洗濯機の完成
攻撃魔法の授業を見学したあとにロスター先生と廊下を歩いている
フィク先生に会いに行くんだ
ロスター「本当に素晴らしかったです、学校にいたときよりも発動も魔力操作も洗練されていますね。生徒たちにもいい勉強になったと思います。」
「それは、良かったです。学校を卒業してからも毎日魔法を使っていますから、そのせいかもしれないですね、ふふふ」
ロスター「冒険者になったとききましたけど、大丈夫ですか?危ない事はしていないですか?」
「うーん、今の所そんなに依頼は受けていないですし。ほぼお肉を取りにいくためのものなんで、そんなに危ない目に合う事もないと思います。外には気分転換にしに行っている感じですね、外で食べるご飯は美味しいんですよ。」
ロスター「ほほーそれは気持ちよさそうですねー。町の前の平原は確かに気持ちいいですよね。」
「そうなんです。平原から町を一望できるところがすごくいいです。」
2人でトコトコ歩いて、製造教室に来る。
まばらな生徒とフィク先生が教室内にはいた
「フィク先生、こんにちは。」
フィク「おお!アルノーラ!元気だったか?手紙は届いたみたいだな。ほらこれだ。」
教室の端に置かれていたそれは、まさしく洗濯機
「わあーすごい、洗濯機だ。すごくキレイですね。」
フィク「あれからかなり試行錯誤したぞ、細かい形を決めるのがかなり時間がかかったな、排水やらなんやらがうまくいかなくてな。」
フィク先生が細かく説明してくれるのを聞きながら
洗濯機を細かく見回す、ここもここもかなり実用てきな形になってる
私が作ったときはほぼただの箱だったもんな。
「ほんとにすごいですね、試運転はもう終わっているんですか?」
フィク「テストは何回かしたが、まだ最初から最後まで通しては動かしてない。アルノーラといっしょにやろうと思ってな。」
「フィク先生・・・・。ありがとうございます。」
ロスター「で?これは何をする魔道具なんですか?」 ワクワクした顔で聞いてくる
フィク「こいつはな、アルノーラが授業中にずっと作ろうとしていた洗濯機っていうやつだ、洗濯の自動化を目指してたんだ。」
ロスター「そういえば言っていましたね!ボタン一つで洗濯ができるようにって。」
「はい、せっかくなんでロスター先生に実験台になってもらいましょうか。」
フィク「そうだな、普段洗濯なんかしないやつが試すのが一番いいだろう。」
ロスター「そ、そんな洗濯くらいしたことありますよ?・・・2回くらいですけど・・・。」
フィク「そらいい実験台だ、頼んだ。」
「じゃ、先生コレを洗濯してみて下さい。」
そう言ってタオルを一枚渡す
ロスター「これですね、これをここに入れて?」
フィク「コレが注水ボタンだ、水位は3段階だ少ない洗い物なら一番低い水位で。」
ロスター「ではコレですね」 ロスター先生が一番低い水位ボタンを押す
すると水が滝のように入っていき、ある程度の水位で水が止まる
ロスター「おおコレはすごい」
フィク「あとは石鹸を入れるなりしてもらって、洗濯開始ボタンだ。」
ロスター「これですねー」 洗濯開始ボタンを押すとグルグルと洗濯槽が回り出す
同じ方向ではなく交互に逆回転もして水流を生んでいる
「わーキレイに回ってますねえ、これなら汚れも取れそう。」
フィク「ああ、何回か汚れが落ちるかのテストをしたがいい感じだったぞ。」
ロスター「すごいですねー、これなら私も洗濯できそうです。」
洗濯がちゃんと動いているのが確認できたので排水だ
フィク「ここの栓を抜くと排水ができる」
ロスター「ここですね、えいっ」 水が勢い良く抜けていく
フィク「水が抜けたら栓をして、もう一度注水だ。」
ロスター「もう一度ですか?」
フィク「ああ、石鹸をすすがないといけんだろう」
ロスター「ははあ、なるほど確かに。」 ロスター先生は本当に洗濯をしないみたいだな ふふっ
フィク「水が貯まったらすすぎだ、これは洗濯よりもゆるめに回るように設定してある」
「おおーすごいです。強弱って回路図すごく難しいですよね。」
フィク「ああ、ここが一番難しい回路図だったな。」 すごい
ロスター「すすぎが終わったら排水ですね。」
フィク「ああ、そうだ。で、最後が脱水だ。これは排水の栓を外したまま脱水ボタンを押す。」
