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みんなの進路とシャールの青果店

下水掃除の指名依頼が終わり数日後には報酬が支払われた

金貨3000枚、すごい金額だ

でも無駄づかいはしないように、食べたいものの為に頑張る

これを信条にやっていく


それから間もなく、一才年を取り

私は9才、妹は6才の2年生、姉は10才だ

かつての幼年学校で同級生だった友達も卒業してそれぞれに進学したり

就職したりしてるみたいだ

なんとマリーは魔法高等学校に行く事になったらしい

火魔法は学校で一番上手だと言われるくらいにはすごいらしい

次に会うのが楽しみだ


シャールは学校には行かず実家の青果店を手伝いし

いつかは青果店をつぐ予定らしい、10才から修行とはすごいなと思った

ぜひ今度お買い物しに行こうと思った


幼年学校を卒業したら半分以上は就職というか

着きたい職業のところに奉公に行って仕事を学んで

一人前と認められたらそのまま就職という形になるらしい

だから学校の授業も就職するために必要なものがほとんどだったんだろう

納得だ


進学組は高等学校でもっと専門的な事を学ぶ

魔法は魔法に特化した魔法高等学校だ、より実践的な授業分けなどで

就職したい場所に必要な事を学ぶ。らしい


高等学校はかかるお金も高額になって来るので進学する人は多くはない

前世だと大学みたいなイメージだろうか


同級生たちの今後を想像して、どこかでまた会えたらいいなー、と思った





いつものように町でお買い物をしていると

シャールを見つけた  「シャール!元気だった?卒業おめでとう」


シャール「アルノーラ久しぶり元気よ、あなたも元気そうね。」

シャールは少し見ない間にすごくお姉さんっぽさが倍増していた

「うん、元気にやっているよ。ここで会うのははじめてだね」


シャール「うん、雑用を覚えたから最近店頭に立つようになったの」

「そっか、頑張ってるねえ。じゃあ店員さんおすすめの野菜を下さい」

シャール「おすすめですね、いまの旬はこれですよ。スープに良く合います。」

「じゃあ、それを3つください。」

シャール「はい、まいどあり。」


商品の受け渡しも計算もおつりもすごくスムーズで

もう立派な店員さんだなって思った

なんかすごく嬉しくてずっとニコニコだ


「あ、シャールあれは?すごくいっぱい積んであるけど。」

シャール「あーーー、あれはね、お父さんが安いからってすごく沢山仕入れて来ちゃったの、でもね風で落ちたり早熟だったり傷がついたりしていて・・・・。味見もしてみたんだけど、あんまり甘くもないし・・・。」

「はあーなるほど。」 みたところリンゴっぽいやつだ、リンゴンだったかな?


「一つください。」

シャール「え?いいの?美味しいものじゃないわよ?正直」

「うん、ちょっと味見してみるね。使えそうならいっぱい買うよ」

シャール「ええ?そんな無理しないでね?」

「大丈夫、大丈夫。」


ひとつ受け取ってかじりつく  かぷり 


うん、別に苦いとか変な味がするとかでもない ちょっとすっぱめのリンゴだ

「買うよ、カゴいっぱいちょうだい。」

シャール「ええ!本当に?無理して買わないで?お父さんが悪いんだから。」

「ううん、ちょっと使い道がありそうだなって。もしうまくいったらシャールの所に持ってくるね。」

シャール「わかったわ・・・ちょっと楽しみにしておく。」

「ふふふ、上手くいくといいんだけど。じゃ、またねー」


そういってバイバイした


甘くない、ちょっとすっぱめのリンゴっていったらあれでしょう


家に帰ってさっそく作ろう


まずリンゴを切って芯をとる、あとは適当にいちょう切り

切ったリンゴは塩水にさらしておく


ふたつの味を作りたいので、鍋を二つ用意だ

リンゴの水けをきって、お鍋に入れる

少量のお水とひとつまみのお塩を入れて、あとはごく弱火で

焦げないようにじっくり火をいれて水気がなくなるまで火にかける


そう作っているのはジャムです

リンゴは酸味が強いほうが火を通すと美味しくなるらしいです

誰かが言っていた  たぶん


だいたいはお砂糖をいれたりするんだけど

砂糖なしでも十分美味しいし、甘い

あと罪悪感なくたっぷり乗せて食べられるんだ

リンゴジャムめっちゃ好きなんだよねー

もうパンと1対1になるくらい乗せて食べたい ふふふ


あとはレモン汁を入れたりするんだけど酸味が強いならなしでいいでしょう

汁けが飛んでもったりしてきたら、片方の鍋にシナモンを入れる

これはもうお好みだ

私はどっちも好き、入れすぎは良くないけど、ふんわり香るくらいがいい


味見がしたいので、パンを薄く切ってフライパンで軽くトーストだ

ここのパンは基本硬い全粒粉パンって感じのやつなので

トーストしてカリっとさせると美味しい、個人的にはそのまま食べるには硬すぎるパン


さっそく味見をしよう

トーストしたパンにジャムをたっぷりと乗せてかぶりつく

サクッ もぐもぐ 「んーーーー、めっちゃおいしい。」

すごくいい味だ、シナモン入れたほうはどうだろうか?

