表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/125

剣契(前) ④




一晩経ち、結局オドは剣契に使う剣をどうするかという問題を棚上げにして、ひとまず角鹿、海蛇、大鷲を仕留めることにした。オドが家から出ると東の地平線から朝日が昇り大星山を照らしている。オドは伸びをすると、気合を入れて角鹿がいるといういつもの狩場の方面へと歩き出す。


「おーい、オドー。」


1人で歩いていると、ちょうど狩場へと向かうカイとムツと遭遇し、カイがオドに声をかける。


「おはよう、オド。」


ムツもオドに挨拶をする。


「おはよう。二人も今から狩り?」


「おう。てことはオドも今から狩りか。もしかして角鹿を探しに行くのか?」


オドが頷くとカイとムツは顔を見合わせ頷く。


「そうか、なら案内するよ。しきたりで討伐の手伝いはできないことになっているが、案内ぐらいならいいだろ。」


そういってカイとムツはオドを案内することになった。




3人が来たのは昨日オドが鹿を仕留めた絶壁の一番下、大星山と山脈の境界となっている深い谷の最下層部分である。そこから西に歩くこと数時間、谷が終わり三方を絶壁に囲まれた場所が現れる。


「オド見上げてみろ。絶壁の途中に穴が開いている所があるだろ。あそこが洞窟の入り口になってる。洞窟の先に目当ての角鹿がいるはずだ。」


オドが見上げると確かに正面の岩壁の中腹に人ひとりが入れるくらいの穴がある。


「二人ともありがとう。それじゃ行ってくるね。」


オドは洞窟の入り口を確認すると案内してくれたカイとムツに挨拶をする。


「おう。がんばれよ、オド。」


そういうとカイとムツは来た道を戻ってゆく。そんな二人の背中を見送ると、オドは洞窟のある絶壁に向き直り気合を入れるのだった。


「よし、行きますか!!」





オドと別れたカイとムツは顔を見合わせ溜息をつく。


「カイ、、、」


「ムツ、、、」


「「多分バレてたな、、、」」


実は二人がオドと遭遇したのも、気まぐれを装って洞窟まで案内をしたのも偶然ではなく決められた順序をなぞっただけであった。その為、北の海蛇がいる洞窟へのルートにはルナとコウが待機していたりする。


「そもそも俺達、今日の狩りの当番じゃないしな、、、。」


カイとムツは自分たちの白々しい演技は勘のいいオドにはバレたと感じつつも役割は果たしたと集落へと帰っていくのだった。





オドが洞窟の中に入ってみると、そこはまるで別世界のようだった。


洞窟内は緑色にキラキラと輝く尖った鉱石によって明るくなっており、天井から滴る水でできた池もあった。また、オドが今まで見たことのないような動物や植物が生息しており、なにより想像以上の広がりがあった。


「すごいな、、、」


オドが幻想的な空間に見入っていると一匹のウサギがオドの方に向かって駆け寄ってくるのが見えた。


しかも、そのウサギは明らかに殺気を放っており、なにより普通ではありえないきばを持っていて、また緑色のオーラのようなものを纏っている。オドは冷静に短剣を握ると駆け寄るウサギに投擲する。


「ギャア」


短剣はウサギの額に命中する。そこでオドは衝撃の光景を目撃する。


ウサギの身体がガラスのように弾け、纏っていたオーラと同じ緑色の光と共に消滅したのだ。オドがびっくりしてウサギのいた場所に駆け寄るとそこには短剣のみが転がっていた。


「どういうことだ、、、?」


首を傾げつつも、「進むしかない」とオドは気合を入れ直す。




南洞窟攻略が始まった。



ここまでご覧になって頂きありがとうございます。

拙い文章ですが、少しでも気に入っていただけましたらブックマーク、高評価をしていただけると幸いです。

評価は↓にある【☆☆☆☆☆】のタップで行えます。

また誤字脱字の報告、感想もお待ちしています。

Twitterもやってまーす。(@Trench_Buckets)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