ロスター「なるほど、水が流れ出る状態のまま動かすんですね。」
勢いよく回る洗濯槽、下からは水がジョバジョバ出ている。
「ふわーーー。脱水も完璧ですね、さすがフィク先生。」
フィク「この洗濯機は風の魔石の消費がちと激しいが、いままでそんなに使い道のなかった魔石だったしなこれでいいんじゃなかろうかと思うんだが。」
「そうですね、私もそう思います。」
ロスター「風属性の子も魔石アルバイトができるようになって喜ばれるかもしれませんね、ふふふ」
確かに、今使われているのはほとんど火と水だ。
「で、原価はいかほどになったんですか?」
フィク「金貨12枚ぐらいだ、なかなか抑えただろう?」
「おお、最初の想定からかなり下がりましたねーすごい。それなら買える家庭も多そうですね。」
フィク「ああ、嫁にねだられることは間違いないだろう、はははは。」
ロスター「私も妻から欲しいと言われそうです。」
フィク「ははははは、ちげえねえ。」
「じゃ、あとは登録だけですね。もう終わってますか?」
フィク「お前がいないのに行くわけねえだろう、アルノーラの名前で登録してもらわんと。」
「いえいえ、これはフィク先生が作ったものです私が登録するわけにはいきません。」
フィク「なんでだ?この話がしたくて呼んだのによ・・・。」
「簡単な話ですよ、コレを作り上げたのはフィク先生で、私は改良が必要になったとしてもできませんし。これから洗濯機をよりよくしていく事もできません、なのでフィク先生が登録するしかないんですよ。」
フィク「・・・・・言っていることはわかるけどよお、俺は完成品をお前に見せたくて完成させたってのによ。」
「私も完成品が見れてすごく嬉しいです!!もうできないんだとあの時は思いましたし。でももうこの洗濯機を送りたい人もいません・・・・・。だから、できれば沢山のひとに使ってほしいです。」
ロスター「アルノーラさん・・・・・・・。」
フィク「・・・わかったよ。じゃあ登録はワシがやるから収益は受け取ってくんねえか。」
「何言ってんですか?受け取るわけないでしょう。先生だって開発費とかいっぱいかかったでしょうに」
フィク「だがなあ、さすがに収益はなあ・・・・。」
「私は受け取れないです、フィク先生が作り上げたんですちゃんと収益も受け取って下さい。それにですね・・・・・。」
フィク「・・・・・・・?それに?」
「私、実は登録商品がたくさんあるんです・・・・・・。ふふ」
フィク「はあ?どういうこった?????」
かくかくしかじか
これまでの話をかいつまんで話した
ロスター「あれからまた増やしたんですか・・・・それはすごい。」
フィク「じゃあ何か?学校に通っていた時から収益があったと?しかも今までも増えていると????」
「はい、えへへへへ」
フィク「かあーーーーーーー。なんて奴だ、あきれて物も言えねえとはこの事だ」
フィク先生の驚いた顔がおもしろくて 笑った
「そういうことなので、フィク先生が登録してこれからも面倒みてあげてほしいです、丸投げして申し訳ないですが。」
フィク「わかった!俺が責任もって見て行こう。こんな丸投げなら喜んで受けてやるってもんだよ!!」
3人でひとしきり笑って
職員室に向かう
職員室にはみんないた、バルバロ先生もいてあいさつした
バルバロ「なんだ!?お前めちゃくちゃ強くなってるな!?」
会った瞬間にそんなことを言われた
見ただけでわかるの!?
なんでも 「感覚」 だそうで、恐ろしい野生の勘だ
バルバロ先生にヘッドロックをかまされたので
そのまま持ち上げてやった
バルバロ「おっま、ちょっやっめろ」
なんてすごく焦っていた はははははは
校長先生や教頭先生にもあいさつをした
元気にやっている、と
何か困りごとがあれば冒険者ギルドに指名依頼をお願いします。と
営業しておいた ふふふ
こうしてひとしきり懐かしんで、じゃれあって
学校を後にした
なんだかすごく満たされた
近くにいたはずなのに会いに行けなくて
ちょっと遠くにいたような気がして・・・・・
でも先生たちも
心配したり、会いたがってくれたりして
本当に嬉しかった
また、なんでもいいから理由を付けて会いにいこう そう思った
ありがとござした!




