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リンゴンはりんごみたいな果物です

リンゴンジャムを商品登録した次の日

家事を終わらせてすこし雑用をしたあとに

シャールの様子を見に行ったのだけど・・・・・


もうすごい事になっていた


ジャムを求めて並ぶ列に、客を捌く為に走りまわるパパさんとシャール


これは・・・・想像以上です。


コレは生産が追い付かないのでは?と思い

キッチンへ向かうと戦場と化していた・・・・・。

こいつはマズイ


「手伝います!!」


シャール母「ああ!助かるよ!」


そこからはひたすら刻んで鍋にぶち込む

焦げつかないように見張りをギルド員さんにまかせて

仕上がったジャムを冷却して、店頭に運ぶ

量り売りが好調でかなり売れているみたいだ


作ったら作った分だけ売れる

そんな感じだ


昼を過ぎて少し落ち着いたので交代で休憩を取ることに


鍋の火を見つつ昼食を取ったりした

ずっと販売していたシャールとも交代して休憩してもらった


行列こそなくなったものの、それでもちらほら買いにくる


町中の人が買いに来てる?そう思うほどだ


みんなには「おいしいポーション」を差し入れしておいた

なんかほんとごめんなさい


そしてついにもうすぐ夕方だ、という時間に売り切れた

売り切ったのだ  すごい

部屋中にあったリンゴンはキレイになくなり

残ったのは燃え尽きた従業員たち


本当にお疲れさまでした


シャール母「手伝ってくれてありがとうねえ、アルノーラちゃんが居なかったら捌き切れなかったよ。本当に助かったよー。」

疲れた顔でお礼を言ってくれるママさん


「いえ、こんなにすごいとは思わず・・・・来るのが遅れてすみません。」

シャール「来てくれただけ助かったよーほんと、ジャムを並べ出したとたんにすごかったんだから。」

シャール父「いや本当に助かった。救世主だ。」

みんな疲れているが、やり切った感のあるいい顔だ 


「明日はもうちょっとマシになるかなあ?さすがに、ご近所さんは全員来た感じがするもんねー」

シャール「確かに、顔見知りは全員見た気がするよ。マリーのお母さんも来てたよ。」

「え?ほんとに?見たかったなあ。」



なんて、ちょっと雑談をして帰った

疲れてたもんね早く休んでほしい

明日はもう少し早めにいく事にしよう




翌日、朝のルーティンを終わらせたらすぐに向かう


さすがに店の前はまばらだった

「おはよう、どう?調子は?」

シャール「おはよう、まだ大丈夫だよ。たまに買いに来てくれるくらい。」

「今日もどれだけくるかわかんないもんね、いっぱい作っておくよ」

シャール「ふふふ、頑張ろうね」

「うん、手伝ってくるね」


そう言ってキッチンへ向かう

部屋中にリンゴはあるけど、まだ余裕をもって仕込み作業をしている

「おはようございます。」

シャール母「ああ、おはよう。手伝ってくれるのかい?」

「はい、混む前にたくさん仕込んでおきましょう」

シャール母「そうだね、頑張ろうね」


そう言ってリンゴンを刻みはじめる

今日はどれくらい売れるんだろうか?みたいな会話をギルド員さんと

シャールママと雑談しながら作業をする

昼が近づいてだんだんお客さんが増えてきたみたいだ

どうやらすでにリピートのお客さんがいるらしい

瓶小を買って帰り「ぜんぜん足りない!」となってリピートしに来てくれているみたいだ

みんな大きな瓶を持参で来てくれている


午前中にたくさん仕込んでおいたので、キッチンは大丈夫だということで

販売にひとり回ってもらった

ずっとジャムを作っているから自分が甘くなってきた気がする


順調にジャムを作りつつ

シャールママさんと話しをしていると

どうやらさすがにリンゴンが品切れも近いらしい

明日の入荷で底をつきそうだと、商業ギルドから連絡があったらしい

ここら辺の廃棄リンゴンはすべてジャムに変わってしまったらしい

おそろしや


そのことを看板にして宣伝しておかないと

暴動がおきてしまうんじゃないんだろうか?と、いうと

「まさかあ・・・・・。」と返事が返ってきたものの

一応出しておこうか・・・・。となった


その後も順調に売れていき昼過ぎには完売だ


明日の話になったけど、今日よりは少ない入荷になるから

あとは自分たちで頑張るよ、と言っていた

まあ、3日目になればさすがに大丈夫だろうと思い

「わかりました」といっておいた

様子だけ見に来て、忙しそうだったら勝手に手伝おうとは思っていた うん


その後は廃棄リンゴンが尽きたあとの話になった

そもそも廃棄リンゴンが安く手に入るからこの値段で売れているわけで

普通に売っているリンゴンで作るとなると値段が跳ね上がる

たぶん、倍くらいにはなるかな


だからそうなってくると、わざわざジャムで食べるかな?と思う


欲しいっていう人がいれば受注生産とかでいいんじゃないだろうか?