サクッ もぐもぐ  「んんっ、こっちもたまんないなあー。このパンにはこっちの方があうかも」


これはジャムにして売ればめっちゃ売れるのでは?

保存もある程度効くし

よし、雑貨屋さんで瓶を買い占めよう、大、中、小。全部だ

さっそく雑貨屋さんに走って売っている瓶全部買った

めっちゃ驚いてたけど、「全部買うからいくらにしてくれる?」って値切っておいた ふふっ

あとは味見用のパンかな

家の近くのマニマニのパン屋さんに行ってジャムに合いそうなパンを爆買いだ

さあ、準備はできた。

明日の朝からシャールの所へ行こう。作戦開始だ  ふふふふっふふふ


ーーーーーーーーーーーーーーー

翌朝、いつものルーティンを終わらせ見送ってから家を出る


青果店へ走っていく、店頭ではシャールが品出しをしていた

「シャール!おはよう、昨日の美味しくできたんだ味見してくれない?」

シャール「ええ、もうできたの?お母さんちょっと離れるね」

そう言って店の内側に連れて行ってくれた

「あのね、昨日帰ってからすぐ作ったんだ。これなら売れると思うよ。」

シャール「これは?」 瓶詰のジャムを見て首をかしげるシャール

そうか、ここら辺はジャムの習慣がないかな?


「これはね?こうやってパンに付けて食べるの。」 実際にやってみせる

シャール「こうね?」 ぱく  もぐもぐ  だんだんと驚きに変わる表情

「どう?美味しくない?」

シャール「すごい、甘い、おいしいわ。これ本当にリンゴン?」

「うん、火にかけて煮詰めたんだよ。」

シャール「お、お母さんにも食べさせてみていい?」

「うん、もちろん。」

シャールはお母さんの手を引いてきて「食べて見て」と急かす


シャール母「もうごめんなさいね、うちの子が。これがあのリンゴンで作ったものなの?ふしぎね」

そう言って恐る恐る食べてくれた  一気に明るくなる表情

シャール「ね?すごくない??すごくない?」

シャール母「確かにリンゴンの味ねでももっと甘いしパンが凄く美味しく感じるわ!」

シャール「でしょう?でしょう?これならきっと売れるわ!!」

シャール母「間違いないわね!ちょっとあんた!あんた!!」

シャール父「なんだってんだ?ああ、こんにちわシャールの友達かい?」

「こんにちは、アルノーラです」

シャール「パパ、これ食べて見て!絶対ビックリするから!リンゴンで作ったんだよ?」

そう言ってジャムを乗せたパンを渡すシャール


シャール父「へえ。コレが?不思議な食べ方だな。」  ぱくっ 開く目 もぐもぐ

シャール父「なんだこれはお貴族様の食べ物かよ・・・・・。」


「こっちの瓶はシナモンを少しいれているので風味が違いますよ、どっちも売ればいいと思うんですけど、味見してみてください。」


3人がそれぞれに味見をする


シャール「こっちも美味しいわ、でも最初の方が好きかも。」 子供はそうかもしれないなー

シャール母「まあこっちは上品な風味がするわ、こっちも好きよ」

シャール父「これもすごいなお貴族様が食うもんだ・・・・」


父のお貴族様のたとえがちょっと面白い・・・ 


「ね?あのリンゴンを煮詰めるとコレができるの。ジャムにして売り出さない?」

シャール父「いいのか?君が考案したもんだろう?」

シャール母「そうね、うちから買って売ってもいいのよ?」


「そんな、たくさん仕入れたのはシャールのパパさんじゃないですか、だからここで売りましょうよ。

それに私はたくさん作って店に立って売り続ける時間もありませんし。売ってくれるのなら私もここで買いたいです」


シャール「ほんとにいいの?」

「うん、そうしてほしいな。そういえばこういう食べものって無かったりする?」

シャール母「お貴族様が果物と砂糖を煮詰めたものを紅茶に入れたりクッキーに付けたりするのは聞いたことがあるけど、こうしてパンに付けているのを見るのは初めてだね、砂糖が無いのにこんなに甘くなるもんだとはね。」


「なるほど、じゃあ商品登録もしていた方がいいですね。パパさんが登録でいいですかね?」


シャール父「ええ!?おれが?」

シャール母「あんた腹くくりな!稼ぎ時だよ!!」

シャール父「お、おう。がんばるよ」


そこからは手分けして作業だ


まずは、作り方をシャール母に教えて大量に作ってもらう

シャールは店番だ


シャール父は私と一緒に商品登録しに商業ギルドへ出発だ!!

さあ忙しくなるぞーーー


ありがとござした!

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