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モンスロスの町 タイタン視点

ルラからの依頼でモンスロスの町で護衛につくことになった

なんでもルラに付きまとう汚いおっさんがいるらしい

そんな奴は許せねえ 即答で護衛することが決まった


だが、そこで気づいた

ルラとはレーベルの門で会った、という事は・・・・・

走ってこの町を行き来しているらしい、毎日  まじかよ


と、言うことで移動は走りだ。ルラが走るなら当然俺たちも走る

次の日の朝一、モンスロスへ向かって走り出す

この街道をまっすぐだ、なんてことはない

だが意外にもアップダウンが多い、キツイ坂は無いが、ゆるい坂は多い

そこが地味にキツイ

なんとか一時間走り切り門の前に座りこむ  なんとか走り切った

ボイルはもう寝っ転がって死んでいる

サンはまだ少し余裕がありそうだ、しんどそうだが立っている


休憩中の所にルラが到着した

走り切った俺たちを褒めてくれた、ルラはうっすら汗をかくくらいで元気そうだ

俺たちも鍛えつづければこんな風になれるんだろうか・・・・


ルラが「がんばったで賞」とか言っておいしいポーションをくれた

ありがたく貰って飲む、うめえ

そのまま少ししゃべって休憩が終わったら町に入る

ルラの案内で今日の掃除ポイントなる場所に向かう、そこから地下に降りた

下水は言っていた通り酷い匂いだった、顔に布を巻いてしのぐ

付けていてもくせえもんはくせえけどな

はじめて下水に来たがこんな風になっているとは知らなかった

トンネル状になっていて端には歩けるように道があったそこから進んでいくと

明らかにきれいなところと汚いところの境目が現れた 

一目瞭然だ

そうかこんだけ汚れているのか、だからこんなにくせえんだ

それがいっきに理解できた、こりゃ領主様も依頼するわな。


ルラは浄化の作業に入り、俺たちは少し離れて護衛だ

ルラが浄化を唱えるとあたり一面が光ってキレイになる、こんな浄化みたことねえ


護衛の間はすることがねえが、こんだけすごいと見ていられるな

2人も浄化の光を眺めている

だが、ルラが言うには昨日の時点できたねえおっさんは冒険者ギルドに捕まったはずなんだ

ココにはこないんじゃないか?

なんて予想とは真逆で、浄化をはじめて1時間もしないうちにヤツは現れた

しかも本当にきたねえ

何しに来たか聞いてもよくわかんねえことばっか言いやがる

しかも、こっちは3人もいるのにルラにつかみかかろうとしやがる

問答無用で押さえこんで捕縛した

そんで冒険者ギルドに連れってたんだが、まあうるせえ

「こいつがケンカをふっかけてきた」だ「俺に迷惑をかけたんだから金を払えだ」

道中ずっと言ってやがった

冒険者ギルドに連れてきて職員に事の経緯を説明して

なんで釈放したか聞いても「実害はない」の一点張りだ

俺たちがこの子を連れてこうとしているのを見たって言ってんのにだ


これは明らかにおかしい。ルラが護衛を頼んでくれて良かったそう思った


話にならねえからギルドから出て、今日はとりあえずもうやめておこう

明日ギルマスが帰ってくるからここに連れてこようって話にまとまった

ルラをレーベルに帰して、俺たちはここに残って何が起こっているのか調べることにした


危なくない程度に聞き取りをして、情報を手に入れようという事になった

冒険者ギルドでの聞き込みは危険すぎるから

どっかの酒場で聞きこみしてみることにした


冒険者ギルドからは離れた場所にあった酒場に3人で入って

それぞれに聞き込みをした、最近おかしな話はないか

誰かがいなくなったりしていないか、そんな感じだ


世間話しから入って気になる事も聞いてみる

ある程度の時間を過ごして外に出る、宿を探しながらどんな話を聞いたかすり合わせる

三人が共通して聞いた話は「子供が居なくなっている」って噂だ

ビンゴだ。こいつは冒険者ギルドが関わった人身売買の可能性がある

ルラの護衛をしてて良かった


適当な安宿に入って3人で話す、明日ギルマスが来たら今日聞いた話をして

ルラをここで仕事させるのを止めるように言おう

ここからの冒険者ギルドの捜査はかなり大がかりなことになるだろうから

ギルマスの指示で動こうと話あって終わった


その後は宿が出してくれた水をのんで3人とも寝たはずなんだ


だが、水をぶっかけられて目が覚める

どっかの部屋、いや地下か?  椅子に縛られてて動けねえ上に体もうまく動かねえ

一服盛られたみたいだ、あの宿屋もグルか

どんだけ手広くやってんだよ

横を向くと、ボイルとサンも縛られてコロがされている

生きてはいるな  良かった


「お前らなんか嗅ぎまわってるそうじゃねえか?しかもあの女の子の護衛?」

「なあ相談なんだが、あの子をここに連れてきてくれるなら解放してやってもいいけどな?どうだ?」


下卑た笑いをする男が二人 一体何人いるんだデカい組織なのか?


