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ティンポニックバトル  作者: 九夜
1/3

朝勃ちと出会いは突然に

満月の夜、天守閣の上で無機質な鎧と全身白い装いの騎士は戦っていた。

「「うおおおおおおお!!」」

剣と剣がぶつかり合い凄まじい光があたりを包んでいく。

ドガッ、夢を見ていたらしい。先ほどの夢をおぼろげに思い出しながらボーっとすることおよそ10分。

「あっ、朝勃ちだ」


「急がないと遅刻だ!!」

今日は4月3日、始業式だ。2年目の初日から遅刻はマズイぞ…そんなことを考えながら通学路を猛ダッシュしていた僕こと包城 茎(ほうじょう けい)は曲がり角から現れた人影に気付かず反応が遅れてしまった。

ドンッ!!

きゃっという女の子の悲鳴に続いて盛大に尻餅をつく音が聞こえた。

「すいません、大丈夫です…かっ!?」

すぐに彼女を助け起こそうとした僕の目に飛び込んできたのはとても触り心地のよさそうなサラサラとしたセミロングの黒髪と整った顔立ち……そして盛大にめくり上がってしまったスカートの下から見える純白の布地とよりそれを際立たせる可愛らしい青いリボンのパンツだった。

目の前に現れたその光景に僕の思考は完全に停止してしまった。

「あっ…あのっ…」

何も言葉が浮かんでこない(まずい…まずいぞ)

頭では必死にかける言葉を探しているつもりなのだ、だが思考は完全に白に塗りつぶされてしまっている。完全に真っ白だ…いや、少し青色が見える。

そしてこんな状況でも体は正直だ、主にズボンがとても正直にテントを設営している。

「ご、ごめんなさい!!」

これ以上見ては失礼だと決死の思いで後ろを向いた僕は彼女を助け起こす為に手だけを差し伸べた

「ありがとうございます。あの・・・見えちゃいました?///」

僕の手をつかみ立ち上がった彼女はスカートの裾を直しながら恥ずかしそうにそう聞いた。

恥じらいのこもった透き通った可憐な声でそんなことを言われたら誰だって同じ行動をとっただろう。

「み、みみ・・・みてませえええええん!!」

僕はこの状況に耐え切れずにその場から全力疾走で逃げ出してしまった。

「彼ならきっと…」

小さな声で彼女はつぶやきその場を後にした。



「なんとか始業式には間に合ったぞ…」

「どうしたんだケイ、珍しく遅かったな」

ゼエゼエ息をきらしながらもなんとか教室にたどりついた僕に声をかけてきたのは親友の槍杉 帝(やりすぎ みかど)だった。

「お・・・おはよう帝。ちょっと登校中にトラブルがあってね」

「そりゃ災難だったなぁ、バナナの皮でも踏んじまったのか?」

「いや、流石にそこまで酷くは無いさ」

帝との他愛ない会話を楽しんでいる間も僕の頭の中からあの純白が離れることはなかった。


始業式、校長の長い挨拶が終わると次は新生徒会の就任挨拶がある。

どうして始業式はこんなにも無駄に長いんだ。

そんな事を考えている間に校長の挨拶が終わり新生徒会役員の紹介が始まった。

会長、副会長、次々と紹介される生徒会メンバーをただ眺めていただけの僕は次に現れた人物を見て驚きを隠せなかった。

「4月から風紀委員となりました二菜 里奈(ふたな りな)です。」

「えっ」

間違いない今朝ぶつかった彼女だ、脳裏に焼きついたパンツがそう告げている。

「帝、あの人・・・」

「お?3年の二菜先輩か?清楚な黒髪ロングでスタイルもいいしおまけに美人で風紀委員とか最高だよなぁ!俺も是非とりしまられたいぜ、というか彼女の美しさこそ風紀違反だろ!!」

「ところでケイ、放課後暇だろ?ゲーセンでいつものアレやりにいこうぜ!」

帝は楽しそうに提案してきた。



武装対戦(ウェポンファイト)12種類の武器から1つを選び2対2のタッグバトルを行うVRアーケードゲームだ。僕と帝は半年ほど前からタッグを組んでこのゲームを始め、今ではかなりやりこんでいる部類に入る。

「いつも通り俺は槍を使わせてもらうぜ!」

VRバイザーを被りながら帝はそう宣言した。

「おっけー、じゃあ僕は・・片手剣を使うよ」

お互いに武器を選択し終えるとマッチングが始まる。

「今回の相手はハンマーと短剣使いのタッグか・・・帝、短剣は君の槍のリーチで抑えてくれ、僕はハンマー使いを狙う。」

「任せとけ!」


【Battle Start】


眼前に戦いの始まりを告げるメッセージが表示される。

始まった、作戦通り僕はハンマー使いとの間合いを一気につめる。帝も上手く短剣使いと1対1の状況に持ち込めたようだ。

ハンマー使いは溜めからの大ぶりなモーションでハンマーの横薙ぎを繰り出してきた。

それを敵の足元を潜るようにスライディングで回避した僕はハンマー使いの背後へと回り込み攻撃を仕掛けた。

「ソードスラッシュ!」

ソードスラッシュの一撃がクリティカルダメージを与えることに成功したようだ。相手のライフバーは半分を下回っている。

焦った敵はむやみやたらとハンマーを振り回すがもちろんそんな単純な動きが当たるわけが無い。

「これでトドメだっ!」

ソードの必殺溜めスキルであるパワーブラストを発動し、僕はあっさりと勝利を収めた。

「帝のほうは・・・」

帝も一歩も間合いに入らせないプレイングで圧勝していた、流石だ。


「いや~勝った勝った、どうよ俺の槍捌き。完璧だろ!」

僕らはガッツリ夜まで遊び倒し、時刻は夜の21時

「じゃあ俺はここで、また明日な!」

「ああ、また明日。」

交差点で別れてそれぞれ帰路についた。

そして事件は起こる。

これからの僕の運命を大きく変えることになる事件が・・・


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