表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

15/23

015:カロンと晩ご飯 

馬鹿に付ける薬 《気まぐれアルテミスとのんびりベロナの異世界修業》


015:カロンと晩ご飯 





「おめえら、こんなもの食ってんのか!?」


 お湯で温めただけのレトルトシチューをコッフェルに入れてやると目を丸くするカロン。


「悪いな、いちいち調理なんかしてられねえ『ダンジョン飯』じゃないんだからな」


「ああ、あれはすごいわね。ドワーフが調理のベテランで、どんな素材からでもご馳走を作ってしまうのよね。あ、でも、旅は始まったばかりだから、パンは、まだ新鮮よ。はい、どうぞ」


「グ、グググ……」


「なんだ、まだなんか文句あるのか!」


「ち、ちげーよ。有機物の……それも白いパンなんて初めて食うぜ……」


 カロンがビックリしているのは、レトルトとかの安直さではない。旅の簡易な食事なのだが、カロンには、とんでもないご馳走に思えるのだ。


「う、うめぇ!」


「カロン、普段はどんなもの食ってるんだぁ?」


「アルテミス、失礼よ」


「別にかまわねえよ。オレたち、太陽系のいちばん外れだし、オヤジが惑星のカテゴリーから外されてからは、そこらへんの星くずとかデブリとかを分子変換して食ってる、ムシャムシャ」


「そ、そうなのか(;'∀')」


「たまに、迷い込んだUFOとかも、ズルズル」


「UFO食うのか!?」


「ああ、中に食料とか積んでるのがあるし、宇宙人て基本有機物だから変換したら、ムシャムシャ……けっこうなご馳走だ」


「「…………」」


「あ、むろん生きてるやつは食わねえぞ。生命だからな。くたばってる奴をいただくんだ。ムシャムシャ」


「そ、そうなのか」


「オヤジはよ、248年かかって太陽の周りを周ってるんだけどよ、人類が発見してからまだ日が浅くって、公転の様子は、まだ半分以上分かってねえ」


「ああ、言語化するには人類の知性を経由しなくちゃならないからな」


「だから、オヤジにはがんばってもらわなくちゃ……オレもがんばるしな。ムシャムシャムシャ……」



 それから、ひとしきり晩ご飯を食べると、空になったコッフェルに手を合わせ、あっという間に消えてしまった。



「いまのアレ、ごちそうさまだよな?」


「意外と礼儀正しい……」


 それから、自分たちはほとんど食べていないことに気づき、それぞれカロンの半分ほどの晩ご飯を食べた。


 プルートは、深夜になって戻ってきたが、しっかり寝ていた二人は朝まで気づくことが無かった。




☆彡 主な登場人物とあれこれ


アルテミス          アーチャー 月の女神

ベロナ            メイジ 火星の女神 生徒会長

プルート           ソードマン 冥王星のスピリット カロンなど五つの衛星がある

カロン            野生児のような少女  冥王星の衛星

カグヤ            アルテミスの姉

マルス            ベロナの兄 軍神 農耕神

アマテラス          理事長

宮沢賢治           昴学院校長

ジョバンニ          教頭

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