてくれたり、おまけをしてくれたりして

すごく嬉しい

こういうの、こういうのでいいんだ

ちょっとした毎日のなかの幸せ、これがいい


そんな時に指名依頼がはいった、しかも魔道工房からだ

たしか一年前くらいに行ったなー、懐かしい

急ぎでの指名依頼らしいのでさっそく行く


コンコンコン「こんにちはー、依頼できましたー」

ドタドタドタ すごい足音と共に玄関が開かれる

タルパ「おお!まっていたぞ!元気か?」

「お久しぶりです、元気ですよ。指名依頼ありがとうございます。」

タルパ「ああ、じつは困っててな。最近できた魔道具が複雑でな生産が間に合わないんだ。だからできる限り手伝って欲しいんだが・・・・。」

「わかりました!夕方までなら大丈夫ですよ。」

タルパ「おお!助かる!魔道回路が複雑でな、まったく追い付かんのだ。」


話を聞きながら移動して、魔道回路の部屋へつく

入れば2人が作業をしているがすごく真剣な顔なので会釈だけしておく


タルパ「これだ、なかなかに複雑だろう?制作者泣かせにもほどがあるぜ。」

「はあーーーなるほどなるほど・・・・・・?これもしかして洗濯機?」

タルパ「知っているのか!?最近登録されたんだがな、高額にもかかわらずバカ売れらしい、だがこんだけ難しいと作る者も限られるし、生産がぜんぜん間に合ってないんだ。」


なんてことだ・・・・・ふふふふ。

こんな形で再会するなんて・・・・


「ふふふふふ、すっごくいい魔道回路ですね。がんばって作ります。」

タルパ「ああ、頼む。俺もここで作るから、わからんことがあったら聞いてくれ。」

「わかりました。」


そう言ってさっそく作業に入る

仕様書の魔道回路はよくみたものだ、実際には引いたことはないけど

なんかもう感無量だ、うれしいやら、恥ずかしいやら・・・・

先生が完成してくれたものを改めて作れるなんて


そう、ここ、ここがめっちゃ難しいんだよね

でもどうしてもギリギリをせめないとダメなんだよね


作業しながらニコニコしちゃうな・・・・・


時間をかけて一個目を完成させて見てもらう


タルパ「一つ目で完成させるとは、さすがだな・・・・・。綺麗なもんだ、そのまま頑張ってくれ。」


「はい」


失敗することなく完成させることができた

しばらくやっていなかったから不安だったけど大丈夫そうだ


やっぱりすごく楽しい、加工って最高だ


そのまま集中して、最終的に3つ完成させた


タルパ「いやあ、さすがだ。このまま何日か手伝ってほしいんだがどうだ?」


「はい、わかりました。明日もできるだけ早く来ますね。」


タルパ「ほんとか?助かる、じゃあまた明日な」


次の日も来ることを約束して帰る

久しぶりの加工、楽しかったーーーー



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


アルノーラが帰った後の魔道工房は盛り上がっていた


「見て下さいよ!これ!ミスなしですよ!!こんな細かいところまで・・・・。」


タルパ「ああ、最初から失敗しないどころかこの美しさだ。間違いなく天才だぞ。」


「いやあ、俺が若かったら嫁にほしいです。」



「「駄目に決まってんだろう!!!」」


「そんな怒鳴らなくてもー」


タルパ「手をだすんじゃねえぞ、来てくれなくなったらどうすんだ。」


その後も回路をみてお酒を飲み盛り上がった


約1年ぶりに見たアルノーラは成長していた

彼女は絶対美人になるだろう、俺の息子の嫁に

いや、俺の養子に

いや、やっぱり嫁に。なんてやり取りは遅くまでつづいた


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


翌日も魔道工房を訪れて作業をした


洗濯機の回路は多くて複雑、加工職人泣かせだと言っていた


それでもフィク先生が描いてくれた魔道回路は綺麗で無駄がないなと思った


私がやったのは、必要な魔道回路を書き出して行っただけだ

これから組み合わせたり、並べたりして、上手く作動するところまでもって行きたかったのだ


私がした箇条書きを先生が頑張って読み解いてくれたんだろう

自分でやっていたら卒業まで間に合っていなかっただろうな、と

改めて思う


誰かが考えた魔道具がこうやって作られて売られていく

こうして生活が豊かになっていくんだろう

生活で使える魔道具っていいな、そう思った


何個も作っていくうちにコツをつかんでもう少し早く仕上げられるようになった


ああ、この没頭する感じ。良い

ゾーンに入るとでも言うんだろうな


音も消えて、目の前だけ。この感覚が好きで止められないんだ



今日も夕方まで没頭して作業が出来た

良い時間でした


タルパさんに感謝されて、また明日も来ますねと言って帰る


加工の指名依頼さいこう。

下水掃除とはぜんぜん違うや  ふふふ



こうして、毎日工房に通って回路を引きまくり


7日が経った


そこでやっと生産が追いついたという

あと一日だけ手伝って今回の指名依頼は終わりだそうだ


そうか、もう終わっちゃうのか・・・・

少し寂しく思いながらも最終日になった


この日も夕方まで作業して


帰る時にタルパさんが手作りの髪留めをくれた

かわいらしい花の髪飾りだ


タルパ「ほんとに助かった、これは手慰めに作ったもんだが貰ってくれ。せっかく髪が伸びたんだこれでもつけておしゃれしてくれ、また困ったときは指名依頼させてもらうな。」


「すごく可愛いですね、ありがとうございます。大事にします。」

タルパさんの見た目からは想像もできないくらい可愛い髪留め

ビックリしたが、断るのも違うと思って素直に貰った



工房からの帰り道で

たしかに髪が伸びたと思った

いつも適当に肩についたら切っていた

いまは肩を過ぎて背中まで伸びていた


家について、ギルマスからもらった鏡を見て見る

髪をまとめて留めて見た


うんすごく可愛い・・・・・


こんな事もしていなかったなーと

改めて思った

前世でもオシャレにはさほど興味はなかったけど

髪をまとめたり、髪留めを付けたりはしていたな。と思った


日常使いはしないだろうけど、大事にしようと思った

だってすごく可愛すぎるんだもん  ふふふ

ありがとござした!

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