短編 放課後のかくれんぼ
初めて書くので拙いですが、涼しくなって貰えたら幸いです。
それでは本編をどうぞ!
今日は雨です。
梅雨時期だから仕方ないけどこうも長く続くと憂鬱になる。友達はみんな帰ってしまった…私が先生の手伝いをさせられてる間に帰ったのだ。
私はカバンを持って階段を下りて行く。すると不意に声をかけられた。
「ねぇ?あなた遊ばない?」
「えっ?誰?」
「ねぇ?遊んで?」
彼女は私に遊んで欲しいらしい。
「分かった、じゃあ遊んであげる。あなた名前は?」
「私?私はねーえりだよー」
「えりね、私はほのか、よろしくね、じゃあ何して遊ぶの?」
「かくれんぼ!」
(高校生になってもかくれんぼをする羽目になるとは…)
「かくれんぼね、じゃあ鬼を決めないと、ジャンケンでいい?」
私は半ばやる気のない感じで聞いた
「ううん、私が先に鬼でいいよ!」
「分かった、じゃあ隠れるね、」
「範囲は校舎内だけね、」
「分かったわ。」
私は何も不思議に思わずかくれんぼをするのであった。
私が隠れた場所は一階の教室の教卓の下だった。5分くらい経ったくらいでえりはやってきた。
「みーつけた!」
「じゃあ次は私が鬼ね、数えるから隠れてね」
「一、ニ、三、…」
私は数え終えるとえりを探しに行く。
なかなか見つからない…
(なんで私の場所あんなに早くみつけられたのかな?)
私は疑問を持ちながら探していた。そしてようやく見つけた。場所は三階の一番奥の教室の掃除箱の中だった…
「じゃあ次は私が鬼ね!隠れて、隠れて!」
「えーもう17時半だから帰るよ!」
「えーあと一回だけ!」
「はぁ…しょうがない…あと一回ね!」
まぁ、私が探すのが遅かったからってのもあり、罪悪感からか最後にもう一度やる事にした。
だけど、この時帰ってれば良かったと後に後悔する事になるのだった。
「じゃあ隠れてね!一、ニ、三、…」
私は隠れる場所を探した、直ぐに帰れる様に一階に隠れる為階段を降りた
「あれ?階段が続いてる…私…今何階にいるの…?」
私は再び階段を降り続けた。
「もういいかーい?」
「まーだだよ!」
私はとにかく下へ降りていった。
(おかしい!一階に着かない…)
とにかく終わらせる為に私は近くの教室に入った。そして、掃除道具入れに隠れた。
「もういいかーい?」
「もういいーよ!」
(あれ?何かの違和感…)
私の違和感…それは…
(そうか!声の大きさが変わってないんだ。どうして?)
「もう良いかーい?」
(えっ?なんで?私の声聞こえなかったのかな?)
私がもう一度「もういいよー」と言おうとしたら…「まぁーだだよー!」という声が聞こえた。
「えっ?」
思わず私は声が出てしまう。
そして再び「もう良いかーい?」と声がした。
「もう良いよー」と今度は近くから聞こえた。
私は逃げたい気持ちを抑えて掃除箱の中に隠れていた。
「どーこーかーな?」
あの女の子の声がした。
早すぎる…私がここまで降りるのに3分位かかったのに、私じゃない誰かの返答から1分も経たない内にやってきた。
私は掃除箱の中から時計を見たまだ17時半…時計は動いていないのだ。
私は急いで掃除箱から出たすると…
「みーつけた…」
「えっ?」
あの女の子がいた。
「今度はあなたが鬼ね…」
「な、何言ってるの…?私はもう帰るのよ…」
「うん、知ってるよ!だからあなたはここに残るの、私の代わりにね!」
嬉しそうな顔をした少女の後ろにもう一人の少女がいた。
「次はあなたがいてくれるのね…」
「なに…言ってるの…?」
「じゃあね、えり、楽しかったよ!」
「うん、でもこれからの私は|ほのかだよ」
「えっ?」
私が混乱してる間に話が進み、そして私は意識を失った…
次の日
「ほのかー昨日は一緒帰れなかったね、ごめーん!」
「本当だよ!帰りは雨が酷かったんだからね!」
「ごめんってば!今日帰りに何か奢ってあげる!」
「ええー!本当やった!」
「そういえばほのかはこの学校の七不思議って知ってる?」
「うーん…全部は知らないけど…一つ位なら…」
「へぇーどんなの?」
「放課後に一人でいるとかくれんぼに誘ってくる人がいて、その人とかくれんぼして最後に見つかると大変な事になるんだって。」
「どうなるの?」
「さぁ?知らないよー」
私は不敵な笑みを見せるのであった。
10数年後…
「ねぇ?遊ばない?」
「えっ?貴女は誰?」
「私?私はね…ほのかだよ。」
涼しくなりましたか?
それではまたどこかで…