「おい!なんか言えよ、連れてくるかここで死ぬまで殴られるか選ばしてやるよ。」


ガッツ「あの子を呼んでどうするつもりだ?」


「そんなもん決まってるじゃねえか、どっかの気持ちわりい趣味した金持ちに売りつけんだよ。あいつはきっと高値がつくぜえーー。たのしみだ!連れてきてくれんなら金もやるぜ?どうだ?」


ガッツ「そうやって子供たちを売ってもうけてんのか?儲かってそうだな?」


「ああ、女、子供は高く売れるからなあーぼろもうけだぜ!お前も金が欲しいだろう?手伝ってくれりゃしっかり恵んでやるから協力しろよ、痛い思いもしなくて済むぜ?」


ガッツ「すくえねえ、そんなクソみてえな考えしてっから顔もクソみてえになんだよ。あの子に手を出すなタダじゃおかねえ。」


「はあ?動けねえくせになにイキってんだくそがーーー!」

蹴りを入れて来やがる 手には鉄の棒まで持ってやがる

素手でやれよ素手でこれだからクソやろうは・・・・


その後は殴られ続け、ルラの場所を吐けと責められ続けた

殴られ、蹴られ、切られ、刺された


なるべく身体強化で耐えたが、刺すのも切るのもさすがに無理だ

俺の反応がなくなると、次はボイルだった

同じような事を言われて 拒否しボコられていた

バカにすんなよ  俺たちがルラに不利益な事を言うわけないだろうが

なめんなよ 死んでもいうか


その次はサンだったが サンも同じだ。 

俺たちは絶対ルラを売ったりしない 


Cランクでくすぶっていた俺たちを焚きつけてくれたのはあの子だ

俺たちでもまだやれるって、Bランク目指してみようって思わせてくれたんだ

こんなクソみたいなやつら、屁でもねえ。

俺たちを殺せると思うなよ



何時間経ったのか俺たちは牢屋に入れられて

3人転がされてた

所どころ刺されたり切られたりしたから床が血だらけだ

起き上がれもしねえ


ルラがギルマスを連れてくるはずだ、運が良ければ助かるかもな

俺たちが死んだとしてもルラが無事ならいいな・・・・

そう思って目を閉じた







次に目が覚めると泣いているルラが居た


「ガッツさん、ボイルさん。死なないでぇぇぇ。」


「おいおい、殺すなよ。」  反射的にそう言っていた

「まだ、死ねねぇ」  横にはボイルがいた


体を起こしてみる痛くねえ    何が起こった

服はボロボロで血だらけだ だが体はなんともねえ

骨も何本も逝ってたはずで・・・・・・。


なんかわからんが生き残った ルラが泣いているから

頭をなでてやる


まだ子供なんだ   心配かけさせて悪かった  いっぱい泣け



ひとしきり泣いた後にルラは気を失った


俺たちは血みどろだからギルマスにルラを任せて

事のいきさつを聞いた


ギルマスの出張は今回のことを探った上で捜索許可をもらうためのもので

調べるうちにここの冒険者ギルド自体があぶないと判明して

急いで帰ってきたらこうなっていたと


「ルラを守ってくれてありがとう」  ギルマスにそう頭を下げられた

実際は何もできてないんだけどな・・・・。

そう言えば  「お前たちが居なかったら連れ去られたかも知れなかった。」と

役に立てたなら良かった・・・・。


で、俺たちを探し出したのも、敵を殲滅して、お前たちを治したのも

ルラだと聞かされた。

ポーションをあるだけぶっかけても、飲ませても目を覚まさないお前たちを見て

ルラが治癒魔法を使ったんだと言う


治癒魔法?・・・・・あの限られた人しか使えない?

しかもあんな重症を?治すほどの?


「これは俺たちだけの秘密だ、わかったな?」 

そうギルマスに言われて激しく頷く


どうりで変だと思った、ポーションを飲んだくらいで骨が簡単にくっつくわけがねえ

上級ポーションならある程度は治るだろうが

そんなもんだ


治癒魔法なんて聖職者か、冒険者にもいる事はあるがそんな重症は治せねえ


やっぱりルラは特別だ

3人でそう再確認した


血を流しすぎた俺たちはうまく動けずここで救護を待つことに

ギルマスはルラを連れて事後処理に行った


ちょっと危なかったが、三人でやり切ったな、と

グータッチをした


さすがにちょっと死ぬかと思ったな、なんて言いあいながら 笑ったのだった

ありがとござした!

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