と、提案しておいた

かなりお高くなるだろうけど



そこで話は終わり

明日はがんばってねーと手を振ってバイバイした


明日は明日でもう買えなくなるって言って

駆け込み需要があるだろうな・・・・・。


まさかこの辺の廃棄リンゴンを全て売りつくすとは・・・・。


想像以上でした・・・



翌日に青果店を見に行くと

お客さんは多くはないものの、やはりもう買えなくなるということで

リピートのリピートが来ているみたいだった


よほどドはまりしている人がいるみたいだ

美味しいもんねジャム

私はもちろんキープしてあるよ。自分ようだ

甘いものが食べたい時あるよねーーーーー


自分が巻き起こしたブームだったけど、終わりがあって良かった・・・・

コレがずっと続くようならシャール一家に土下座案件だったわ・・・・。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


シャール一家 視点


パパが美味しくないリンゴンを大量に仕入れて来た

農家さんが困っていたし・・・食べれないこともないし・・・、と

そんな感じで、ママを怒らせていた

優しいパパは好きだけど、ママを困らせないで欲しい・・・。

店頭に積んでみたけど、やっぱり売れない


その翌日にアルノーラが買い物に来てくれた、しかもリンゴンを買うという

美味しくできるかもしれないから、とたくさん買ってくれた

本当かな?とは思いつつもアルノーラなら何か本当にやってくれるかもしれないと思った


翌日アルノーラが「ジャム」と言うものを持って来てくれた、パンに塗って食べるらしい

一口食べてびっくりした、甘くて、すごく美味しい

あのリンゴンから作ったとは思えなかった


すぐにママとパパにも食べて貰った、2人も大絶賛だ

そこからの動きは早かった、ママに作り方を教えたらパパを連れて商品登録に向かった

私は店番として残っていた

しばらくして帰ってきたら、ママと大量にジャムを作って瓶に詰めて

「さあ、売るよ。呼び込み頑張って」と言われてビックリした

呼び込みなんてしたことないけど、勇気をだしてやってみる、試食を渡すとすぐに買うと言ってくれた

アルノーラの言う通りだった、その後も試食を食べたひとはみんな買ってくれた

すごいひとはいくつも買ってくれて、あっという間に完売した


疲れたけど、すごく楽しかった


明日からは商業ギルドからお手伝いも来てくれるらしい、すごい事になって来た

アルノーラにママがお礼をしたいというと「友達でいてくれるだけで嬉しい」って

すごく嬉しくって「ずっと友達だよ」って言った



次の日はもっとすごかった、キッチンにパンパンに積まれたリンゴン

お手伝いに来てくれた人と大量に作ったジャムは並べた瞬間から飛ぶように売れた

瓶が足りないので量り売りもしているというと、たくさんの人が容器を持って来てくれた


完成した鍋が届くたびに飛ぶように売れた

そして夕方には全部完売だ・・・・・すごかった


その日もアルノーラは手伝いに来てくれたんだけど

アルノーラの働きっぷりもすごかった、キッチンも販売も手伝ってくれて

ママがアルノーラちゃんが居なかったら危なかったと言っていた。すごい


その次の日もすごく売れたけど客足も落ち着いて来ていた

どうも2回目3回目を買いに来てくれているみたいだ、おいしいもんねえ

この日もアルノーラが手伝いに来てくれた、すごく助かる

その日も夕方までには完売だった


でも、明日のぶんでリンゴンがもう尽きてしまうらしい

すごい、なくなるぐらい売れたのか・・・・・あと一日頑張ろう


翌日もたくさん売れたけど昨日ほどじゃなかった

買いに来てくれるほとんどがリピート買いだったと思う

瓶よりみんな容器持参だったからだ

この日も完売した・・・・すごかった


お手伝いに来てくれたギルド員さんにお礼を言って閉店した


お店を閉めたあとにパパとママが、アルノーラちゃんにお礼をしたいと言い出した

私は困った・・・・、きっと金銭的なモノも受け取ってくれないだろうし

アルノーラは自分でお金を稼いでいるから、欲しいものも自分で買える、そう説明すると

両親は困ってしまった。そうだよね私も困った


なので提案した、アルノーラは食べるのが好きで旬の野菜とか果物が好きだから

季節がきたら進めたりおまけしてあげるとすごく喜ぶんだということ

アルノーラはそういう子で。これからも仲良くしたいから、ちょっと安くしてあげたり

それぐらいでちょっとずつ返していきたいなって


両親はすごく悩んでいたけど、私が言うならと納得してくれた

もし、アルノーラが困っていたら家族全員で助けてあげような、と約束をした

それには大賛成だ、だって友達だもん。





シャールは知らない話だが、シャール一家は金銭的に少し困っていた

そこにいきなり現れたアルノーラというシャールの友達

ジャムというものを持って現れ、店を一瞬で立て直してくれた

夫婦はいったいどうやって恩を返せばいいか悩んだ、しかも

「シャールが友達でいてくれるだけでいい」なんて言ってくれた

涙がでそうだった・・・・・・


何か恩返ししたいとシャールに話したが、きっとなにも受け取ってくれないだろうと言う

ただ、ちょっと旬を教えたりおまけしたりでいいんだと言う

なんて難しい子供だ・・・・もう逆に笑えて来た

大きな借りが出来てしまったが、そんなものはもう関係ない

彼女が困っていたら家族全員で助けよう、そう話あった

シャールには最強の友達がいるようだ、なんて幸せなことだ

ありがとござした!

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